萱野稔人のレビュー一覧
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ナショナリズムは戦前の軍国主義の原因とされ日本では口にしてはいけない忌み言葉化している。このタブーにあえて踏み込んで、ナショナリズムについて正面から分析してる。ナショナリズムや国民国家の否定は、結果として過激なナショナリズムを引き起こす。いまこそ日本のナショナリズムを高め、国民国家のビジョンを定義す...続きを読むPosted by ブクログ
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元エコノミストの水野さんと、インテリヤクザ風社会学者の萱野さんの対談本。
対談本ですし、小難しい経済用語が殆どなく、平易に解説してくれているので、サクサク読み進んでしまいます。
今、私たちは重要な歴史的転換点に立っているのだなとワクワクした気持ちになりました。
良かれ悪しかれ、変化していく時代に生き...続きを読むPosted by ブクログ -
約1ヶ月前に読んだばかりですが再読しました。
資本主義の歴史を、軍事力や空間革命に裏打ちされたヘゲモニー(覇権)の推移を交えて解説されていて、読み応え有り。その中でも交易条件の悪化等が実物経済の利潤率低下を招き、そして金融経済化するといった流れはとてもわかりやすい。
また、個人的に日本について今後は...続きを読むPosted by ブクログ -
フリーター、派遣からみた社会が書かれている
ナショナリズムにより貧困を隠蔽している。そしてアイデンティティを殺すことにより、反乱を抑える
社会で「生きる権利」を奪い取っている
国が搾取しているのに、原因を国民に押し付ける
一部の人間だけが豊かな国
問題の側面がよく分かる本Posted by ブクログ -
中国に行く前に空港で買った本。
現代の日本を取り巻く生きづらさについて原因を探った本。解決策が十分提示されているとは言えないと思うが、とてもよく現状を捕らえていると思う。
持論では、人間の欲求はマズローの欲求段階説に従っており、これらが満たされないことに人は不満や生きづらさを感じるものだと思う。
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面白かった。
対談形式なのも読みやすかったし。
「高いコミュニケーション能力を求められる世の中で、KYを意識し過ぎている」ことが、精神的な面での「生きづらさ」に繋がっているという内容はすごく納得できた。
それと、社会問題化している派遣や貧困問題についてもとても勉強になった。
アイデンテ...続きを読むPosted by ブクログ -
私はオバサンで、正社員一筋で働いてきました。派遣の実態を正確には知りません。所詮他人事なんです。昔から、下層の労働者は搾取されるもので、じゃあ何故生活を安定させるために努力をしないのかと、思ってきました。この本を読んで、どうしようもない現在の仕組みが少し判った気がします。昔とは大きく違うのですね。特...続きを読むPosted by ブクログ
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「行きづらさ」について書かれている。
この本では、精神的な「生きづらさ」と社会的・経済的な「行きづらさ」が渾然一体であるとして語られている。
そうやって押し付けられるダブルの「行きづらさ」。
どうにかしたいものです。
興味深い箇所。
P9 L4〜L5
(萱野稔人)「おそらく精神的な「行きづら...続きを読むPosted by ブクログ -
同性婚が認められるべきなら、一夫多妻婚も認められるべき。一夫多妻婚を自ら選択しようとする個人の自由が制限されるべきでない。また、本人の同意があるなら、近親婚の自由も認められるべき。リベラリズムは一夫多妻婚も近親婚も否定できない。しかしリベラル派は同性婚は認められるべきだが、一夫多妻婚や近親婚は認めな...続きを読むPosted by ブクログ
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《紹介と感想》
リベラリズム――他者に迷惑をかけない範囲で個人は自由であり、社会はその自由を制限してはならないという原理――の限界を哲学的に論じた本。リベラリズムは理想論的で社会に余裕がなくなると成立し得ない考え方であるということ。雑に言えば「リベラリズムを徹底すると社会がめちゃくちゃになり得る」と...続きを読むPosted by ブクログ -
ほぼ同世代の著者。
書かれている、ほぼすべての内容に完全同意できる。
というより、感覚としては、自分が言いたかったことが、根拠をもって、しっかり整理されて著されている。という状況に近い。快著。Posted by ブクログ -
前からずっと読みたかった本。
面白かった。
考え方や問いのたてかたが自分と似ていて、かつ自分よりも深かった。
死刑がどうあるべきか、という問いに対してというより、道徳とはどういったものかという問いに対する考察が深まった。
終盤は政治哲学的な考察になったが、自分は政治には興味が無いので読み飛ばした。Posted by ブクログ -
最近、個人の自由を重んじる、リベラル派の人たちへの批判が高まっている。それはなぜか?彼らがよって立つ思想「リベラリズム」を考察し、その“限界”を解き明かした書籍。
「リベラリズム(自由主義)」とは、「できる限り個々人の自由を尊重すべきだ」とする考え方のことである。
リベラル派の人たちは、同性婚を...続きを読むPosted by ブクログ -
第1章 私達はリベラリズムをどこまで徹底できるのか
リベラルがやりがちなダブルスタンダード
第2章 リベラリズムはなぜ「弱者救済」でつまづいてしまうのか
リベラルは給付を厚くするよう主張するが、その原資(増税)については触れないPosted by ブクログ -
ナショナリズムという言葉は、太平洋戦争時に広まっていた「天皇陛下万歳」や「お国のために」と繋がっていそうで、少し忌避の気持ちがあったのだけど、本書を読んで少し変わった気がする。
しかし、昨今蔓延る保守層の「他国を貶めて自国を誇る」風潮は如何ともしがたいし、あまり耳に入れたくない論旨だ。
本書で少し...続きを読むPosted by ブクログ -
リベラル的な人々が嫌われる現象をロジカルに分析した本。
欧米でリベラルが退潮な理由の一端をよく表している。
リベラル=理想、保守=現実という風に見ると、リベラルは理想を通り越して「お花畑」「夢想」の域まで行っちゃってる事例が多いと考えます。
本の中で書かれてませんが、日本の場合は民主主義を破壊する...続きを読むPosted by ブクログ -
どこまでもロジカル
哲学って役に立たないって言われるけどこういうロジカルの訓練ハンパないのだろうな
同性婚は問題なし一夫多妻はギリギリでも近親婚まで認めないとリベラルじゃないなんて
難しいねサッちゃんPosted by ブクログ -
萱野稔人(1970年~)氏は、早大文学部卒の、政治哲学、社会理論を専攻する哲学者。津田塾大学教授。
本書は、近年「リベラル」といわれる人たちへの風当たりが強くなっていることに対し、その現象の本質は何なのかを明らかにしようとしたものである。
本書のおおまかな内容は以下である。
◆「リベラリズム(自由主...続きを読むPosted by ブクログ -
死刑に関して正面からかつ丁寧に論じた一冊。1、2章と死刑の実情と課題を挙げての3章からが本題。道徳で決着がつかないことには肯首できるし、冤罪に関する論は余り意識したことがなく興味深かった。
ただ冤罪の賞はやや急ぎすぎで以下の点などは納得するに至らなかった。
・死刑は取り返しがつかないことに依ってい...続きを読むPosted by ブクログ