日下三蔵のレビュー一覧

  • 静かな終末
    前半の短編がとても面白かったので購入
    なんとも言えない不思議な空間と、終わり方がいい
    途中から長めのSFに入り読み進めれず断念。
  • 平成古書奇談
     フリーライターの主人公が、古書にまつわる不思議や謎に遭遇する連作短編集。各編ごとに、SF、ミステリー、ホラー、ファンタジーの要素があって、多少の出来不出来はあるものの、古書に関する蘊蓄も勉強になり楽しく読むことができる。
     友だち以上恋人未満の彼女との恋の進展も、今の時代ではちょっと感はあるが、そ...続きを読む
  • 仕事ください
    昭和中期に書かれた眉村卓さんのSF・ホラー短編作品集。日下三蔵編。
    2部構成で、Ⅰ部はショートショート22編を、Ⅱ部は短編3作を収録している。

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     個人的には Ⅰ 部の方がおもしろかったように思います。特に気に入ったのは、「奇妙な妻」「人類が大変」「できすぎ...続きを読む
  • 怪奇小説集 蜘蛛
     週刊新潮に連載した「周作恐怖譚」を1959(昭和34)年に単行本として刊行した『蜘蛛——周作恐怖譚』に4編を加え、1970(昭和45)年、『遠藤周作怪奇小説集』と題して出版されたもの(を、『怪奇小説集』と更に改題して1973年に講談社文庫で出したもの)。

     中学生の頃私は北杜夫のユーモア・エッセ...続きを読む
  • 夜のリフレーン
    24編の幻想小説集。
    特にのめり込んだのは『妖瞳』だった。東京で男色研究をしている主人公が、因果な運命を背負った青年を目の前に、心の内で言葉が止まらないシーン。「内心舌なめずりする」のが文章だけで手に取るように分かって身震いした。主人公との対話によって硬く閉ざされた扉が開かれ、覆い隠された青年の心が...続きを読む
  • 獏鸚
    戦前の帝都東京を舞台にしたミステリー短編集。
    昔の小説という感じはさすがに否めないが、雀荘の雰囲気、恵比寿や目黒ですらうら寂しい感じ、井戸に旦那を放り込んでしまう感じ、会話のテンポ感など、随所に漂うレトロ感や当時の空気感が何とも言えず味わい深い。
  • 團十郎切腹事件
    戸板康二の短篇ミステリ作品集『團十郎切腹事件―中村雅楽探偵全集〈1〉』を読みました。
    戸板康二の作品は、昨年12月に読んだアンソロジー作品『鉄ミス倶楽部 東海道新幹線50』に収録されていた『列車電話』以来なので1年振りですね。

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    ミステリ史に燦然と輝く...続きを読む
  • 箱の中のあなた ──山川方夫ショートショート集成
    山川氏は所謂純文学とエンタメの境界領域で活躍した作家さん。教科書に採用されたこともあって、代表作と目される「夏の葬列」も〝オチ〟の後に、主人公の独白が続くという、ショートショートとしては異形なもの。巻末の座談会にもあるようにショートショートに明快な定義なんてないのだけれど。とはいえ、望まない結婚を強...続きを読む
  • 平成古書奇談
    古本にまつわる事件に巻き込まれるのは「ビブリア古書堂〜」と同じなんですが、あちらよりも地味で神保町などの古本街にあるお店に近く馴染みがありイメージしやすい。短編集。

    各話どういう話で終わるのかわからないのは本と同じ、見た目ではわからない。それが面白い。

    ぼんやりとしたまむたいなオチの話も、その方...続きを読む
  • 怪奇小説集 共犯者
    解説にあるように、この短編集は、怪奇小説ではない。でも、ミステリーとして読めば面白いものは結構入っていて、偽作という話は面白かったな。
    時代背景にもう一つ馴染みがないから、それを利用したならような話が多いので、残念ながらもう一つ、入り込めなかった。でも、描写はなかなか、映画でも見ているようで、人喰い...続きを読む
  • 仕事ください
    眉村卓は小松左京・筒井康隆・半村良・光瀬龍・星新一といった日本SF第一世代に所属している。これまで眉村作品は殆ど読んできたという自負がある中、本書「仕事ください」は読んだことがないと思っていたが、実はハヤカワ文庫JA「奇妙な妻」の収載作品とほぼ同じであることが後に判った。SFに感銘を受け、SFにのめ...続きを読む
  • 平成古書奇談
    横田順彌の単行本未収録だった古書を題材にした連作短編を文庫化したもの。
    作家志望の青年と、行きつけの古本屋店主とその娘が主人公の古書を題材にした連作だが、SFだったりホラーだったりミステリだったりとその内容はバラエティに富んでいて全体的に軽めのテイスト。
  • 日露戦争秘話 西郷隆盛を救出せよ
    快男児中村春吉の小説第三弾。前二作と異なり、SF的表現は少ない。シベリアの奥地の監獄に捕われた西郷隆盛を救出に行くのだが、全般的に間延びしている感があり、今一盛り上がりにかける。とはいえ、途中で仲間になるキャラクタは魅力たっぷりで可愛いのだが。特筆すべきは編者による巻末の解説。横田順也による当シリー...続きを読む
  • 平成古書奇談
    古書にまつわる、というよりは古書をきっかけに紡がれる連作集、という感じでしょうか。ファンタジーっぽいのやホラーっぽいのやミステリー風なのやいろいろ。自分に合うのがあったら当たり、という感じで読むのがいいかな。
  • 平成古書奇談
    フリーライターをしながら作家を志す25歳の馬場浩一は、街の古書店、野沢書店に出入りしている。店主の野沢勝利と娘の玲子と懇意にしながら、趣味や仕事、執筆の資料として出会う古書を通じて不思議な事件や謎にぶつかる。古書マニアの著者が知る業界の事情を巧みに盛り込み、SF、ホラー、ファンタジーを横断する連作集...続きを読む
  • フェイス・ゼロ
    「恐怖と欲望幻想」なSIDE Aも良かったし、「科学と冒険」なSIDE Bも面白かったです。
    「一匹の奇妙な獣」「フェイス・ゼロ」「魔神ガロン 神に見捨てられた夜」が特に好みでした。SIDE Bに偏ってるな。。
    『戦争の子供たち』も気になるのに、構想だけで創作されなかったみたいなのは残念です。SFの...続きを読む
  • 大人になる時
    2022-05-23
    久しぶりの草上仁。相変わらず読みやすくて捻りがあって面白い。ちょっとホラー風味強めかな?しかし12編すべて面白いって異常。
  • 怪奇小説集 恐怖の窓
    講談社文庫版のネーミングを踏襲するなら「第三怪奇小説集」となるのか。ストレートな実体験怪談である「恐怖の窓」なども混じってはいるが、ジャンル小説としての、ホラーや怪談に属する作品はほとんどない。文学よりと言えばいいか、あらすじなどを造ってみると分かるが、筋を追っても、お話のコアが少しも見えないような...続きを読む
  • 第8監房
    ・私は柴田錬三郎を知らない。いつもかういふことを書いてゐるのだが、実際に知らないのでかうとしか書けない。私は好き嫌ひが多い。 読む物も片寄つてゐる。作家も同様である。かつて私の眼中にシバレンはなかつた。ところが最近はいろいろな文庫が出る。海外の読みたいものがないので、今は昔の日本の作家でも読まうと思...続きを読む
  • 静かな終末
    どのお話もかなり短いので、電車の中や休憩中にサクッと読むことができます。コンパクトながら、ぎゅっと物語がつまっていて、こんなにも短いストーリーでゾッとさせたり、クスッとさせたりする著者のセンスに脱帽です。
    待ち時間や、試験勉強の合間の息抜きに最適です。