津本陽のレビュー一覧

  • 勝海舟 私に帰せず(上)
    ---こののち天下の体勢は、門望(声望)と名分に帰せず、かならず正に帰すであろう。
    私に帰せずして、公に帰するにきまっている。これはわずかな疑いもいれないことである。---

    ---麟太郎は市井の無頼、侠客の名誉心をかきたててやれば、幕臣よりはるかに頼りがいのある、義侠の徒となるのを知っていた。--...続きを読む
  • 最後の相場師 新装版
    976年10月から1982年頃までの6年間が描かれており、主人公の佐久間平蔵は伝説の最後の相場師・是川銀蔵氏をモデルにしています。

    是銀銀蔵さんは、1982年当時の長者番付の1位になるなど大変有名になった人で、当時はマスコミに騒がれたそうです。

    日本の資源株に目をつけ、一点買いに絞り安値で買い占...続きを読む
  • 龍馬残影
    いろは丸の事件を中心に亀山社中時代の龍馬の行動を考察したもの。決して龍馬中心ではなく、周りの立場からも事件を再構成してあり、いままであった龍馬のイメージとはまったく違う龍馬が描かれる。そこにはツワモノの食えない龍馬がいる。しかしそれはよく考えてみれば分かる範囲のことであり、龍馬を批判している訳でもな...続きを読む
  • 雑賀六字の城
    ほ、方言ってこんなに読みづらいのか…。
    というのが読後の最初の感想です。

    ストーリーは雑賀衆が信長と闘って、最終的には辛くも退けるという内容。
    97%くらい、途中を端折りました(笑)
    雑賀といっても忍びの話ではないのでそこだけはご注意。
  • 下天は夢か 三
    <本の紹介>
    本願寺率いる一向一揆との泥沼の戦いが信長を待ち受けていた。将軍・足利義昭は、信長を失脚させようと陰謀をめぐらす。敵対勢力の拠点と化した比叡山延暦寺を焼討ちにより殲滅するが、三方ケ原では徳川家康との連合軍が武田信玄に大敗。信玄の急死で辛くも窮地を脱した信長はついに義昭を追放し、浅井・朝倉...続きを読む
  • 剣のいのち
    当然におもしろかった。
    左馬之助が近藤を斬る場面を見たかったが、まあそうもいくまい。
    歴史が変わってしまうからな。
  • 前田利家(下)
    利家、秀吉の5大老に就任。
    秀吉死後、実質は利家、家康の2人大老に政権が委ねられる。

    利家臨終間際、妻まつを家康のもとに使わす。
    長男、前田利長が家康の傘下に入る。
    これにて、前田家は安泰になる。

    信長→秀吉→家康
    と、3大強人を渡り歩く、処世術には目を見張る者がある。
    それもこれも、前田利家の...続きを読む
  • 前田利家(上)
    信長の若き日から近従し、信長の信用を得る。
    信長から、「槍の又左」、「かぶきもの」と呼ばれる。
    また、信長の側近集団、赤母衣衆(あかほろしゅう)を統率。

    秀吉とは親友。

    賤ヶ岳の戦いが勃発。
    秀吉 VS 柴田勝家
    利家はどちらにもつかず、閉居する。

    秀吉の許しにより、秀吉の臣になる。

    前田利...続きを読む
  • 直感力 ~カリスマの条件~
    とても読みやすかったです。
    カリスマと呼ばれる人には先を見る目に加えてどれだけ修羅場をくぐってきたかという経験が必要なんだなってことでしょうか。頭でっかじゃ駄目ですね。
    この作品をきっかけに著者の歴史小説を読んでみようと思います。
  • 名将名城伝
    比較的有名な戦国武将とその居城にまつわるエピソードを12章の物語で綴る。

    城・武将好きの方なら既知のことが多く、マニアの方には物足りないだろう。

    しかし、入門書としてはまあまあ、歴史分野で高名な筆者の書く文章も読みやすくてお勧めである。
  • 拳豪伝
     常識はずれの怪力僧・武田物外の生涯を描いとります。自らも剣道や居合の高段者である津本氏の作品はリアルな撃剣シーンが大きな魅力です。しかし、この作品の場合は、リアリティを求めるより武田物外というスーパーマン的な人物の活躍を手放しで楽しむのが正解。ある意味ファンタジー小説かも知れない(定義は知らないが...続きを読む
  • 武の心
     古くは戦国時代から連綿と続く日本の古武術、古武道各流派の現代の師範を訪ねたルポルタージュ集。時代小説や時代劇の中でしか聞いたことのない流派が、今も存在しているということにマズ驚き。武道に深い造詣を持つ筆者のルポだけにナカナカ面白い。
  • 深重の海
    1978年の直木賞受賞作品。衰退していく古式捕鯨の物語。全体のトーンは暗い。それでも孫才次の無垢さが救いになっている。
  • 加藤清正 虎の夢見し
    特に序盤が秀吉の歴史をなぞるだけになった感がある。もちろん三木城や鳥取城攻めの軍功などは語られているが、ぶつ切りな感が強い。
    熊本統治や朝鮮の役のあたりの話は面白いが、型どおりな清正で、小西や石田との不和も特別感はない。
    一冊にまとめるのがきつかったのかなあ
  • 幕末維新傑作選 最後の武士道
    幕末から明治初期の剣客たちの人生の物語8編収録。
    「祇園石段下の決闘」「死に番」「弥兵衛斬り死に」の3作が印象深い。

    自分の人生を賭けて生きた人々は多くいたはずで。歴史上、いわゆる教科書に名前が残るような大人物でなくても、多くの人物が何かを志し何かを賭けて生きようとしていた時代が幕末から維新にかけ...続きを読む
  • 戦国武将に学ぶ情報戦略
    彼らはどのようにして戦っていたのか。

    ホトトギス三人の話でしたが
    確かに言われてみれば…という点も。
    三人が三人とも、力を入れていた場所が違うので
    くっきりはっきり特色が出ていて分かりやすいです。
  • 深重の海
     読み応えのある力作でした。


     明治十一年に実際に起きた悲惨な海難事故に材を取りつつ、是を仏教文学の思想を交えてテイスティングしていく。


     板子一枚下に広がる無辺の地獄。生命と生命の格闘。生きるという苦難。愛別離苦。而して無常。


     台詞の殆どが和歌山県の古い方言である為、可也読み難い部分...続きを読む
  • 下天は夢か 一
    歴史で学んだ織田信長と今川義元の戦い改めて深く知った
    また、木下藤吉郎が織田信長にどのように認められていったかも再認識することができた
  • 戦国業師列伝
    津本陽さんによる10編からなる短編集。

    ・上泉伊勢守信綱
    ・前田慶次
    ・千利休
    ・藤堂高虎
    ・長谷川等伯
    ・九鬼嘉隆
    ・安国寺恵瓊
    ・雑賀孫市
    ・石川五右衛門
    ・大久保長安

    業師とはその分野で素晴らしい能力や功績を残し、人としてもカリスマ性を持ち合わせいる人物という意味で上記10名は各々が業師で...続きを読む
  • 叛骨〈下〉 陸奥宗光の生涯
    大分前に読み終わっていたが書くの忘れてた。この明治維新から国が成っていく過程って、あまり詳細に理解することなく、日清日露戦争の戦勝に繋がっていき、軍国主義になって太平洋戦争に突入していってしまうバクっとした理解しかない。しかしながら明治維新から国が固まっていく過程の中で綱渡りな駆け引きや事件が沢山あ...続きを読む