萱野稔人のレビュー一覧
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エコノミストと哲学者による対話集である。ヘゲモニー(覇権)の変遷を観点に世界経済の動向を分析しているのはおもしろい。Posted by ブクログ
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[ 内容 ]
いま多くの人が「生きづらさ」を感じている。
一九九八年以降、自殺者数は毎年三万人を超え、毎日のように練炭自殺や硫化水素自殺のニュースが報じられている。
鬱病など、心を病む人も増える一方だ。
これらの現象は、現代社会に特有の「生きづらさ」と無縁ではない。
その背景には、もちろん経済のグロ...続きを読むPosted by ブクログ -
成長を前提とした経済システムは限界を迎えており、それに固執する先進国は財政破綻の危機に瀕している。
著者によると、この現象は、中世封建社会から近代資本主義社会への転換に対応できず、旧システムに固執したことにより財政破綻した16世紀のスペインの姿によく似ているという。
500年に及ぶ資本主義の歴...続きを読むPosted by ブクログ -
貧困、アイデンティティ、ナショナリズム 他人を蹴落としてでも勝ち残れ、あるいは自分を押し殺してでも社会にとけこめ、それでだめなら自己責任という重苦しい空気。その先に死があるとすれば、「甘えるな」の一言で片付けるのはいささか乱暴にすぎる。Posted by ブクログ
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この本は「週刊ブックレビュー」で2009年1月に紹介されました。
映画監督の佐藤忠男さんが取りあげました。
著者の雨宮処凛さんはNHKの「私の1冊 日本の100冊」や「派遣切り」の問題を扱ったテレビ討論番組にも出演しています。
佐藤忠男さんは敗戦後の貧困を経験していますが、当時の貧困は「努力すれば...続きを読むPosted by ブクログ -
派遣労働者や現在の経済格差、労働環境の問題を対話形式で論じている。
一貫してアイデンティティの問題を主題としている。
いつの時代でも経済格差は多かれ少なかれ存在するだろうが、貧困層が社会的に包摂されているかということが重要なのである。
まあこういう問題に興味がある人は読んでおいていいだろう。Posted by ブクログ -
最近よく萱野さんの著作を読んでいる。
歯に衣を着せぬ語り口に惹かれている。
この本では何冊かの哲学書を読みながら、様々な「〇〇とは何か」を考えて行くという構成。
なるほど…と思う部分。何で?と思う部分。まだまだ自分では思考についていけない部分。色々とあったけれど読み通してみました。
引用から説明...続きを読むPosted by ブクログ -
2023/12/22
気になっている萱野稔人さんの著作ということで購入してみたが、読み進めている今の段階では論理の飛躍や意味不明な説明が目立つ。
いたずらに残虐な殺人事件の詳細を述べたりするワイドショー的なノリ。
「宅間」という特殊な事例を一般的な事例に適用しようとしている。演繹法にしてもあまりにお...続きを読むPosted by ブクログ -
もっとこう、精神的な悩み的な生きづらさかと思えば、どちらかというと社会的なことかな。
まぁ、そこから精神的なものに来るわけだけれど。
時代というやつですかね。
雨宮さんは何度か名前は見かけた事があるけれど、書籍にはあまり触れた事が無くて、こんな方なんだと。
僕自身もそうだけれど、いつの時代も「...続きを読むPosted by ブクログ -
昨日の衆院選は自民公明の圧倒勝利で終わった。立民は後退した。野党の選挙連合がまさに意味のないことが証明されたようなものだ。そして、この本である。新書であるゆえ、高度な議論ではなくわかりやすい例を多数あげてリベラルの限界を示してくれており、それを昨日の選挙も証明したようにすら感じた。もっと政治には力を...続きを読むPosted by ブクログ
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死刑制度について、廃止と存続、双方の立場の議論をざっと俯瞰した本。
コンパクトにまとまってる感じ? 著者の独善がやや気になるけど。それに死刑の歴史的経緯についてまったく触れられてなくて現在だけを論ってるのは物足りなくもある…けど、それでは紙幅が足りなくなるかな。
著者は大衆の処罰感情を尊重しろという...続きを読むPosted by ブクログ -
功利主義とロールズの正義論。
仰る通り、と首を頷きたくなる部分は多い一方で、批判だけして終わってしまった1冊なのが残念。
そこまで言うなら、じゃあどうするの、の筆者なりの考察があっても良いのでは…と感じてしまった。こちらも偉そうですが。。Posted by ブクログ -
持たざる若者が、何々人であることにしかアイデンティティを見出せず右化する。それは日本でも同じようだ。
元持たざる者である筆者の率直な意見を記載している点は興味深い。
共感は難しい部分も多かったが、異なる視点からの意見を知るのは自身の視野を広げるには有用かな。Posted by ブクログ -
リベラリズムとリベラルの違いがよく分かる良書です。
同性婚と一夫多妻に対する二重基準が特に納得しやすかったです。
半面、問題点を提示しつつも、その解決の糸口が示されていない点が残念です。
また、本書ならびに著者に対する排外主義という中傷も
本書に記載している排外主義の前にある問題意識を
(故意か...続きを読むPosted by ブクログ -
リベラルな思想とリベラリズムの違いがよく分かる。
ただ、文体はかなり読みにくく、個々の事例を否定してるだけなので読後感は悪いです。前向きな提案や事例が書かれて欲しかった。Posted by ブクログ -
歴史的な観点から資本主義の終焉を語るエコノミストの水野和夫と、気鋭の政治哲学者である萱野稔人の対談が収録されています。
水野の本では、彼の資本主義の見方が簡潔に説明されている『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)だけしか読んでいなかったのですが、本書でもそれとおなじ見解が語られています。ただ...続きを読むPosted by ブクログ