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平清盛ら源平の武者たちの華麗な戦さ、滅びゆくものの光芒を描いた『平家物語』。その舞台裏でひっそりと、しかし確かに生きた女性たち――清盛の気まぐれに翻弄される白拍子、天皇に愛されたばかりに宮廷を追われた小督局(こごうのつぼね)、戦場に青春を燃やした巴御前、幼い安徳帝を抱いて入水した平時子ら、十余人のヒロインに光をあてる。史実と創作の境界を探り小説家ならではの視点で解釈した、古典『平家物語』がぐっと身近になる一冊。
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Posted by ブクログ
本棚から引っ張りだして再読。大河ドラマを見るために読み返す。 古本市で買ったので、かなりの古さ。昭和47年に書かれたもので、戦争を体験した女性たちと平家の女性たちをダブらせて書いてある。 平家物語にはあまり女性がでてこないらしいが、その少ない人たちにスポットを当てて書いてあり、かなり興味深かった。 ...続きを読むこの女性たちは大河ドラマにはほとんど出演する可能性が薄い人が多かったが、その夫とか恋のお相手が平家物語の主人公たちであり、そちらの男性たちについても書かれている。 最後に気になる、建礼門院徳子のその後であったり、二位の尼時子の話もあるし、これから大河ドラマが楽しくなりそうだ。
全くの理系人間だった私は古文だの日本史だのに苦しんだ思い出しかない。だけど、本文を現代語に訳しては状況が伝わりにくいんだという永井路子さんの言葉を読んでから、古文解読や時代背景を知識として持ってこの本を読めてたら、もっと楽しめたかもしれないと思った。 それでも、夫と離れて悲しいと涙する妻や、尊厳を...続きを読む守る為に命を断つ覚悟とか、楽ではない出家を自ら選んだり、それを耐えたり。女性の登場人数、場面が少ないとはいえ、同じ女としてお腹にドーンと響く所が多かった。 そういえば、子どもの頃読んだ永井さんの細川ガラシャ夫人、あの感動は今も忘れられない。あの感じ、子どもだったからなのかな?
長らく『平家物語』を食わず嫌いしてきた。 相変わらず『平家』そのものは読めていないが、こういう入門書?を手に取ろうと思っただけでも、進歩かもしれない(笑)。 大河ドラマのおかげもあって、盛盛いっぱいの平家の公達も、ようやく何人かは「固体識別」ができるようになった。 しかし、それでも、全ての人物を頭に...続きを読む入れるのは難しい。 女性の人物を視点にしていることで、多少なりともとっつきやすいだろうか・・・。 一族の滅亡に直面した人々の苦しみは、本書からも垣間見ることができた。 筆者は、特に二位の尼(平時子)に思いいれが深いようだ。 そして、建礼門院には、少し厳しい。 その基準は、死に対する覚悟の深さのようだ。 散り際が美しくあれ、というのは、伝統的な美意識だろうが、どうも私にはそれが受け入れられない。 正直、「生き恥をさらし」ても、生きて、生きて、生き抜く方が価値が高いのではないか、と最近は思う。 世間からの非難や好奇心にさらされ、自責の念にさいなまれながらも、生き残って、生命を保ち続けることは、決して楽ではないだろうからだ。 そういうわけで、本書をきっかけに、自分の価値観を認識してしまった。 まあ、それはそれでよかったのだと思う。 取り上げられている女性は次の通り。 祇王、祇女、仏御前(いずれも清盛に寵愛された白拍子たち) 葵女御(建礼門院の侍女で高倉帝に愛された少女) 小督局(やはり建礼門院の侍女で高倉の愛人) 千手前(鎌倉に送られた平重衡を世話した女性) 横笛(建礼門院の雑司女で齋藤時頼=滝口入道の恋人) 祇園女御 二代后(近衛帝の后で、後に二乗帝の懇望で入内した藤原多子) 小宰相(平教盛の息子、通盛の妻) 維盛の妻 巴 大納言典侍(佐)(平重衡の妻) 建礼門院 二位の尼、時子。
私にとって、平家物語はあはれの文学である。 それは、源氏物語のあはれとは少し違う。 自分の意思に関わらず、明らかに傾きつつある時代の、大きな渦に巻き込まれていった多くの人達の、時に栄華を、そして遂には偏に風の前の塵に同じ、、、を。 けれど、やはり男側から見る平家物語は軍記物としての色合いの方が強...続きを読むい。 その男たちの陰に隠れた、多くを語らない女達にスポットを当て、筆者独自の視点から見た平家物語がここにはある。 とりわけ私は時子(清盛の妻)が好きだ。 肝の据わった、覚悟ある人物は男であれ女であれ、傍から見ても気持ちが良い。 壇ノ浦の場面の、神器と安徳帝を抱いて入水する彼女の姿には息を呑む。 そこには平家の全てを知り、全てを背負い、その誇りを貫く気迫が、死を目の前にして生き生きと描かれている。 それは、筆者の時子への思いが一層強く現れている場面であり、原文の平家物語と同じく本作品の見どころの一つだと思う。 そして、これはただ軍記物としての脇役の女性の物語を記しただけではない。 平家物語が伝えようとしていること、平家物語の作者の立場、読み物と語り物としての平家物語の違いなど、小説家ならではの想像力を膨らませ、読み応えある作品に仕上げているあたり、さすがだなと思う。
祇王・祇女、仏御前、横笛、千手前、二后、健礼門院、二位尼…… 『平家物語』に登場してくる、名脇役から主役級までの女性たちについて、小説家・永井路子が解説してくれています。 作中の女性たちの実在不在がどうなのか、また彼女たちの言動が虚実どちらなのかは問題にせず、「なぜその役割を担わされて作品に登場して...続きを読むきたのか」を検証していることがおもしろい。と思うのです。 横笛や千手前の物語は河村恵利さんのプリンセスコミックス「歴史ロマン」シリーズでも楽しみました。 『平家物語』のリズム感が好きで、機会があれば音読したりさせたりするのですが、物語の展開上、女性の描かれ方はあまり好きではなかったのです。地に足つけて、己の力で生きていけるような時代でなかったせいもあるのか、流されるまま、翻弄されるままに不幸を背負っている気がしまして。 人物たちに対しての印象がそれほど大きく変わったわけではないのですが、なぜ彼女たちが今の形で語り継がれるようになったのかが見えてきたのは、良かったと思います。
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平家物語の女性たち
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