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強制売春の被害者が起こした思いもよらぬ事件。グレーンス警部が直面する北欧の闇とは? スウェーデン警察小説シリーズ第二作。
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Posted by ブクログ
「制裁」の刑事達が登場するシリーズ二作目 前回同様、読み終えた時の 現実の問題を突きつけられた重みが凄い。 前回のあとがきにもあったように、物語はフィクションではあるが、モデルになった人。事件事象は存在している事実。 そして日本でも同様の問題がある事実。 ラストの終わり方は途中で予想が出来たけど ...続きを読む「そうであって欲しくない」という 思いのまま読み進めて、嫌な汗をかいていたら 放り投げられてしまった。 登場人物紹介の並び順が、刑事達をメインにしていないあたりがにくい。 過激な方法で目撃者から証言を得ようとするベテラン刑事に、汚れ仕事をさせていると自覚していながらも自分では一歩踏み出せないパートナー 彼にも決断しなくてはならない場面が回ってくるあたりが好き。
最後の3行に、、、帯の煽りは期待せず読んでいた。 最初から最後まで重苦しく、緊張感ある展開。それでいて読みやすく、一気に読める。 破綻もなく、最後まで一気に持っていかれた。 女である身としては、なんども繰り返される苦しい描写がなんとも辛かった。 そして、最後の3行には、、、、久しぶりに心底驚き、その...続きを読む余韻に浸りました。1作目も読もうと思います。
グレーンス警部シリーズ第二作。リトアニアから騙されて売られた売春婦が、病院の遺体安置所に人質とともに立てこもる。社会に対する怒りや悲しみに満ち、気持ちを揺さぶられる小説だ。 北欧ミステリー独特の暗さや残酷さ、濃厚な人間模様も味わって読んでほしい。
シリーズ最初から再読している最中、もちろんタイトルだけで内容を思い出すのは無理なのだが読み始めると記憶がよみがえって二度目ならではの細部の読みも深くなる。それにしても2作目は後味の悪さがどんよりと立ち込めて気持ちが悪い。後でこれも決着がつくのだろうか、楽しみに読み進めたい。
エーヴェルト警部シリーズの2作目。 北欧社会に蔓延る闇を主に話が進み、結末は…。 嫌な読後感だけれど、物語が、世界全体に蔓延る闇を描いているようで、気持ちに突き刺さるものがある。 北欧社会の社会が抱える闇は、東欧諸国にもつながり、そして、日本にも蔓延っている…。 世界全体の問題。 シリーズ3作...続きを読む目を読むつもりだが、エーヴェルト、スヴェンともに、心に深い傷をもったまま、仕事をしていくことになるのか…。
6月-1。3.0点。 リトアニアから連れてこられた売春婦が、立てこもり事件を起こす。要求は通訳としてある刑事を寄越せと。 一方、主人公の恋人をケガさせた服役囚が出所。追い詰めようとする。 うーん、スウェーデンの実情を描いたらしいが、暗い。 ラストはえっと言う感じだが、残り100頁くらいで何となく想...続きを読む像がついてしまった。
「制裁」以上に、夢中になって読んだ。 満員電車に乗るのが全く苦にならないほど。 なんだったら、この本が読めるから電車に乗るのが待ち遠しかったほど。 恋人(だったのか?本当に)に裏切られ、船内で殴られた瞬間に希望が粉々に打ち砕かれ、自分の身体が自分のものではないと思いながら、絶望の日々を過ごすリディ...続きを読むアを思うと、胸が締め付けられる。 リディアの命とプライドを賭けた立て篭もり、真実が白日の元に晒されて欲しかった。 彼女の心が壊れることと引き換えに保持していた「ボックス21」、このタイトルにも胸打たれる。 しかもこの売春斡旋はフィクションではない。 こんなに辛すぎる思いをする女性は、この世にただの1人もいてほしくない。 そしてラスト3行の衝撃。 「だからコイツやって言ってたやん」と誰にともなく独り言。分かってはいたもののやはり衝撃。
グレーンス刑事シリーズ第二弾。 相変わらず重く、苦しく、辛い、だけどずっと読んでいたい。そんなザ・北欧小説という感じ。 売春斡旋業者から大怪我を負いながらも逃げ出した女が、病院の死体安置所に人質を取って立て篭もる。要求はグレーンス刑事の親友と話をすること。なぜ人身売買により他国から売られた女が、立...続きを読むてこもり事件を起こすのか。一方、グレーンス刑事の恋人が脳に障害を持つきっかけとなった事故。その事故を誘引した犯罪者が刑期を終え出所することに。。。 今作も2部構成。売春婦リディアが起こした立て篭もり事件の顛末と、そのことで明らかとなったある真相をめぐる二人の刑事の苦悩が描かれる。 真相については途中でなんとなく察することができる。ラストについても同様。ただ、物語の構成が素晴らしく、読んでいても全く飽きがこない。 救いはなく。希望も叩き折られる。だけど、素晴らしい小説。 ボックス21とは何か。題名もとても秀逸。
【ネタバレ】 不愉快な結末、予想を覆す…と煽っているものの、想定の範疇のラスト、主人公たちの不実…、こう書くと駄作極まりない作品のようだが、小説としてはオモロいのである。 主人公だから、有能な警察官だから、過去の不幸と戦い正義を貫こうとする人物だから…といってその人物の行動すべてが正しいわけではな...続きを読むいのである。 その人物が義や仁や情に基づいて行動したとしても、それが万人にとっての義や仁や情に当てはまらないこともままあるのである。 「不愉快な話」=「面白くない作品」 多くの場合この指標は成り立つのだが、この作品はイコールではないと証明している。不愉快だがオモロい。憤りはすごく感じるが読ませる。だからこその☆5つである。 しかし、この2人(エーヴェルトとスヴェン)は、この後、どの面下げて警察官をやっていくのだろう。不愉快ながら楽しみである。
これと似た現実が世界にはいくらでもあるんだと思うと、作者には、愚かな警官2人の代わりに現実を綴ってくれてありがとう、という気持ち。 リディアとアレナの声を胸に刻む。二度とこんな事が起こらないように、とリディアが命をかけた翌日に新しい2人。あり得ないけどこういうことはきっと今も起こっている。有能な警部...続きを読むでもこういうことをし得る、ということも作者のメッセージの1つ。
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アンデシュ ルースルンド
ベリエ・ヘルストレム
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