萱野稔人のレビュー一覧
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○津田塾大学准教授の萱野氏と作家の雨宮氏の著作。
○非正規雇用者の労働状況や思想(右翼左翼)関係をテーマに、現代社会の労働のあり方についての対談をまとめたもの。
○雨宮氏の非正規雇用(フリーター)やメンヘラーについての考察や指摘は、自身の経験に裏打ちされたものでもあり、大変分かりやすく、また、実態を...続きを読むPosted by ブクログ -
ナショナリズム成立の過程、国家とは、ネーションとは、国民国家とは、共同体とは、、、
それぞれについて丁寧にまとめてくれていて、様々な方面から国内外問わず論者を引き合いに出して論を展開しているので、まさに入門という感じで今の僕にはうってつけだった。この辺りのテーマをこれから学びたい!という人にとっては...続きを読むPosted by ブクログ -
第一章 ナショナリズム批判の限界
──格差問題をめぐって
第二章 ナショナリズムとはどのような問題なのか?
第三章 国家をなくすことはできるか?
──国家を否定する運動がナショナリズムに近づくという逆説
第四章 私たちはナショナリズムに何を負っているのか?
──国家と資本主義の関係をめぐってPosted by ブクログ -
1970年代前半から先進国では交易条件が悪化し資本利潤率が低下してきている。高度経済成長が止まり、資本投下によるリターンも得られなくなる。実物経済から金融経済へと舵を切るも2008年の金融危機は金融経済化の方向も息詰まらせることに。定員15%の近代資本主義が新興国の隆盛によりバランスが崩れ、今、世界...続きを読むPosted by ブクログ
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他の日本の論者とは一線を画する国家論。
<印象的な箇所のまとめ>
・ネーション(国民)とナショナリズムと国民国家は異なる。
・ネーションとは人間集団の単位。同じ国民なら、あなたと私は同一だと想像して生まれる想像の共同体。
・ナショナリズムとは、同一民族が一つの国家を作るべきと考える主義主張、政治的...続きを読むPosted by ブクログ -
経済学者である水野和夫氏と哲学者である萱野稔人氏との対談本。
この本で、アメリカのイラク戦争の目的が理解できたような気がする。水野氏の指摘が正しいか否かはわからないが、イラク戦争の目的を論じた様々な言説の中で、最も腑に落ちる内容だった。
しかし、萱野氏は実に首尾範囲が広いものだと感心する。Posted by ブクログ -
見えにくく隠されている問題点を具体的に引き出し、わかりやすい。
人間の社会的支えである経済性あるいは精神性の貧困状態を現象面で具体的にとらえ、てその構造の矛盾を指摘している。
貧困の詳細を社会(政治・行政・司法・企業・)と個人のギャップから見つめて実名で開示していることが、わかりやすい内容にして...続きを読むPosted by ブクログ -
日本の人文思想界に蔓延するナショナリズムを悪と捉える批評者たちのふるまいを、ナショナリズムに依存しつつ反発するのは思春期の反抗とほとんど変わらないと評して、バッサバッサと著名論者たちを斬っていく。面白い。Posted by ブクログ
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面白かった。現在、世界経済が内包する諸問題は単なる不況ではなく、資本主義が迎える構造的な大転換であり、パラダイムシフトである、という著者の考察をわかりやすく解説している好著。資源価格に全てを転嫁しているなどややモデルが単純すぎるきらいがあるが(専門家じゃないので詳しいことはわかりませんが)、先進国と...続きを読むPosted by ブクログ
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「生きづらさ」の原因は自分を肯定できない環境にあるため。自己肯定は何らかの集団(会社、学校等)への所属→他者からの承認のプロセスが必要。そういった集団から抜け落ちてしまったニート、引きこもり、フリーターはナショナリズムに傾倒。しかし、現代はナショナリズムに傾倒するのも困難な層(ネットカフェ難民、ホー...続きを読むPosted by ブクログ