日下三蔵のレビュー一覧

  • グリーン車の子供
    初期の殺人ものよりも、この辺りの役者の日常の謎のが確かに面白い。特に三人目の権八が良かった。ひかりこだま問題は、今ならひかりが小田原に止まるからそうすればいい。しかし今はビュッフェがないな。
  • 夜のアポロン
    いつ読んでも新しく思えるのだけど、かなり前に書かれたものなのかな。
    世界観に浸れる貴重な作家さん。
    まだまだ作品を送り出して欲しい。
  • 夜のアポロン
    幻想的な短編集。一応ミステリ、とされているので。ミステリとして読めるものが多いけれど。一概にくくれるものじゃないですね。しかし幻想にしろミステリにしろ、どの作品も素敵なのは確か。
    お気に入りは「致死量の夢」「死化粧」。おそらく収録された作品の中でも一番ミステリとして読める作品かな。だけど物語を取り巻...続きを読む
  • 日本SF傑作選5 光瀬龍 スペースマン/東キャナル文書
    子供の頃、夕ばえ作戦(うちの近所が舞台)とか北北東をソノラマ文庫のジュブナイルを愛読、「百億の昼と‥」は「果てしなき流れ‥」と「神狩り」と並び、最もカッコイイ日本SFだと思う。本書は宇宙もの中心のラインナップで、かっこよさよりはガテン系の装い。「東キャナル文書」の連作が趣き深いです。ハルキ文庫で買っ...続きを読む
  • 日本SF傑作選5 光瀬龍 スペースマン/東キャナル文書
    懐かしい東キャナルシティ。
    慣れ親しんだ語り口。
    良いですねえ、好きですねえ。
    なにもない砂漠、吹きすさぶ砂嵐。
    数億年の過去と未來。

    大人になってみると、大金のかかる宇宙開発にこういう雑な人達を使って良いのかなと思うところもあります。
    大航海時代がイメージとしてあるのかも。

    年代シリーズも掘り...続きを読む
  • 日本SF傑作選5 光瀬龍 スペースマン/東キャナル文書
    光瀬龍が新刊で読めるって嬉しい!(((o(*゚▽゚*)o)))
    小学生の頃に鶴書房の本を読んだのが最初だと思うが、中高生の頃から一番好きな日本人作家として挙げてるのが光瀬龍だった。ザッツ・エンターテイメントなものも好きだけど、虚無的な感じも好きなんだよなー
  • 日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空
    前半は宇宙もの、後半は著者の代名詞であるインサイダーSFです。特に後半は時代を感じさせない(時代を先取りした)同時代性があり(産業士官学校ってビジネススクールでは?)、面白かったです。不定期エスパーとか引き潮のときとかカルタゴの話とかも復刊希望。
  • 海王星市から来た男/縹渺譚
    手に入れ損ねていた本をやっと読めた喜びって大きい!
    「海王星市から」は再読、他はお初にお目にかかりました。
    へおべおたむ・・・好きだわ~(。・ω・。)ノ♡
  • 獏鸚
    ちくま文庫の怪奇探偵小説傑作選〈5〉海野十三集―三人の双生児を分冊して、再刊したもの。ちくま文庫版も持ってますが、もちろん買いました。内容はもちろん素晴らしいです。
  • 團十郎切腹事件
    歌舞伎座改築中に寂しくなって全集を少しずつ再読してました。
    もともと歌舞伎に興味があって探偵小説好きな自分には手放せないシリーズです。

    歌舞伎役者中村雅楽の粋で上品ななたたずまい、大好きです。
    正統派で読後感がすっきりしている話が多いので個人的には何篇でも読める自信があります(笑)
    表題作を初めて...続きを読む
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1
    いわゆる傑作群「明治もの」長編への胎動が感じられる珠玉の短篇集。どれもが切れ味鋭くハズレ無し。長編のような情緒はないものの濃縮したアイディアがよりストレートに味わえます。全部好きですが「からすがね検校」「東京南町奉行」が特に良かったです。
  • マインド・イーター[完全版]
    当時歴史ものばかり読んでいた私にSFの面白さを知らしめた一冊。 「前宇宙の残滓」たるマインド・イーター(以下M・E)という鉱物のような得体の知れない小天体とそれが人類にもたらす恐怖を軸に展開される連作短編集。
    宇宙艇に搭乗した人間とM・Eのドッグファイトや月面探索、宇宙船の船長とそのコンピュータとの...続きを読む
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1
    山田風太郎の幕末明治ものにはハズレはない。これも、圧倒的な迫力で幕末の怪人妖人たちの生きかたと死にざまを描く。山田風太郎を読むなら幕末明治ものだとはっきりと確信させられた。
  • マインド・イーター[完全版]
    これは面白い! 地球外の生きる鉱物であるマインド・イーター、そしてそれと関わる人間を、短編を使って様々な角度から描いている。人間とは? マインド・イーターとは? という一つの謎を辿る、壮大な物語。
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1
    本は二部構成になっていて、第一部が「青蛙堂鬼談」全12話。
    百物語の会で、参加者が次々に怪談・奇談を語ってゆく、
    という趣向。
    養父と成長した養女が妻の死後に夫婦同然の関係になるのだが、
    その娘が刀に付いた血を舐めたがるという「一本足の女」が
    一番ゾゾッと来ました(^_^;)。
    第ニ部は独立した短編...続きを読む
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1
    レビュー:

    岡本綺堂、と言っても最近は知らない方が多いだろう。岡っ引の回想録という形での推理小説「半七捕物帳」や歌舞伎の劇作、そして卓越した英語力(父が英国公使)でディケンズやデフォーの怪奇小説の翻訳、とその精力的な創作力にはただただ圧倒。又、明治の文人でありながら江戸情緒に並々ならぬ愛情と造詣が...続きを読む
  • 團十郎切腹事件
    これぞコージーミステリ。本当に上品で、でも甘くなくシビアで、しっかりと読ませる短編連作。老成した歌舞伎俳優から聞き書きをして記事を書いている東都新聞の芸能記者竹野を狂言回しに据えて中村雅楽という架空の歌舞伎役者を主役にした珠玉の連作ミステリ。殺人事件もなかにはありますがそれよりも日常の恋愛沙汰のもつ...続きを読む
  • 劇場の迷子
    中村雅楽老シリーズ4作目。恋愛模様を描いた短編が多かったように感じました。シリーズの初めからのおなじみ竹野さん、江川刑事に加えて、関寺真知子という若くて美しくてお行儀の良い雅楽老お気に入りの登場人物も加わり、若くて様子のいいお嬢さんが大好き、という、歌舞伎界の重鎮の雅楽の弱点というか茶目っ気というよ...続きを読む
  • グリーン車の子供
    雅楽が活躍するシリーズ2作品目。本当に安心して読めるすこぶる上質のミステリ。とはいえときどきどきりとするような毒も入ってはいます。表題のグリーン車の子供、は、タイトルを受賞した作品らしくバランス良くまとまった作品。細部にあまりこだわらない私はまったく気になりませんでしたが(むしろ気づきませんでしたが...続きを読む
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3
    重厚。ぐっとくるほどの何かが魅力です。恋愛を軸にした話が多かったけど、どれもセンスがあって好きでした。ストーリーというよりは、その世界観を楽しむ作品。ハムレットをゼミ発表で使う予定ですが、ストーリーは刺客、細かい描写はやはりハムレット。これだけの世界、知性が無くてはかけるはずが無い、と思えるほどもの...続きを読む