無料で10巻まで読んだ感想。
「防衛大学校」という特殊な場所をテーマにした作品。
このテーマだけで非常に新鮮。
絵は十分キレイで、特に女性キャラがかわいい。
ストーリーも、4年間の学生生活を丁寧になぞっており、非常に読みごたえがある。
これが青年誌ではなく、「少年サンデー」で連載されているのが
...続きを読む不思議な感じ。
実際、1巻毎の内容が充実しており、1巻528円という少年誌水準の価格が割安に思えてしまう。
20歳前後の男女の友情や成長、そして男女の恋愛要素もあり、ポイントは全て押さえている。
よくできたスポーツマンガのような出来であり、「モンキーターン」などに近い作品だと感じた。
当初は安易な各キャラの名前に違和感を感じたものの、すぐに慣れてしまい、その後はどんどんのめりこんでいく。
10巻も読んでしまうと、登場人物たちに感情移入してしまい、彼らのその先が知りたくなる、もっと作品世界を共有したくなるという「すぐれた作品に共通する感情」が芽生えてくる。
おそらく、この先有償でも買ってしまうだろうと思わせる秀作。
余談だが、もう20年以上前になるが、高校の同級生で防衛大に入った人がおり、「入って数日で辞めた」「人間の行くところではないと言っていた」と後から噂で聞いた記憶がある。
本作に描かれている内容と同じであり、妙に納得してしまった。
★★ 30巻まで有償購入後の感想 ★★
結局30巻まで大人買い。
先へ進めば進むほど、作品、そして登場人物たちの「日常」に同化して行ける感じのする作品。
これは素晴らしい。
ある程度特殊な環境で、仲間や先輩・後輩との絆を描くという作品は、スポーツ系のマンガに多い傾向。
「弱虫ペダル」や「アオアシ」などもこの類か。
特に弱虫ペダルとは共通点が多く、本作の先輩の岩崎など、弱虫ペダルの東堂とキャラが被る。
が、より特殊な環境であり、恋愛も大きく絡むという意味では(アオアシも恋愛要素があるが)やはり「モンキーターン」が一番近い気がする。
一方、「海猿」「め組の大吾」などとは、任務が主か訓練時代が主かという違いがある。
本作はさらに、リーダーシップの養成という事で、新たなライバルや困難を持ち込むキャラが多数絡むという点や、恋愛要素もかなり大きいという点でこれらの作品と差別化されているといえるだろう。
正直、30巻まで読んだ感想で言えば「弱虫ペダル」や「モンキーターン」を超えるほどの作品ではないかと思う。