城山三郎のレビュー一覧
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農民の出である渋沢栄一の士農工商から尊王攘夷そして実業家に変遷していく大きな変化の時代にどう行動していくのかが分かる物語であった。第一銀行、論語、千代、市郎右衛門、伊藤博文、一橋慶喜、横浜焼き討ち、新選組、蛤御門の変、近藤勇、土方歳三、大隈重信、フランス行き、等歴史がよく分かった。Posted by ブクログ
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大戦末期のなりふり構わない特攻作戦の惨さを改めて教えてくれる城山氏晩年の作品。「回天」や「桜花」はまだしも、海に潜った人の手による「伏龍」や水上機特攻に至っては何をか言わんやである。自身の入隊体験をまじえながら描かれる指揮官2人の過酷な運命。彼ら所縁の地を目で確かめたり、遺族を探り出して取材敢行した...続きを読むPosted by ブクログ
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・東京2020大会で、「日本が馬術競技で89年ぶりのメダル獲得ならず」との報道を観て、では89年前にメダルを獲った人物のことが知りたくて読んだ。
・バロン西。男爵、西竹一。陸軍軍人としては異色の人物。白洲次郎と印象がかぶる面もあるが、自身の生死に関しては白洲と真逆の生き方だったように思う。Posted by ブクログ -
村上水軍をひきいた村上武吉。見事なまでの頑固者であり、無骨に、まさに自分の信念を貫いたと言える。豊臣秀吉からは嫌われ、晩年は辛い生活を強いられたが、強きに従うでもなく、自らの信念に基づき、見事に生き抜いた。Posted by ブクログ
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この作品は、通産省の人事を巡る人間関係を描いています。主人公の風越は官僚的であり、ある面では、非官僚的です。誰に対しても歯に衣着せぬ物言いは魅力的だ。「男なら」を好み、人に頭を下げるのが嫌いだ。保身を考える組織人には羨望だろうと思う。Posted by ブクログ
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国鉄総裁を勤めた石田礼助の生涯を描いた小説。78才の石田は、公共サービスと安全対策に心を砕いた。終章に書かれている、暮らしぶりや簡素な葬儀の話に心を打たれる。Posted by ブクログ
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●企業人になった頃に、城山三郎さんの本をたくさん読みました。城山さんは某小説賞の席で、金で左右されるような賞の審査員は辞退すると、席を立ったそうです。そうした言行一致の姿勢が好きです。
●この本は広田弘毅の人生について書かれました。ただ一人の文官として、処刑された広田の思いに感動しました。Posted by ブクログ -
「昭和の日』に、昭和の傑物の伝記を読み終えた。
日米開戦前の三井物産社長、国鉄第五代総裁、石田禮助の生涯。
戦前、物産ニューヨーク支店長時代、大西洋(太平洋ではなく)横断の海底通信ケーブルの最大ユーザーが三井物産だった、というのは、何だか誇らしい。一方、そこまで世界経済と密着してたのに開戦に流れてい...続きを読むPosted by ブクログ -
城山さんの小説は読んだことがないのですが、きっと骨太の作品を描かれる方だろうな、という想像。
私生活では、愛妻家だったんだなあということが伝わりました。特に、娘さんが書かれた文章から。
舞い降りた妖精、苦しい別離、運命の再会。素敵。
「そうか、もう君はいないのか」
なんて切ないタイトルでしょうか。...続きを読むPosted by ブクログ -
「この爺さん、いったい何者なのか。」で締められる第一章が秀逸。
その後は、石田禮助という人物の人生のダイジェストという感じです。波乱万丈の人生ですが、一つ一つのエピソードを深く掘り下げて書くことはしていないので、やや淡白な印象がなくはないです。
しかし、石田禮助の魅力は存分に知れますし、ビジネフマ...続きを読むPosted by ブクログ