柴田よしきのレビュー一覧

  • フォー・ディア・ライフ
    花咲慎一郎シリーズの第1作。
    花咲のもとに持ち込まれる悪ガキの救出、家出娘の捜索などの個別案件と思われていた探偵の仕事が実は繋がっていたというストーリー。巧妙にはりめぐされた伏線がお見事といった感じだった。
  • 激流[下]
    そういう事だったのか。と、いうラスト。。失踪した冬葉はやはりもうこの世にはいなかった。あまりにも勝手な大人達に翻弄されたと言ってもいい。その大人達は歪んだ形で罪悪感を持ったまま歪んだ人生を歩み、その歪みが圭子達、同級生らに再び冬葉を思い出させる事になる。
    何とも悲しい結末で久々に溜め息が出てしまった...続きを読む
  • 聖母の深き淵
    緑子の人物像がより鮮明に深まった今作。
    彼女はタフだ。それはダイヤモンドのように傷つけられることがない、というものではなくて、生身の肉体を持ち傷つき、倒れながらも何度も立ち上がる強さを持っている。
    LGBTの勉強にもなった、メディアに出てるフィルターをかけられたイメージではなく、彼ら自身の声を聞きた...続きを読む
  • ふたたびの虹
    東京•丸の内にひっそりと店を構える「ばんざい屋」を舞台に、様々な人間模様を描いた本。

    お店のお客さんのドラマが1話ごとに綴っていて、さらに毎回お腹が鳴ってしまいそうな季節の素材を使ったお料理がストーリーと絡み合ってたくさん出てくる。

    物語が進むに連れ、女将である美鈴さんの過去が明らかに。ミステリ...続きを読む
  • 観覧車
    切ない。
    本の帯に「めっちゃ切ない」と書いてあったけど、帯の感想って
    あまりあてにしないし、正直「ケッ」て思ってしまうことがあるのだけど
    これは本当に切なかった。

    ある日突然失踪した夫を待ち続ける唯。
    “彼が自分を裏切っていないのなら生きていないだろう、そして彼が生きているとしたら
    自分を裏切って...続きを読む
  • 激流[上]
    めくるめくストーリー展開!!!
    これぞ柴田さん!!!
    この前、猫探偵読んでがっかりしかけたけど、やっぱりこの人いいわーーー!!!

    去年、ママと祖母がはまっていた本らしい。

    修学旅行で京都に行ったら、班員の一人が行方不明になり、大人になってからその子からメールが来て…というミステリーホラー。
    ちょ...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    練が切なすぎてうわあぁ…文庫版に併録された短編を読んで号泣。麻生は麻生で不憫でかわいそうというか気持ちはわからんでもないけど練の歩んだ人生を思うともっと寄り添ってあげてほしい…。シリーズ通して読んで、練というひとの存在の切なさとかやりきれなさに何度も泣いた。
  • 聖母の深き淵
    この小説はミステリーという括りだが、事件解決がメインではない。
    メインはLGBT、男尊女卑、育児など社会問題と、登場人物の複雑に絡み合う人間関係。
    「都合の良い人物」など出てこない、それぞれが意思を持ち、物語の中で生きている。
    スーパーヒーローなんかではなく、私たちと同じく醜い部分を持ち、ときには選...続きを読む
  • ワーキングガール・ウォーズ
    この人のOL物は共感できるし、
    読んでいてスカッとするほど小気味イイ。
    もっとこの路線を書いてほしい。
  • 月神の浅き夢
    涙が堪えなくなった、心が抉られたように痛くて痛くてしょうがない。そう、人は神になれない。徹底的な権利を重んじる人が人を裁くシステムの中で、この重任を担う警察や裁判官は一体どんな責任を背負えばいいのだろうか、誰がこの善悪を決める人たちの正義を問うだろうか、そもそそ正義一体何なの。自分がなぜ警察をならな...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    互いに殺したいほど相手を憎みながらも、執着し、依存していく不器用な男達。
    メインの2人がとても魅力的。

    人間の罪と罰、人が人を裁くということについて考えさせられます。
  • 少女達がいた街
    ノンノ、チアキ、ナッキー。
    背伸びして大人に近づこうとするような16歳の少女達が起こしてしまう事件が21年も経ってから真実がわかってくる。
    大人びたことをしながら、心は子供というアンバランスがすごく共感できて懐かしさを感じるようだった。
  • 聖なる黒夜(上)
    すごい内容だ……。あまりにもつらい過去で目を背けたくもなったけども、同時に練の人生を見守っていこうとも思った。
    警察小説としては濃厚なストーリー。警察組織や麻生班や及川たち警察官としての意地やプライドも表現されてる。その辺りがおもしろい。
    中盤あたりからおもしろさが加速する感じ。被害者を取り巻く人間...続きを読む
  • 聖なる黒夜(下)
    読みごたえあった。登場人物も多く、上巻では途中までなかなか物語に入り込めなかったが、それも上巻の後半からは解消。
    物語もクライマックスに向けて盛り上がって、下巻では一気読み。さすがに、これだけの厚さだと一気読みは寝不足になってしまったけど、時間を忘れさせて読ませる内容。麻生や練、及川など登場人物の心...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    登場人物も多く文体も好みのものじゃなくて、読みはじめはページをめくるのに苦労した。中盤を過ぎてから、徐々に盛り上がりを見せている。下巻を読むのが楽しみ。横山秀夫と松本清張を足して二で割ったような印象。
  • 聖なる黒夜(上)
    いつも柴田よしきさんの世界観には打ちのめされる。


    上巻の終わりで山内練の過去がようやく明るみになり、
    その絶望の深さを知ってなんか色々と納得。


    個人的に、人って経験や年齢や色んな因果によって
    めまぐるしいくらい、予想もつかない方向に
    変わっていくものだよなぁとか思っていたりするので
    気弱でわ...続きを読む
  • 聖なる黒夜(下)
    下巻にもなると読むのが止まらなくなった…。麻生については物語の主人公だからかなり行動とか心の動きとかが書かれているけど、まわりを取りまく人物についてもっと知りたいなと思いました。こんなに分厚いのにまだまだ細かく読みたいんだよ〜。
    特に山内、韮崎、及川についてもっと知りたい。。。うーん…他のシリーズに...続きを読む
  • 少女達がいた街
    70年代の青春小説にミステリーをブレンドした傑作です。
    前半は1975年東京を舞台とした青春物語。ロック好きの女子高生がドラッグやロックンロールの渦へと巻き込まれる様子が綴られています。当時の風俗がとてもリアルで非常に面白いです。
    後半は21年後の1996年が舞台。ここからミステリーに様変わりします...続きを読む
  • ワーキングガール・ウォーズ
    柴田よしきさんの実体験?から綴る働く女性のリアルな本音と弱音。総合音楽企業の企画部係長・墨田翔子・三十七歳、未婚、入社十四年と十ヵ月。部下があり仕事は出来る。収入もそこそこ。でも対人関係はちょっと……。仕事に疲れ、ネットを通じて旅行代理店の契約社員愛美と知り合い、愛美が住むオーストラリア旅行へペリカ...続きを読む
  • ワーキングガール・ウォーズ
    勝ち組負け犬と、負け組負け犬予備軍の女性が織りなす、現代社会を生きる女性の物語。読み終わったあとの爽快感が最高♡ 働くことは誰かだって楽しいことばかりじゃないけど、明日も頑張ろうって思える。