柴田よしきのレビュー一覧

  • おいしい旅 想い出編
     温かな記憶を巡る「想い出」アンソロジー。

     お気に入りは福田さんの「幸福のレシピ」と新津さんの「ゲストハウス」。

    「幸福の〜」は、パティシエだった亡き夫の想い出のクリームブリュレの味が忘れられない琴子。旅行先として昔住んでいた神戸で思いを馳せていると、ひょんな事から知り合った一樹と一緒ににスイ...続きを読む
  • 聖なる黒夜(下)
    麻生と練の関係が急激に変化し、瓦解、という言葉がしっくりくる。
    長年に渡って離れていた同士が急速に近づいて、混ざり合う様子が激流のようであっという間に読み終えてしまった。
    物語の謎はまだ残されていて、「私立探偵麻生龍太郎」に続く余韻が残されていて、この先も麻生と練の縁・因果は繋がっていくんだろうと感...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    登場人物が上巻だけで凄く多い。
    一人一人、名前と注釈をメモなどしながら読むことをおすすめしたい。

    過去と現在を行き来しながら、物語が進むので、とてつもない長い期間のように感じてしまうが、事件が起きてからはたった9日間しかたっていないことに読後に驚く。
    麻生と練の過去と現在と共に、複数の容疑者が伏線...続きを読む
  • 注文の多い料理小説集
    7人の作家が「料理」をテーマに描いた短編小説集です。今迄に他の作品を読んだことのある作家もいれば、この小説集が初めての作家もいます。読んでみたい作家の作品を、この様な作品集を読んでからと、思う人もいるかもしれません。この短編集では柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」が最初に登場します。柚木麻子さんの作品...続きを読む
  • 聖なる黒夜(下)
    漫画「囀る鳥は羽ばたかない」が好きな方は間違いなく好きな作品だと思います。練が切ない。幸せになってほしい
  • 聖なる黒夜(下)
    上下まとめて。

    痛くて痛くて胸が苦しくなる。
    強くて美しく脆い練を想わずにはいられない。
    書き下ろしもとても良く、胸に秘められた蝶が情景に浮かぶ。
    どう考えても壮絶な人生。好きになってはいけない人を好きになってしまう。付かず離れず。諦めた方が楽だけど、やっとの思いの一筋の光。
    韮崎や全ての人に情が...続きを読む
  • おいしい旅 想い出編
    想い出編は、昔の想い出のある土地、食べ物を巡る旅です。


    「あの日の味は」柴田よしき
    20代の時、京都の花園会館という集合住宅で一緒だった美奈、ムーちゃん、テラが三十年ぶりに京都で再会し、懐かしいラーメン店やウクライナ・ロシア料理店など巡ります。ムーちゃんは離婚。テラは病気を抱えており、美奈は独身...続きを読む
  • おいしい旅 想い出編

    ごちそうさまでした!

    ご贔屓の先生から始めましての先生まで、ほぼ全て楽しく美味しく読めました
    たぶん、ご近所のあのお店?とか今度旅行に行ったら探してみよう!とか実在するお店がモデルになっていたりでワクワクしました
    想い出編だったからか、ちょっと寂しかったり秘密があったりもしますが最終的には納得できるので安心して読めま...続きを読む
  • 小袖日記
    当時の美人顔

    おかめについての

    詳細な描写にも笑えます

    完璧なおかめ とかね



    つい どうして

    『源氏物語』の女性たちは

    抵抗が薄いのか

    と思いがちですが



    運動不足で極端に

    筋力がなかった 当時の女性たち

    衣装も長い髪のある頭も重く

    男性にのしかかれたら

    抵抗できないと...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    山内や麻生の関係性や、その他シチュエーションまでたまらないものがたくさん出てきてニヤニヤする。下巻も楽しみ。
  • 小袖日記
     不倫をしていた上司から妻が妊娠したから別れたいと告げられた主人公のあたし。

     死んでやると飛び出して、結局、ばかばかしくなって家へ戻ろうとした時に落雷!

     気が付いたら、そこは自分のしっている平安時代と微妙にずれた感じの平安京。しかも、別人になっていた。その名は小袖。

     彼女は「源氏物語」を...続きを読む
  • 月神の浅き夢
    既に前に2巻出ているけど読んでない、という状態なので、いきなり冒頭での過去の振り返りがありがたいやらそうでもないやら。
    更には、序盤からバブルの香りというか、あたし、どうしちゃったのかしら、とかいう香ばしい独白も出てきて、こいつはどうなることやら、と思っったけど。
    始まってみるとなかなか、皆さん泥ま...続きを読む
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ
    優しい作品が多くてほっとする。
    近藤史恵さんの「孤独の谷」は、この中ではぞくっとするというか、切ないお話。
    「扉を開けて」の不思議な雰囲気も、篠田真由美さんだーっとなって嬉しくなる。母娘のあまりに親密な関係が呼んだ「何か」。
    永嶋恵美さんのあれにはしてやられた。うまいなぁ。ああいうのは大好物。
    「青...続きを読む
  • ア・ソング・フォー・ユー
    シリーズ第4弾です。
    懐かしい歌謡曲の響きになぞらえた4つの中編。今回もお話は、いろいろ繋がっています。

    ブルーライト・ヨコハマ
    アカシアの雨
    プレイバックPART3
    骨まで愛して

    こうしてシリーズ続けて読んでいると、すっかり自分が新宿の中に、ポーンと放り出されているような感覚になります。『普通...続きを読む
  • 注文の多い料理小説集
    好きな話ばかりだった
    料理の描写がどのお話も目の前にあるかのよう
    地元と思わせるような話もあって楽しめた
  • 注文の多い料理小説集
    おいしいごはんが出てくる話は面白いという法則を見つけたので、
    ぴったりのアンソロジーじゃないか!と思い手に取った。
    私の説は立証されたな、と確信を持った。
    読んでいるととにかくお腹がすく。
    前菜からデザートまで楽しめる話ばかり。
    初めて知った作者さんもいて素敵な出会いのきっかけにもなった。

    電子書...続きを読む
  • 鉄道旅ミステリ2 愛より優しい旅の空
    「夢より短い旅の果て」の続編。
    本当に読み応えがありました‼️
    柴田文学の魅力が凝縮された作品だと思います⁉️
    鉄道旅行で出会った様々な出会いで人生観を語り、恋愛もし、鉄道旅行の魅力も知り、旅先の土地の知識も広がり、謎も解き、確実に大人として成長していく主人公を中心に語りに語るスケールの大きな作品だ...続きを読む
  • 月神の浅き夢
    RIKOシリーズ第3弾
    このシリーズで一番面白かった
    とは言え起こる事件の残忍さ 巻き込まれる人々のやるせなさ
    痛みの残る話だった
    なのにシリーズこれで終わりなの?
    信じられない
    そして緑子ったら麻生とも…っんもう本当に!
    猟奇的山内は苦手なのに根の優しいところが垣間見えるとやっぱり魅力的に思えてし...続きを読む
  • アンソロジー 捨てる
    全て描き下ろし作品と言う点も嬉しいですが、普段から読んでいる新津さん、松村さん、柴田さん、近藤さん以外の初読みの作家さんもいて新鮮でした。

    負けた人が秘密をバラして行く永嶋恵美さんの「ババ抜き」 終始ゾワゾワする松村比呂美さんの「蜜腺」 女の本音が描かれた近藤史恵さんの「幸せのお手本」など どの...続きを読む
  • 聖なる黒夜(下)
    上巻が面白かったので期待しながら読んだら下巻はもっと面白かった
    一気読み
    男だらけの愛憎劇
    3角関係なのかもはや何画関係なのかわからない複雑な関係が入り乱れる
    いわゆるBLモノというのに初めて触れ面食らうものの途中からは人と人との深い絡み合いの話だなぁとすんなり受け止められた
    他の本でも2人が関係す...続きを読む