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『山と食欲と私』山で美味しいご飯を食べたいなら必読!レシピ本まで出版!

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『山と食欲と私』山で美味しいご飯を食べたいなら必読!レシピ本まで出版!

単独登山女子を自称する日々野鮎美が、週末ごとに山に登っては絶景を楽しみ、美味しい山ごはんを堪能する『山と食欲と私』。登山好きな作者が実際に体験したことを元に描かれた作品とあって、登る山も作るメニューも、全てが具体的。アウトドアに興味がある人なら、刺激を受けずにはいられない内容になっています。
今回はタイトルにちなんで、「山」、「食欲」=料理、「私」=鮎美の3つの項目を柱に、本作の魅力を徹底紹介! また最後に、関連本「『山と食欲と私』公式 日々野鮎美の山ごはんレシピ」も取り上げます。

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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます

『山と食欲と私』のあらすじ

『山と食欲と私』のあらすじ

主人公・日々野鮎美は、週末になると登山にでかける27歳の会社員。自分のペースで歩き、山の景色を楽しみたいことから一人で出かけることを好む、「単独登山女子」です。自宅に近い東京周辺の山に日帰りで登るだけでなく、ときにはテント泊で2000メートル越えの山に挑んだりもする鮎美には、もう一つ、大きな楽しみが。
それが絶景の中で食べる「山ごはん」。インスタントラーメンのようなお手軽なメニューから本格的なメニューまで、アイディア料理を作っては、満面の笑顔でほおばります。
本作は、鮎美が登った山と食べた料理、そして山で彼女が経験したさまざまなドラマを綴った、楽しくて美味しい体験型アウトドア漫画です。

『山と食欲と私』の登場人物

日々野鮎美(ひびの あゆみ)

『山と食欲と私』日々野鮎美(ひびの あゆみ)

とある企業の経理課で働く27歳の会社員。都内のアパートに独り暮らしで、週末はほとんど登山に時間を費やしています。登山を始めたのは、大学生の頃に登った富士山がきっかけ。かつては形から入った「山ガール」でしたが、登山中級者となった今では、「単独登山女子」を自認しています。食に対する知識も豊富で、さまざまな「山ごはん」を創作します。

小松原鯉子(こまつばら こいこ)

『山と食欲と私』小松原鯉子(こまつばら こいこ)

29歳。鮎美の職場の先輩。関西弁の明るい女子で、登山に興味を持ち、鮎美に話しかけてきます。3巻で鮎美とともに東京近郊の低山に登り、「山ガール」デビュー。6年間付き合っていた彼と最近別れてしまったということで、4巻では山コン(登山しながらの婚活パーティ)に参加します。

瀧サヨリ(たき サヨリ)

『山と食欲と私』瀧サヨリ(たき サヨリ)

24歳。鮎美たちの部署に配属されてきた派遣社員。口数が少なく、近寄りがたい雰囲気でしたが、経理部一同で高尾山に登ったことをきっかけに、鮎美たちと少しずつ仲良くなっていきます。高校時代は登山部に所属し、冬山も経験しているという中級者。のちに結婚し、姓が瀧本に変わり長野に移住します。

瀧本健次郎(たきもと けんじろう)

『山と食欲と私』瀧本健次郎(たきもと けんじろう)

32歳。サヨリの夫。登山が生き甲斐で、持久力と足腰を鍛えるため、人力車の車夫の仕事を選んだそうです。サヨリとは交際1ヵ月ですぐに結婚。しゃべり出したら止まらないマシンガントークで、口数が極端にすくないサヨリとの相性もばっちり。登山に関しては上級者で、鮎美は瀧本夫妻の誘いで、初めて冬山登山に挑戦します。

黒蓮七実(こくれん ななみ)

『山と食欲と私』黒蓮七実(こくれん ななみ)

32歳。鮎美が下山途中に出会った女性。車中泊をしながら日本中を気の向くままに旅をしているという、自称「変態アウトドア女子」です。かなり豪快な性格に見えて、旅に出る前は人間不信に陥ったこともあったという意外な一面が。二人の出会いは4巻で、7巻と11巻に七実が再登場。鮎美を無茶な旅へと誘い出します。

鷹桑秀平(たかくわ しゅうへい)

『山と食欲と私』鷹桑秀平(たかくわ しゅうへい)

35歳。家電メーカーの営業職。長身のイケメンですが、登山に関しては形から入るタイプの初心者です。山ではハチを寄せつけてしまいがちな黒いウェアで上下を揃えたり、チーズフォンデュの野菜を生のまま投入したりと、やることはかなりちぐはぐ。それが読者に受けたのか人気キャラに成長して、彼が主人公のエピソードが描かれるようになっていきます。

香山栄螺(かやま さざえ)

『山と食欲と私』香山栄螺(かやま さざえ)

30歳。フリーSE。とあるテント場で、鮎美に話しかけてきた単独登山女子。意気投合して夜遅くまで語り合った仲で、後に南アルプスのテント場で再会して、一緒に登山することになります。ともにソロ登山が好きな者同士ということで、仲はいいけれど近よりすぎない鮎美と栄螺の微妙な関係性は面白いところ。

猪口いるか(いのぐち いるか)

『山と食欲と私』猪口いるか(いのぐち いるか)

56歳。国立大学の事務職。鮎美の実母です。鮎美の父は若くして亡くなり、3年前に再婚。猪口の姓になりました。現在は東京で仕事しつつ、新潟県の山間部の夫の実家に週末だけ移住する生活。そのおかげでたくましくなったそうです。6巻では鮎美と母子で、立山に登山します。

『山と食欲と私』の魅力

「山」の魅力

登山を趣味にしている作者が、自身や仲間の経験をふんだんに盛り込んでいる本作。絵柄はかわいいですが、かなりの本格派です。登山の楽しみが描かれる一方、起こりがちなトラブルや登山者の問題点にもしっかり触れていて、経験者も納得の内容に。

登山はスポーツ

登山はジョギングや水泳と同じ有酸素運動。自分ならではのペースとリズムをキープして、体を動かしていくのが「快感」と鮎美は言います。彼女が一人で山に登るのは、同行者にペースを崩されたくないからというのが、大きな理由としてあります。

『山と食欲と私』登山はスポーツ

週末の登山のために、日々のトレーニングを欠かさない鮎美。この日は金曜日なので、会社の階段の上り下りを2セット、鉄アレイを持ってのスクワットを30回ですが、普段はこの倍の運動をしています。かなりストイック!そして金曜日のランチは、エネルギーを蓄えるための炭水化物祭り!

『山と食欲と私』炭水化物祭り

山歩きの基本は小刻みな体重移動。大股で歩くのは足の負担が多く、疲れやすいのです。それを踏まえて、鮎美が急坂を登るために編み出した方法が「ジクちょこ歩き」。こんなふうに登山のためのノウハウが面白く紹介されるのも、本作の特徴です。

『山と食欲と私』ジクちょこ歩き

感動の絶景!

登山の最大の魅力はこれ。本作でもたくさんの絶景が描かれます。全て作者が実際に訪れているので、その描写はとてもリアル。まずは2巻の赤岳。それまで雨雲で隠れていた絶景が、晴れ間とともにドーンと目の前に。

『山と食欲と私』感動の絶景!

箱根の金時山の山頂は、富士山が間近に見える絶景ポイント。鮎美の言葉通り、「ドーン!」と迫ってきます。

『山と食欲と私』絶景につぐ絶景

母と一緒に登った立山は、絶景につぐ絶景。ここは実は死んでしまった鮎美の実父が、生前登りたかった山であり、母・いるかの感動はひとしおです。

『山と食欲と私』鮎美の実父が、生前登りたかった山

札幌の街中にある藻岩山。その山頂は街が一望できる絶景スポットです。鮎美が訪れたのは昼ですが、夜景も有名。作者は現在、札幌在住。しかも藻岩山の近くということで、これが地元の風景というのはうらやましいですね。

『山と食欲と私』藻岩山

かなりハードルの高い冬山登山。鮎美は、サヨリの夫・健次郎のナビゲートで、なんと冬期の八ヶ岳に挑戦します。そこに広がる風景は、そう簡単には見えることができない特別なもの。鮎美の感動を共有してください。

『山と食欲と私』冬期の八ヶ岳

南アルプス・仙丈ヶ岳の絶景。もう言葉は必要ありません。

『山と食欲と私』南アルプス・仙丈ヶ岳

山での出会い

登山の途中での、さまざまな出会いが描かれる本作。2巻の八ヶ岳縦走では、山小屋の食堂で、68歳の会社経営者・鯰江洋子さんと知り合うことに。街ではなかなか出会う機会のない人との出会いも、登山の魅力です。ちなみに、作者自身が登山の途中で出会ったステキなマダムがモデルになっているとか。

『山と食欲と私』膾江洋子

お父さんとはぐれてしまった女の子を見つけたことも。鮎美は山小屋に女の子を預けるため、片道30分の道を戻ることに。こんな出会いも、山にはあります。

『山と食欲と私』はぐれてしまった女の子

南アルプスで、栄螺と偶然、再会した鮎美。テント場のお隣さんになった二人は、夕食をともにし、翌日も一緒に山頂を目指すことに。ただし同行したのは一日だけ。翌々日は、目的地を同じにしながら、単独登山女子に戻っていくのでした。

『山と食欲と私』単独登山女子に戻っていく

たまには誰かと

経理課に新たに加わった社員を誘って、近場の高尾山へ。このときは山頂で酒盛りが始まってしまい、4人のうち2人はケーブルカーで下山することに。こういう気楽に登山を楽しむエピソードもあり、ほっこりします。

『山と食欲と私』高尾山

4巻では小松原さんに誘われて、「山コン」に参加。いわゆる街コンの登山バージョンで、登山という苦楽とともにすることで、打ち解けやすくなる効果があるとかないとか。登る山は、縁結びの山として有名な「筑波山」です。

『山と食欲と私』筑波山

山のトラブル

コースアウトして、沢にたどり着いてしまった鮎美。気持ちを落ち着かせるために、雑炊を作り、「私は遭難なんてしてないんだからね!!」と自分を鼓舞します。迷ったときは、下らずに登り、尾根に出るのが山の常識。しかし、登山道に戻れたときは真っ暗。一度遭難してしまえば、多くの人に迷惑がかかる。そのことで鮎美はひどく落ち込むのでした。

『山と食欲と私』遭難の危機

登山の最中の突然の腹痛は、本当に困りもの。この辛そうな表情、分かりますとも! 後からやってきた女性が親切にも下痢止めを分けてくれて、鮎美はなんとか、事なきを得ました。

『山と食欲と私』突然の腹痛

山小屋に忘れ物をしたことを、下山途中に気づいたら……。それも登山では、よくあるトラブル。たいした忘れ物でなければ諦めてしまうのも手ですが、「恥ずかしいことが書いてある手帳」だとしたら話は別です。

『山と食欲と私』山小屋に忘れ物

忘れ物といえば、こんなことも。何時間もかけて登り、テント場に着いたときにテントを忘れてきたことに気づいた鮎美。このときは近くに避難小屋があり、そこで事なきを得ました。荷物はしっかり点検してから、出発したいですね。

『山と食欲と私』テントを忘れてきたことに気づいた鮎美

山の不思議

中には不思議なエピソードも。その筆頭が6巻に収録された69話「風と味噌汁」。鮎美は、とある山で、男性の登山グループと出会います。その後、彼らが滑落死の危機から鮎美を救ってくれるのですが、その正体は……。

『山と食欲と私』山の不思議

山の名言

「山はどんな俗人もたやすく哲学者に変える」
by鮎美

「人は誰と一緒になっても…自分という孤独からは逃れられないんだな……」

という母の言葉を聞いての感想ですが、本当それ! と思いました。山では、なぜか本音で語り合うことができるのです。

『山と食欲と私』山はどんな俗人もたやすく哲学者に変える

「私はいま 美しい山々を知っている」
by鮎美

大学生のときに友だちと登った富士山は、キツい思いばかりで楽しい登山にはなりませんでした。しかし、

「こんな苦しい富士登山を経験したら きっとこの先日本のどの山を歩いても楽しいと感じますよ」

というガイドさんのひと言が印象に残ります。それから5年、ガイドさんの言葉通り、鮎美はたくさんの美しい山を歩いてきたのでした。

『山と食欲と私』私はいま 美しい山々を知っている

「自分は何者か」

と登山しながら、心の中のたくさんの自分と話し合う鮎美。そして、出した答えがこれでした。山が、嘘をつかない人生を与えてくれたのです。

『山と食欲と私』自分は何者か

「食」の魅力

本作の最大の魅力! それが山ごはん。定番メニューから、鮎美オリジナルの凝ったメニューまで、毎回美味しそうな「山ごはん」が登場。特徴別に分けて紹介します。どれも、作者が試作しているということで、味は保証付きです。

山ごはんは「わんぱく」

山ごはんはカロリー補給が主目的。街で目にしたらあり得ないくらいの「わんぱく」さが必要です。たとえば、この「焦がしメープルシロップの塩フレンチトースト」。厚切りの食パンにバター、ベーコン、卵を加え、とどめはメープルシロップというハイカロリー。

『山と食欲と私』焦がしメープルシロップの塩フレンチトースト

トップクラスの「わんぱく」メニューが、家で仕込んできた牛肉を使っての「超豪華ローストビーフ丼」。ローストビーフが花のようです。

『山と食欲と私』超豪華ローストビーフ丼

奈良の金剛山に登ったときの山ごはんは、関西でしか買えない袋ラーメン「好きやねん」と「ポールウインナー」の合わせ技。ラーメンにそのまま、長いウインナーをトッピングしただけという、見た目からして「わんぱく」料理です。

『山と食欲と私』「わんぱく」料理

お手軽ひと工夫

スウェーデン生まれの飯ごう「メスティン」で炊いたご飯の上に、缶詰のオイルサーディンを乗せて醤油をかけただけのお手軽料理。炊きたてのご飯だから、これだけで激ウマなのです。

『山と食欲と私』メスティン

お湯で戻す乾燥米(アルファ米)、缶詰のミートソース、カレーのルーを使って、ざっと作った「超簡単ミートソースカレー」。これもお手軽だけど、間違いなく美味しい!

『山と食欲と私』超簡単ミートソースカレー

半分飲んだビール缶に米を投入し、ビールとともに炊き上げた豪快お手軽料理、「ザ・ビール飯 ビーフジャーキーMIX」。味付けは、その名の通り、おつまみのビーフジャーキーで。

『山と食欲と私』ザ・ビール飯 ビーフジャーキーMIX

凝った料理も

家で下ごしらえをしていけば、山頂での凝った料理も可能。3巻で描かれた「まるごとトマトのジャンバラヤ」は、中をくりぬいて具材をつめたトマトを使って、生米から炊いていくという、手間と時間をかけた料理。味付けの要はケイジャンスパイスだそうです。

『山と食欲と私』まるごとトマトのジャンバラヤ

あらかじめヨーグルトとスパイスに漬け込んでおいた鶏肉を使っての、本格料理。山での調理は簡単で、最初に鶏肉だけをフライパンで焼き、その後に漬け汁とターメリックを加えて煮込むだけ。ヨーグルトの酸味とコクがすごい「クセうま」料理です。

『山と食欲と私』インド風本格ヨーグルトカレー

もう一つの楽しみ、山小屋ごはん

鮎美は自炊ばかりではなく、TPOに応じて山小屋を利用することも。最近の山小屋は食事&スイーツ自慢のところも多く、バラエティ豊かな山小屋ごはんが描かれます。これは八ヶ岳の高見石小屋の名物、「揚げパン チーズ&きなこ」と「コケモモジュース」のセット。

『山と食欲と私』「揚げパン チーズ&きなこ」と「コケモモジュース」のセット

丹沢の鍋割山には、名物の鍋焼きうどんが。鮎美いわく「これを食さずに山ご飯を語るべからずな殿堂入りの逸品!」とのこと。食べた感想は「格が違うぜ…」

『山と食欲と私』鍋割山名物鍋焼きうどん

行動食とは

歩きながら、もしくは小休止のときに、手っ取り早く栄養補給するのが「行動食」。おにぎりだったりスナックだったりとさまざまですが、映画『エヴェレスト 神々の山嶺』を真似して、りんごを食べるシーンが。

『山と食欲と私』りんごを食べるシーン

有名な山小説「孤高の人」の主人公に影響されて、自分オリジナルの行動食作りにチャレンジした鮎美。スーパーで、ミックスナッツや小魚、お菓子を買い込み、思いのままにブレンドしたのが「トレイルミックス鮎美スペシャル2016」! その出来栄えは?

『山と食欲と私』トレイルミックス鮎美スペシャル2016

「私」の魅力

等身大の20代の女性として、爽やかに描かれている鮎美。周囲には温かい人が多く、優しい人間関係のドラマが描かれます。鮎美とはどんな女の子なのか? 深く掘り下げます。

山と向き合う

鮎美の魅力としてまず上げられるのは、山に対するマジメな向き合い方です。本当に山が好きなんだなあと思わせてくれるのは、一人のときにふと漏らす言葉の数々。

「山の美しさを語るはただ愚かなり…」

なんて、かっこいい。

『山と食欲と私』山の美しさを語るはただ愚かなり…

自宅では、山道具のメンテナンスを欠かしません。これはお風呂場で登山靴を洗っているシーン。アパートにいるときや近所に買い物に行くときの鮎美は、基本的にメガネ姿です。

『山と食欲と私』山道具のメンテナンス

会社での人間関係にお疲れ気味の鮎美。リラックスするために向かったカフェで、山関係の雑誌を読むと、正直な思いがあふれ出てきます。街での生活の中で濁ってしまった心をすっきりさせるためにも、鮎美には単独登山が必要なのです。

『山と食欲と私』鮎美には単独登山が必要

テント泊は、どうしても荷物が多くなるもの。3泊4日で上高地から奥穂高に向かったときのザックは総重量15kg。これを担いで山道を何時間も登るのは、かなりハードです。鮎美は最初から中級者として描かれているのが、本作の特徴です。

『山と食欲と私』鮎美は最初から中級者

3190mの奥穂高岳にアタックするときは、落石を防ぐヘルメットを着用。登山計画をしっかり立てて出発します。しかし、その後、予想外のトラブルが……。

『山と食欲と私』落石を防ぐヘルメットを着用

長く山に滞在していた後に訪れる「山ロス」。下界にいる自分は本来の自分ではないような錯覚に襲われる症状だそうです。これも、山好きあるある、なのでしょうか?

『山と食欲と私』山ロス

人間関係あれこれ

鮎美と周囲の人たちとのドラマもいろいろと描かれます。最初に登場する準レギュラーキャラは、会社の先輩・小松原鯉子。登山に興味があると話しかけてくれたのに、鮎美は全力で拒絶! 本当は山仲間が欲しいのに、極度の人見知りがそうさせてしまうのでした。

『山と食欲と私』極度の人見知り

涸沢カールのテント場で、ゲイのカップルに声をかけられた鮎美は、一緒にババ抜きをすることに。実は鮎美、ババ抜きをするときだけは人格が変わると、子供の頃から言われてきたのでした(笑)。

『山と食欲と私』ババ抜きをするときだけは人格が変わる

もし、こちらの気持ちなんておかまいなしに、ずっと一緒に行動したがる単独登山男子が現れたら……。気を使いながら、そっと距離を取るしかないのですが、それでもダメなら、最終手段としてダッシュで逃げる。これは単独登山女子の共感ポイントでしょう。

『山と食欲と私』最終手段としてダッシュで逃げる

母と、東京近郊の山に登るとき、登山口を集合場所に指定した鮎美。単独登山女子ゆえの気の回らなさということでしょうか。母に痛いところを突かれて、ムッとしています。

『山と食欲と私』母に痛いところを突かれて、ムッとしています

美味しい笑顔&食レポ名言

美味しい山ごはんにありついたときの鮎美の笑顔と、レポーター顔負けの食レポは、本作のクライマックスと言っても過言ではありません。クサい食材をありったけぶちこんで炒めた「絶品クサウマ カシューナッツ炒め」を食べて、ひと言。

『山と食欲と私』「絶品クサウマ カシューナッツ炒め」を食べて、ひと言。

下山後の温泉、そしてビール。これもまた幸せな瞬間。この鮎美のひと言には、大人なら誰もが納得できるはずです。

『山と食欲と私』下山後の温泉、そしてビール。

バーベキューで茨城県のブランド和牛「常陸牛」で、ひと言。あまりの美味しさに、山コンの真っ最中だということも忘れて、顔が緩んでしまう鮎美でした。

『山と食欲と私』ブランド和牛「常陸牛」で、ひと言。

広がる『山と食欲と私』

本作は巻が進むごとにいろいろな広がりを見せています。まずは鮎美の行動範囲。関東から中部中心だった登山旅行は、関西、北海道、九州、東北と全国規模に。ここには「登山」よりも「山旅」を描きたいという作者の意図があります。
そして、公式ガイドブックの誕生。本作に登場する料理のレシピを紹介した「『山と食欲と私』公式 日々野鮎美の山ごはんレシピ」、「『山と食欲と私』公式 日々野鮎美(+なかまたち)の山ごはんレシピ2」の2冊が、山と渓谷社から発売中。レシピだけでなく、作者インタビューや、山グッズの紹介と盛りだくさんの内容です。
そして、これは予想ですが、山、キャンプ、グルメなドラマ&アニメが人気を集めている今、本作の映像化も、近い将来あり得るのではないかと。とにかく、まだまだ続いている鮎美の「山旅」、次はどこを目指すのか、期待です!

『山と食欲と私』 1~11巻 信濃川日出雄/新潮社

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