狂気と紙一重の愛はいかが？ヤンデレBL漫画おすすめ14選
※2019/10/31更新： 『蟷螂の檻』・『なつめくんはなんでもしってる』・『紅い椿と悪い虫』・『君ありて幸福』の4作品を追加しました。
ヤンデレ……相手を愛するあまり、時には犯罪にまで走ってしまうほどの強い気持ちを持つ人たち――。今回は、そんなヤンデレが登場する漫画をBLに限定し、ヤンデレ初心者向けのものからディープなものまで、おすすめのBL漫画を14作品ご紹介します。
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目次
ヤンデレとは？
ヤンデレとは「病んでいる」＋「デレ」の合成語で、誰かを愛するあまり、異常な行動に出てしまう様子や、そういった属性を持つキャラクターのことを言います。
もとから病んでいるキャラもいますが、強すぎる独占欲や、嫉妬、相手からの裏切りなどで病んでしまうパターンも多く、まともに見えたキャラが愛ゆえに狂っていく様は、まさにヤンデレの真骨頂といえます。
愛情表現のひとつとして、好きな相手を虐める、持ち物を盗む、ストーカーする、などの行為がよく見られ、中には監禁や傷害、猟奇的な犯罪にまで及んでしまうことも。
『蟷螂の檻』
『蟷螂の檻』 1～4巻 彩景でりこ / 祥伝社
【エロ度】★★★★★
登場人物全員病んでる……!! 魅惑のヤンデレ地獄
舞台は昭和初期と思しき地方の名家。先代当主の死によってその遺産を受け継いだのは、跡取りとして育てられてきた育郎ではなく、座敷牢に幽閉されていた白痴の兄・蘭蔵でした。子どものように無垢さと魔性とを宿す蘭蔵を恐れて辛く当たる育郎、誰からも愛されず孤独を抱える育郎に執着し、彼を壊すことが至上の愛だと信じる使用人の典彦。登場人物全員が闇を隠し持つ、スキャンダラスなドラマがここに開幕します。
『エロまん～紙とペンとSEXと！！～』（マガジン・マガジン）の表題作や『恋愛スイッチ』（リブレ）ではキレのいいギャグを見せてくれた彩景でりこ先生ですが、本作はインモラルな色気満載のシリアス路線。中でも一番の見どころは、どんな苦境に立たされてもまっすぐ正しく生きようとする育郎（受）と、壊れゆく人間にしか欲情できない使用人・典彦（攻）のカップリングです。幼少期からその手で肉体の快楽を仕込み、自分を求めるように仕向けるという時間も手間も惜しまない徹底した執着っぷりにゾクゾクさせられます。
一方、蘭蔵の付き人に任命されたハーフの青年・健一が、ゆっくりと病んでいく様も圧巻です。最初は正義感の強かった彼が、蘭蔵のためなら人を傷つけ、殺人も厭わないようになり……。
この病みのスパイラルは一体どこへ向かうのか、読者もまたこの物語の檻に閉じ込められてしまうのです。
『なつめくんはなんでもしってる』
完結『なつめくんはなんでもしってる』 全1巻 ためこう / フロンティアワークス
【エロ度】★★★★☆
イケメン幼馴染が俺のストーカーでした!?
小さい頃からの幼馴染で家も隣同士の葉介と棗。おっちょこちょいで童貞の葉介は、イケメンで女子にモテモテの棗にコンプレックスを感じながらも、親友同士として仲良く過ごしていました。しかし、ある日、棗の部屋で自分の盗撮写真や精液付き体操服を発見してしまい……。
親友だと思っていた幼馴染が実は変態ストーカーだった……！ という、ややヘビーなテーマでありながら、ためこう先生のかわいい絵柄にきゅんきゅんしながら読める、ヤンデレ初心者向けの作品です。葉介の部屋に盗聴器を仕込み、使用済みのパンツや割り箸を収集し、観察日記はvol.58に達するというプロストーカーぶりを見せつけてくる棗ですが、その爽やかなイケメンぶりと葉介を甘やかす姿の可愛さゆえに、何故か心底憎めない……。笑顔で好きなゲームやお菓子を差し出してくる棗に、うっかりほだされそうになる葉介に共感してしまいます。相手のことをなんでも知ってる幼馴染がストーカーって、怖いけど最高にかわいいシチュエーションです。
本作はヤンデレ初級編ですが、兄弟同士の共依存愛を描いた『泥中の蓮』（祥伝社）は実の兄弟、売春、共依存と上級者向けのヤンデレ作品。『なつめくん〜』を読んでヤンデレBLにハマッた方はぜひこちらもどうぞ！
『紅い椿と悪い虫』
完結『紅い椿と悪い虫』 全1巻 博士 / プランタン出版
【エロ度】★★★★★
「傷つけ汚すことで君を芸術品にしてあげる」どこまでも歪んだ愛
「最初に言っておきますが僕は同性愛者です」
転校初日に行った宣言と、美しい容姿のせいで、クラスの変わり者・貝柄に目をつけられてしまった白椿。
「底なしの不幸こそ君が最も美しく咲ける場所なんだ」
そう信じる貝柄によって、凄絶な辱めを受ける白椿は、担任の日向から差し伸べられた手に救いを見出しますが……。
暴力、脅迫、レイプとヤンデレ上級者向けの本作。厨二病ここに極まれり！ といったような貝柄のヤンデレぶりが恐ろしくも、つい引き込まれずにいられません。そんな貝柄の闇を一層引き立たせてくれるのが担任教師の日向。無神経と紙一重の真っ直ぐさで白椿と向き合い、妻手製の弁当を振る舞うなど、自分がいる平和な世界を彼に見せつけます。善意100％のその行為が彼の心を癒やす一方で、現実との格差を突きつけてくるという残酷なパラドックス――そうして白椿の心が引き裂かれるほどに暗い悦びを感じてしまう、我々闇の腐女子の業の深さも思い知らされます。
本作がデビュー作の博士先生。最近はダメ人間なエロ漫画家✕一途でかわいいアシスタントの『エロ漫画家とアシくん』（一迅社）や、クールな読モ男子✕田舎出身の純朴ビッチ男子の『ごめんしたって許さない』（一迅社）など、かわいい系の作品が続いています。そろそろこちらの世界に戻ってきてくれないかと、闇の腐女子一同で全裸待機したい所存です！
『君ありて幸福』
完結『君ありて幸福』 全1巻 山田袋 / 双葉社
【エロ度】★★★★☆
人は誰しも自分の中に悪魔を飼っている
人の頼みは断れない、お人好しの大学生・環。夏祭りの夜店のバイト中、悪魔の羽と尻尾を持つ男・佐久間と出会います。
「今すぐボクと遊んでや」
そう頼まれた環は佐久間に体を弄ばれ、以来、佐久間のことが頭から離れません。そんな思いを見透かしたかのように、佐久間は再び環の前に現れ、
「一緒に悪い事してくれんねやろ？」
と誘惑します。
真面目でお人好しな環が飲み会の幹事をすっぽかし、バイトも2〜3回で辞め、大学にも行かないようになり、ひたすらアパートで佐久間との行為にふけるなど、ずるずる堕落していくさまに、ひたすら心がざわつきます。これまで善人として生きてきた彼が欲望のままに、荒れ果てた部屋で佐久間のためだけに生き、彼を傷つけてでも自分のもとに縛り付けようとする狂気と闇は本物。愛欲と執着の果てに変わっていく姿から、恐ろしさと育ちすぎた愛を感じます。
そして、まさしく悪魔的な魅力で、環を狂わせていく佐久間は一体何者なのか。本人たちの意思を超えたところで何かが蠢いているかのような、不気味な恐ろしさすら漂います。
前作『とろける恋人』（双葉社）では、ストーカー青年と自在に姿を変えられる謎の生物の不思議な関係を描いた表題作、天使✕殺し屋の「天国の底」など、人と人ならざるものの歪な愛を描いた山田袋先生。次はどんな世界を見せてくれるのか楽しみです！
『オレだけ見ないと××しちゃうぞ』
完結『オレだけ見ないと××しちゃうぞ』 全1巻 三島一彦 / 徳間書店Chara
【エロ度】★★☆☆☆
かわいい幼なじみは最強のヤンデレ！しかも攻！
圭一とみちるは幼なじみの高校生。幼い頃、近所の悪ガキにいじめられていたみちるを圭一が助けてから、みちるは圭一を一筋に想い続けています。見た目が女の子のようにかわいらしいみちる。圭一は、みちるの行動に恐怖を感じながらも、むげにできないできます。その圭一、イケメンなのに、実は18歳の今も童貞です。なぜなら、圭一を好きになった女の子は、みちるに裏でことごとくつぶされていたからでした……。
のぞき、盗撮に盗聴（圭ちゃんのお○っこの音まで！）、ストーカー、ゴミ保管と、みちるは愛する圭一と結ばれるためには手段を選びません。圭一に関する出来事は、「63267914秒前にくれたよ♡」と、秒単位で記録！ しかも、女の子みたいな顔をして実は攻という設定！ 強引にみちると結ばれてしまって戸惑う圭一は、自分の身を守るために「みちる改造計画」に乗り出します。
普段はそこらの女の子よりもかわいいみちるですが、圭一を前にすると急変し、ホラーばりに不自然な笑みを浮かべ、どす黒いオーラをまといます。圭一はそんなみちるに恐怖を感じながらも、そこは幼なじみ。ずっと一緒に過ごしてきた関係を切ることもできず、葛藤します。また、みちるもみちるなりに、圭一の気持ちに応えようとします。そんな2人の移り変わる関係性に引き込まれ、「こういう恋愛もありなのかも？」と思えてきます。
みちるのヤンデレな笑顔に背筋がぞっとしますが、圭一のツッコミぜりふにクスっと笑えたりと、コメディテイストとのバランスが絶妙です。みちるの病み度合いはかなりのものですが、暴力的な描写はありません。初めて読む本格ヤンデレBLとしてオススメです！
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『scarlet』
完結『scarlet』 全1巻 斑目ヒロ / 幻冬舎コミックス
【エロ度】★★★☆☆
ヘタレワンコのヤンデレ攻に愛されて！
表題作の「scarlet」がヤンデレBLです。大学で「孤高の王子」と呼ばれた亮（美形！）は、ある日、学食でアキオと出会います。寂しがり屋のデカワンコのような亮は、スプーンを差し出したアキオに一瞬でなつき、やがて恋人同士のような関係に。ところが、亮は女性にNOと言うことができず、アキオは常に亮の女性問題に振り回されます。そして、アキオに亮との別れを要求する女性が現れて……。
「あなたが邪魔だ」としつこくアキオを責める女性。しかし、アキオを本当に追いつめているのは、女性ともアキオとも別れることのできない亮なのです。アキオの部屋の前で泣き言を繰り返す亮。そんなギリギリの状態が続いたある日、亮は思い切った行動に出てしまいます。その身勝手で衝動的な亮の行為ですら、アキオは受け入れるのですが……。
攻の亮はNOと言えない優柔不断な性格。受のアキオは包容力のある男前。「別れるくらいなら殺してしまおうって」と泣き叫ぶ亮の病みっぷり爆発のヤンデレ作品です。アキオに構ってほしくて目をうるうるさせるデカワンコのような時と、「孤高の王子」な風貌とのギャップがたまりません！ そして、そんなヤンデレの亮を最終的には全て受け止める、アキオの懐の深さにも萌えます。
女性と三角関係になる設定なので、そのシチュエーションに好みが分かれるかもしれませんが、ヤンデレカップル特有のじれったさやどうしようもない焦燥感がビシビシ伝わってきます。その後日談である「scarred」では、徐々に明るい方向に進みつつも、やっぱりどこかネジの外れた2人の関係が描かれています。ヤンデレの魅力を堪能できる本作、ぜひ読んでみてください。
『花のある生活』
完結『花のある生活』 全1巻 門地かおり / リブレ出版
【エロ度】★★★★☆
気まぐれの優しさが執着を生む！
本作に収録されている「褪せる」「密室」がヤンデレBLです。高校生で優等生の兄・雄大をバットでなぐってしまった弟の勤。最初はただの兄弟げんかだった。そこに居合わせた勤の幼なじみの和夫が、兄を縛るまでは……。
友達の兄である雄大をその弟・勤の前で犯す和夫。「褪せる」では、その場面が弟の目線で語られ、兄弟の日常が壊れて行く様子が描かれています。離れても雄大への執着が消えない和夫は、「密室」ではついに雄大を監禁。なぜ和夫が雄大に執着するのかが明らかになっていきます。
荒れた家庭環境に育った和夫は、気まぐれでもやさしくしてくれた雄大に執着してしまいます。監禁された雄大は、過去を振り返りながら徐々に変化する自分の気持ちに戸惑い、和夫も「……俺も雄大さんといる時の俺は嫌い」と本心をさらけ出します。
執着された側の苦悩や逃げ場がなくなる感覚、そして、執着する側の複雑な心理が丹念に描かれており、人の感情の恐ろしさや切なさが伝わってきます。和夫が雄大を好きになった理由がつづられた手紙は、涙なしでは読めません。また、雄大が和夫を受け入れた理由と絡ませた、巧みな伏線が張られており、読後にうなってしまうような充実感が味わえます。
『密室の密かな星』
完結『密室の密かな星』 全1巻 雨隠ギド / 新書館
【エロ度】★★☆☆☆
世界で2人だけになりたかった、優しい執着に胸がキュンとなる
ペット捜索中心の探偵家業を営む主人公・鵜飼は、暗闇が大の苦手。鵜飼の事務所のとなりに新たに探偵事務所が開業します。開業したのは、鵜飼の同級生だったチカこと近道。ケンカしながらも協力して依頼を解決していく2人ですが、近道はある思惑があって、偶然を装いながら鵜飼に近づいてきたのでした。
本当は鵜飼に優しくしたいのに、つい意地悪なことを言ってしまう近道。親を別れさせたいという高校生からの依頼に対応するなど、共同作業を経て2人の関係は徐々に進展していきます。過去と現在が複雑に交差し、鵜飼が暗闇を恐れるようになった事件などが次第に明らかに。そして、近道の目的は果たして何なのか？
一見、ほんわかするラブストーリーかと思いきや、近道の鵜飼への静かな執着がスパイスとなり、読み応えのある心理サスペンスに仕上がっています。ヤンデレ度は低めですが、攻が静かに病んでいる感じがじわじわ伝わってきます。ヤンデレものは初めてという方にもオススメ。「執着されるのもすてきかも……」と思わされる良作です。
『不出来な悪魔』
完結『不出来な悪魔』 全1巻 麻生ミツ晃 / 海王社
【エロ度】★★★☆☆
愛すること＝暴力、救いのない愛に惹きつけられる
本作に収録されている「青いカルテ」がヤンデレBLです。カウンセラーの神部は、私立高校に新しくできたカウンセリング室に着任しますが、初日にちょっとした事件が発生します。ふざけた学生が放った水――。水がかぶらないように神部の背中を押してくれた生徒・有森は、自分がずぶぬれになってしまいました。実は、その彼の腰にはアザがあり、神部は虐待を疑って有森をカウンセリング室に誘います。通報されることを恐れた有森ですが、神部は誰にも言わず、話を聞くからカウンセリング室を訪れるように言います。母親からの虐待を受けて育った有森と接するうちに、神部は生徒と保つべき境界を越えてしまいます。やがて有森は神部に暴力を振るうようになり……。
虐待の被害者だったヤンデレの有森は、相手を束縛するために暴力に頼ってしまうのです。有森にとって暴力は愛そのもので、他の表現方法を知りません。麻生ミツ晃先生は切なさや痛々しさの描写に定評があり、本作も憂愁な雰囲気の中、2人が共依存に陥って行く様子が丹念に描かれています。
本作には袋小路にはまったような暗さ、重さがあります。穏やかな愛に物足りなさを感じた時に読むと、その世界観と心理描写に引き込まれてしまう、ちょっとアブナイ作品です。
『可愛い先輩の飼い殺し方』
完結『可愛い先輩の飼い殺し方【電子限定かきおろし付】』 全1巻 市梨きみ / リブレ出版
【エロ度】★★★☆☆
わんこ系後輩が豹変…！クールな主人公の泣き顔が見どころ
弁護士の侑哉には、大学自体から自分を慕ってくる後輩・奏がいます。はじめは、酔った侑哉に悪戯を仕掛ける程度だった奏ですが、侑哉の結婚話をきっかけに、彼を監禁し犯してしまいます。甘え上手なわんこ・奏が狂気じみた表情を見せるシーンはまさにヤンデレBLの真骨頂。クールに見える侑哉が、実は強がりで泣き虫なところも萌えポイントです。
相手を大切に思えば思うほど、余計に傷つけあってしまう……そんな切ない2人の関係に、ぜひときめいてください。
『可愛い先輩の飼い殺し方【電子限定かきおろし付】』を試し読みする
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生意気だけど憎めない！おすすめ年下攻めBL漫画8選
『ダブルミンツ』
完結『ダブルミンツ』 全1巻 中村明日美子 / 茜新社
【エロ度】★★★★☆
愛を超えた執着の果てに2人が辿り着いた場所は──
同姓同名のクラスメイト、みつおとミツオ。主人と”犬”の関係だった二人は共犯者となり、やがて離れられない関係となっていきます。目を背けたくなるような暴力描写も多く、精神的にも肉体的にも「痛い」のに、ページを繰るのが止められない……そんな作品です。
ミツオ（攻）の執着の強さにはストレートな狂気を感じますが、みつお（受）のネジの外れっぷりも相当のもの。恋愛なんて言葉ではとても言い表せない、魂を求め合うような2人の関係にきっと心抉られるはず。
『エロまん～紙とペンとSEXと！！～』
完結『エロまん～紙とペンとSEXと！！～』 全1巻 彩景でりこ / ジュネット
【エロ度】★★★☆☆
塗り重ねた嘘の向こうに見える狂気！
再び登場の彩景先生。本作に収録されている「さかしま病院」がヤンデレBLです。交通事故で入院している直人は、隣のベッドの元同級生・栄治が妙に構ってくるのがうざったく、そんなに自分が好きなら相手をしてやると栄治を押し倒します。ですが、実は栄治の怪我は嘘で、逆に押し倒されてしまい……というストーリー。
いくつも重ねられた嘘が暴かれるにつれ、栄治のヤンデレっぷりが浮き上がってくるという、巧妙なプロットに思わず唸らされます。読後にぞっとするような気持ちを味わえる作品です。
▼表題作の「エロまん～紙とペンとSEXと！！～」はこちらでご紹介中！
近すぎて打ち明けられない…「幼なじみBL」漫画13選
『マリアボーイ』
完結『マリアボーイ』 全1巻 木村ヒデサト / 東京漫画社
【エロ度】★★★☆☆
痛々しくも愛おしいヤンデレ受けに胸キュン！
美容師のヨシキは生粋のゲイで、過去に手酷い暴力プレイを受けた相手から逃げ出した過去があります。彼の心のオアシスは血の繋がらない弟・なおと。ヨシキのなおとに対する執着は異常で、部屋に盗聴器を仕掛けるほど。なおとの恋人（男・ヨシキの元セフレ）のところへ押しかけ「なおとにしたやつ俺にもしてよ」と迫る場面は必見！ ヨシキの壊れっぷりがよくわかるシーンです。
一見すると暗くなりそうなテーマを不思議に明るいタッチで描いているため、読んでいて鬱になることはありません。不幸体質のヨシキですが、表題作ではほんのりと幸せの予感が……。
作者の木村ヒデサト先生は、台詞回しや演出などに独特なセンスがあるので、今後にも期待大です。
▼木村ヒデサト先生の他の作品（『鬼は笑うか』）はこちらでご紹介中！
今読みたい「同級生BL」漫画15選【青春時代の純情な感情】
『刺青の男』
完結『刺青の男＜単行本未収録コミック付＞』 全1巻 阿仁谷ユイジ / リブレ出版
【エロ度】★★★★☆
一本の映画を見たかのような読後感！真の「ドラマ」が味わえる
刺青を持つ3人の男たちと、彼らに関わる男・久保田のオムニバスストーリー。舞台が裏社会だけあって、登場人物はみんな凄絶な生き方をしている奴らばかり。はじめ、久保田は普通の男のように見えるのですが、「狂い鮫とシンデレラ」のあたりから、彼の持つ狂気に胸がざわつきはじめます。暴力ヤクザの埜上にわざと自分を抱かせるくだりは、痛さも色気も凄絶！ また、ムショ帰りの潟木に対する久保田の愛情は、深すぎて胸が苦しくなるほど。
いわゆるヤンデレものとは少し違うのですが、ダークで重いストーリーを読みたい人にはオススメ。電子版は商業誌未発表作「刺青の男」番外編ショートを収録した特別版です。
最後に
人を愛したら、誰しもが感じる嫉妬や束縛心。愛することの喜びとともに存在するつらさ。誰もが心の底に隠している、そんな感情を刺激するのがヤンデレ作品です。ちょっと刺激の足りない毎日を送っている時に読んでみてはいかがでしょうか。
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