津本陽のレビュー一覧

  • 身命を惜しまず 安藤帯刀と片倉小十郎
    戦国の主人公たる主君を支えた有能な家臣。先ずは安藤帯刀。徳川家康の傍らで主君を支え、また紀伊の頼宣の傅役として幼い主君を補佐、教導した。激しい気性の頼宣は、安藤帯刀なくしては、紀伊藩主としては成り立たなかたかもしれない。
    片倉小十郎景綱。伊達政宗の傅役を命ぜられ、伊達政宗の参謀として奥州の覇者に押し...続きを読む
  • 泥の蝶 インパール戦線死の断章
    日本軍が大敗を喫したビルマのインパール作戦。この戦闘での日本司令部の無策、無能ぶりを批判し、その犠牲となった最前線部隊の悲劇を連作で描いた短編小説集。

    著者としては、この作戦のお粗末さを強調したかったのだろうが、どこまでが事実で、どこまでが想像なのかがわかりにくい。その結果、小説としての面白さ、ド...続きを読む
  • 椿と花水木 万次郎の生涯(下)
    さらに深くジョン万次郎について知りたくなり、こちらに挑戦。かなりの長編。文体的に読みやすくはなく、正直けっこう読み飛ばしました。でも大まかには理解。やっぱりアメリカに渡って未知の世界と出会うあたりは面白かった。そして日本に戻って逆カルチャーショック気味になるところも。この頃の日米の差は歴然。万次郎さ...続きを読む
  • 伊賀忍び控え帖
    津本陽の独特の雰囲気は好きです。
    方言なんかも。
    ゆえに理解の浅いことも。
    自分の実力不足。(笑)
  • 薩南示現流
    示現流はもとは自顕流という流派からの派生だとは思わなかった。薩摩で、東郷がその流派を確立させるには、相当な力も要ったであろう。だからこそ、幕末、その示現流が明治維新の良くも悪くも回天させる着火剤的な役割を果たすまで、薩摩で蒸留されてきたのだと思う。
  • 宮本武蔵
    バガボンドの影響で、知っている登場人物が
    全部マンガの人物像になってしまった。
    えーそんな話だったっけか...と、
    なんかこう話についていけなかった。
  • 独眼龍政宗 上
    津本さんの著書は初めてよんだが、まるで歴史の教科書である。キャラクターの魅力は伝わらない。これを読んで、「うわー、政宗ってかっこいい」とはならないかも。。。
    そして、大きいことも小さいことも同じくらいの力の入れ方で書くので、戦争シーンが誰が一番で、誰の首をとってなどの描写が長々と続き、飽きてしまう。...続きを読む
  • 吉田松陰 異端のリーダー
    今年(2015)の大河ではもう死んでしまったが、実際にはどう云った人物だったのかと云うことで。
    まあ、この本に書かれてることが史実かどうかは分からないけど、参考にはなる。
    今の時代に龍馬や松蔭って声はあるけど、違うね。彼らはあの時代だから活きたんだね。今いると、多分全く受け入れられないわ、松蔭君。
    ...続きを読む
  • 吉田松陰 異端のリーダー
    20150218 有名過ぎて、何をした人かかえって分からなくなっていた。大河ドラマの影響もあってあらすじを、知りたかった。淡々とした記述が丁度良いさめ加減。この後、ドラマを、求めて別の本を読むかどうかは各自の判断だろう。
  • 吉田松陰 異端のリーダー
    事前の松陰のイメージは知的で落ち着きと信念を持った人物であったが、そうではなく短絡的で猪突猛進な事実が沢山。
    学者としては優れた才覚があるのかもしれないが、軍略家や経営者としては才に乏しいように感じる。
    ・玉木文之進の教育は吉田家の山鹿流兵法師範の大助の危篤をきっかけに開始
    ・松陰の明倫館の授業はさ...続きを読む
  • 伊賀忍び控え帖
    危機はなく、でも、その時代のことがよくわかる。
    後半、信長が出てくると俄然話がおもしろくなるのは、(それでも危機は少ないけれど…)なぜだろう。
  • 大わらんじの男(三) 八代将軍徳川吉宗
    20140425 時代小説というよりビジネス書のような感じ。多少眠くなる所もあるが理解できれは役に立ちそう。
  • 千葉周作 下
    千葉周作を たんたんと 描く。
    独立して 門下生を集めるために
    様々な工夫をする。
    起業家でも あったんですね。
    千葉周作は。

    「敵をただ討つと思うな身を守れ、自ずから洩る賤が家の月」

    試合に際し 疑い、惑い、ためらい、おそれが 禁物である。156ページ

    千葉周作は 剣の達人だけでなく
    人を見...続きを読む
  • 千葉周作 上
    千葉周作は 天性の勘のよさがあり、
    柔軟だった。
    間違いを指摘されれば すぐさま訂正する。

    それにして、6尺もあった というから
    背が高かったんですね。
    相撲さんといわれるほどだった。
    にもかかわらず 身体が柔らかく 器用だった。

    とにかく、稽古が好きで
    理詰めの剣に徹する。
    負けたときのほうが...続きを読む
  • 大わらんじの男(二) 八代将軍徳川吉宗
    20140402 善政の説明が少しくどく感じてしまう。波乱が隠れたところでしか起きないのでつい飽きてしまう。この先の展開に期待。
  • 大わらんじの男(一) 八代将軍徳川吉宗
    20140330 大河ドラマ風で安心して読める。この先の展開も史実にどこまでドラマを出せるか。楽しみ。
  • 龍馬の油断 幕末七人の侍
    タイトルは『龍馬』だけれども、取り上げられているのは、坂本龍馬の他に以下6人にまつわる短編集。
    ・陸奥宗光
    ・中村郁蔵
    ・山岡鉄舟
    ・高橋泥舟
    ・勝海舟
    ・吉田松陰

    著者は剣術に詳しいことで有名で偉人の若い頃の剣術修行についての内容が興味深い。
    個人的には高橋泥舟と山岡鉄舟の短編が印象に残る。

    ...続きを読む
  • お庭番吹雪算長 上
    この手の時代小説は、津本陽派と隆慶一郎派に分かれますが…
    私は隆慶一郎の少しじめっとした作風が好きです。
  • 戦国武将の脳―乱世を勝ちぬくブレインパワー
    今まで言われてきたことを脳のメカニズム的にはこうだとまとめたもの。脳科学者と作者が対話形式で話を進めていくが時々会話がかみ合ってないこともある。
    同じ文章がコピペのように別の章であたかも今始めて語るかのようにある。
  • 小説 渋沢栄一(上)
    たぬきじじいというイメージだったけどただひたすらに「善意の人」。色々失敗している部分も、その清さゆえに感謝されているところがあるんだろうな。晩年まではただ忙しく、金にあかしたというわけでもなさそうなので、そのモチベーションがノブレスオブリージュということでもなさそうだ、というところが一番気になる。そ...続きを読む