ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧

  • 制裁
    「3秒間の死角」が面白かったので、グレーンス警部シリーズを追いかけてみようと手に取った1作目。

    オモロい、サスペンス描写も良く展開も読めずハラハラドキドキできて、何よりテーマも良いぞ。

    (以下ネタバレ)
    死刑制度のないスウェーデンでは、児童虐待レイプの連続犯であっても、刑期を勤め上げれば(あるい...続きを読む
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 下
    いろんな伏線があり、読みながらこちらも推理してましたが、かなり揺さぶられました。
    そして一番驚いたのが最後の事件には関係ない事実です。
    続編が出ているので、その事実がどう動くのかを知りたいと思います。
    とても面白かった。
  • 熊と踊れ 上
    過去と現在から語られる家族の物語
    本筋は現代編の犯罪計画よりも過去編の親子の確執?葛藤?にぐいぐい。圧倒的に迷惑でしかない親父と三兄弟。しかしどうしようもなく親子なわけで。主人公は息子なのにどうしても迷惑な親父にシンパシー。セリフがかっちょいーから抜き出してPOPに。圧倒的な厚さのゲラの上に「頭の打...続きを読む
  • 地下道の少女
    表向きにはいないということになっているスウェーデンのストリートチルドレン。だけど現実に地下にたくさん存在している。誰からも探してもらえない人がいるということ。子どももいるということ。ひとつの殺人と43人の子どもが路上に置き去りにされる事件。このふたつの事件の捜査から地下へと続き、スウェーデンや近隣で...続きを読む
  • 地下道の少女
     現実に即して書こうと意図した作品には、すっきりした終わりはない。小説題材となる現実を、普遍的な形として世界の記憶に留めようと意図する作家は、読者が求める単純化に応えることは容易にはできない。何故なら現実が抱える問題は、今もなお解決を見ることなく、ずっとそこにあり続けるものであるからだ。だからこそ、...続きを読む
  • 熊と踊れ 上
    題名:熊と踊れ (上・下)
    原題:Bjorndansen (2014)
    著者:アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ Anders Roslund & Stefan Thunberg
    訳者:ヘレンハルメ美穂・羽根由
    発行:ハヤカワ文庫HM 2016.9.15 初版 2016.11.26 4...続きを読む
  • 熊と踊れ 下
    題名:熊と踊れ (上・下)
    原題:Bjorndansen (2014)
    著者:アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ Anders Roslund & Stefan Thunberg
    訳者:ヘレンハルメ美穂・羽根由
    発行:ハヤカワ文庫HM 2016.9.15 初版 2016.11.26 4...続きを読む
  • 兄弟の血―熊と踊れII 上
     2016年海外小説部門圧勝の大作『熊と踊れ』に続編が用意されているとは全然知らなかった。あれほどの作品に続編を繋げる馬力をあるとは、この共著コンビ恐るべし。実は本作は二つの作品でセットした二部作との構想を初めから作者らは持っていたらしい。しかも一部は実際にあった事件を元にし、二部は完全なるフィクシ...続きを読む
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下
     2016年海外小説部門圧勝の大作『熊と踊れ』に続編が用意されているとは全然知らなかった。あれほどの作品に続編を繋げる馬力をあるとは、この共著コンビ恐るべし。実は本作は二つの作品でセットした二部作との構想を初めから作者らは持っていたらしい。しかも一部は実際にあった事件を元にし、二部は完全なるフィクシ...続きを読む
  • 熊と踊れ 下
    (上巻より)

    軍の倉庫が国内に点在するスウェーデンならではの犯罪の発端や、
    盗難予防のインクに染まってしまった札束との格闘、
    暴力的な父親と兄弟たち、とくに長男との葛藤と
    今まで読んできた北欧ミステリーのなかでも、
    秀逸な面白さ。

    でも厳密に言うとミステリーとしての面白さというよりかは、
    結局は...続きを読む
  • 熊と踊れ 上
    書架で見かけて。

    冒頭からすごく引き込まれた。
    暴力をふるう父親、殴られ血を流す母親と
    なんとか止めようとする長男とおびえる弟たち二人。
    何がはじまるのかと思いきや、
    次の瞬間には、その長男が銀行強盗になっていた。
    弟たちと一緒に。

    (下巻へ続く)
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    今回も途中で読むのをやめられないくらい夢中になった…。とにかく夢中になった。
    角度を変えて目を凝らして見れば、全く関わりがないと思った人や物事のかすかな今にも切れそうな、けれど確かなつながりがある。そしてその影にある優しい絆も。
    とにかく面白かった!

    最後のリスベットを抱きしめたい!
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    2019年のスタートもリスベット。

    やっぱりミレニアムは面白い。リスベットかっこいい。今回のリスベットはちょっとだけ怒り以外の感情を露わにしててまた素敵。

    ドラゴンタトゥーの意味も明らかになるし、これがまたすごくリスベットらしい。

    続きが楽しみ。わくわく。
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上
    相変わらず面白いいいいいいい。
    リスベットかっこいいいいいいいい。

    2018年をリスベットで終われるなんて幸せ。
    年始は下巻から読みます。

  • 制裁
    娘を幼稚園まで送り届けた後、テレビを付けると見覚えのある男が映っていた。性犯罪者が脱走したというニュースだ。嫌な予感を抱きつつ、幼稚園まで引き返すが…。

    憎しみと悲しみ。喪失。虐待の暗い記憶。
    娘を殺した犯罪者を殺す父親。一度は無罪となるが、上告されて有罪となってしまう。投獄後、過去の虐待の記憶に...続きを読む
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下
    暴力と絆の物語。前作と違い今回は完全なフィクションだそう。
    合わせてサーガと呼びたくなる大作に、たまらなく惹かれてしまい、夢中で読んだ。途中何回も叫びたくなり、読後はいつまでも余韻が残る。おもしろかった。
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下
    前作から数年後。レオが出所したところから始まる。前作同様に犯罪のにおいに満ちていてその世界観に圧倒される。レオの描く犯罪計画と巻き込まれていく弟たち。兄弟としての形。少年時代にあった絆と今の関係。レオから2人の弟への想いと、弟たちからのレオへの想いのズレ。犯罪計画やそれを追う刑事ヨンの背景もよく、ヨ...続きを読む
  • 制裁
    アンデシュ・ルースルンドの本は、『熊と踊れ』から入り、『ボックス21』を読み、この『制裁』で3冊目。
    色んな立場の人の視点から物語が進められるが、それぞれの立場に、感情移入することができるのが不思議。

    今回も、犯罪を通して社会問題や倫理の問題を投げかけられた。
    自分の中で考えを纏めるのに時間がかか...続きを読む
  • ボックス21
    これと似た現実が世界にはいくらでもあるんだと思うと、作者には、愚かな警官2人の代わりに現実を綴ってくれてありがとう、という気持ち。
    リディアとアレナの声を胸に刻む。二度とこんな事が起こらないように、とリディアが命をかけた翌日に新しい2人。あり得ないけどこういうことはきっと今も起こっている。有能な警部...続きを読む
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 少女 下
    セバスチャンシリーズ4作目。
    衝撃的な終わり方の前作からの今作。
    一家惨殺という凄惨な事件から作品ははじまり、物語がすすむ中で前作からのその後がみえてくる。
    非常にスマートなうまい流れ。

    すべての登場人物がシリアスな問題をかかえている。毎作少しずつスポットライトの当て先をずらし、それぞれの登場人物...続きを読む