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正統派から女装子まで!おすすめのメイド漫画10選

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※2021/4/12に『花ちゃんとハンナさん』『メイドさんは食べるだけ』『メイドの岸さん』の3作品を追加しました。

メイドと言えば、メイド喫茶やアニメなどのキャラクターが思い浮かぶ方も多いと思いますが、もともとは家庭内の炊事や洗濯などを受け持つ女性使用人のこと。

今回は、メイドが登場する漫画の中から、メイドとその働きぶりをメインにした10作品をご紹介します。さまざまな家事をこなし、細やかな気くばりもする、メイドの魅力を堪能してください。

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『花ちゃんとハンナさん』

『花ちゃんとハンナさん』

完結『花ちゃんとハンナさん』 全1巻 山名沢湖 / 講談社

現代日本のメイドと100年前のイギリスのメイドが友達に

メイドカフェで働く花の、母の形見の古い鏡から出てきた女の子の幽霊。それは100年前のイギリスのメイド、ハンナでした。時代と国を越えた二人のメイドの心の交流が、ほのぼのと描かれたハートフル・コメディです。

物語は、入社3日目にして会社が倒産してしまった花が、メイドカフェ「の〜すういんど」のウインドウに貼られたメイド応募の張り紙を見たところからスタート。「の〜すういんど」は元は中華料理店で、店長の思いきった方向転換によってメイドカフェにしてみたものの、紅茶やスコーンといったカフェらしいメニューの中に、炒飯などの中華メニューが残るユルいお店。常連も近所の高齢者や子ども連れのお母さんばかりです。

そんなお店で、生まれて初めてメイドというものになった花。店の営業形態には戸惑うことも多いのですが、ピンク色のメイド服のかわいさが、それを打ち消してくれます。そんなときに、母の形見の鏡から現れたのがハンナでした。彼女は、1904年のイギリスで、公爵様のお屋敷で働いていたという、本物のメイド(の幽霊)!どうやらハンナの姿を見られるのはメイドだけらしく、「の〜すういんど」の他の二人のメイド、ミカコとゆずとも仲良くなっていきます。

ハンナが花に語る、公爵様のお屋敷での日々は、本作の大きな読みどころ。普段働いている姿をご主人様には決して見られないように心がけるとか、メイド部屋の家賃や光熱費はタダだけど、エプロンや制服は自費だとか、メイドの日常が、リアルに語られていきます。それもそのはずで、本作には、森薫先生の『エマ』の関連書籍「エマ ヴィクトリアンガイド」などの著書を持つライターの村上リコさんが協力者として参加しているのです。

小さな商店街の、なんちゃってメイドカフェを舞台にしながら、英国の在りし日のメイドの姿について詳しくなれる本作。のんびりした気分で、その世界観を楽しんでください。

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『メイドさんは食べるだけ』

『メイドさんは食べるだけ』

『メイドさんは食べるだけ』 1~2巻 前屋進 / 講談社

美味しいものを食べながら近所の人と穏やかに過ごす、メイドのホリデイ

英国でメイドとして働いていた日本人の女の子・スズメが、お屋敷の事情で長期休暇をもらって日本へ。メイド修行と称して、日本ならではの食文化を堪能しまくるお話です。

物語は、日本のアパートの一室で、スズメが畳を掃除しているシーンから始まります。濃紺のワンピースに白のエプロン、髪をヘッドドレスでまとめた純然たるメイド姿のスズメは、お屋敷の改築に際してご主人様の許しを得て、英国から日本にやって来た女の子です。

「チュンガイド」というグルメガイドを携えての散歩が、スズメの日課。最初に向かったのは、たい焼き屋でした。たい焼きは頭から食べればいいのか、それともしっぽなのか。日本人でありながら日本の食文化に疎いスズメは、そんなことを考えながら、パクリとひと口。餡の上品な甘さに感激します。その後も、たこ焼きやお団子といった日常的な食べ物を、ひとつひとつ味わっていく姿が描かれます。

やがて、スズメの祖母が登場。清楚な老婦人で、過去に英国にいたことが本人の口から語られます。スズメが働くお屋敷のご主人様ともつながりがあるようで、今後の展開が気になるキャラクターです。

メイドらしいことはほとんどしないスズメですが、いつも身につけているドレスとエプロンや、所作の美しさはメイドそのもの。2巻になると、英国からもう一人のメイド、リコッタが日本にやって来て、しばらく滞在することに。スズメの毎日がにぎやかになっていきます。

アパートの隣人・小松菜々との交流や、街のいろいろな店の店員さんとの会話、そして祖母やリコッタとのやり取りなどなど、どれも温かく、安心してほんわかできる作品です。

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『メイドの岸さん』

『メイドの岸さん』

『メイドの岸さん』 1~3巻 柏木香乃 / 講談社

無表情だけど有能なメイド・岸さんと主人の貴一朗の、ラブラブな日々

日本有数の名家である早瀬家のお屋敷に勤めるメイド・岸さんの活躍を描いた作品。岸さんがお仕えするのは25歳の次期当主、貴一朗様。メイドとご主人様という関係なのに、妙に距離が近い二人のやり取りにニマニマできます。

岸さんは無表情な美人で、相手が貴一朗であっても「○○○っス」というくだけた話し方をするのですが、メイドとしては一流。屋敷でのあらゆる仕事を素早く正確にこなします。貴一朗は弱冠25歳の有能な経営者で、政界・財界の重鎮からも一目置かれる存在。外では完璧人間ですが、生活力が著しく低く、屋敷では岸さんの世話にならなければ、何もできないポンコツ(自称)です。

物語は、岸さんの笑顔を見たことがない貴一朗が、あの手この手で喜ばせようとするエピソードから始まります。海外の有名なショコラティエに世界で1つのチョコレートの詰め合わせを作らせたり、一流ブランドの商品を山ほど一気買いしたりして、岸さんにアピールする貴一朗。しかし、岸さんはそれらをクールに受け流すのでした。

思うようにいかず落ち込む貴一朗は、岸さんのちょっとしたひと言で、簡単に立ち直ることに。そんな二人の、主従関係を越えたかわいいラブコメが描かれていきます。

物語が進むと、岸さんの意外な過去が描かれ、貴一朗との関係性が、単なる主人とメイドではないことが仄めかされることに。ラブコメに収まらない展開に、ますます目が離せなくなります。とは言え、一番の見どころは岸さんと貴一朗のラブラブ。ギャグシーンも多く、肩肘張らずに読める作品です。

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『シャーリー』

シャーリー 1巻

『シャーリー』 1~2巻 森薫 / KADOKAWA / エンターブレイン

正統派メイド漫画の最高峰!英国好きにもたまらない作品

ヴィクトリア朝時代の英国を舞台に、メイドと富豪の身分違いの恋を描いた『エマ』は、メイド漫画好きなら知らない人はいない名作です。その作者・森薫先生が、20世紀初頭・エドワード朝の英国を舞台にメイドを描いた作品が『シャーリー』です。

カフェを経営する女性・ベネットは、忙しくて自邸が荒れ放題。そこで、住み込みのメイドを募集します。年齢制限をうっかり書き忘れたところ、まだ13歳のシャーリーと名乗る少女が応募してきました。親がいなくて行くあてもないと言うシャーリーを、ベネットは雇い入れることにしますが……。

いたいけなシャーリーが懸命に体を伸ばして料理や掃除をしたり、自分より大きなシーツを干したり、ベネットを迎えに駆け出してきたりと、一生懸命な様子が微笑ましく、幼いながらもメイドとしての役目を果たそうとする姿を温かく見守りたくなる漫画です。シャーリーの仕事ぶりが細かく描かれていて、家電がなかった時代の家事の大変さ、メイドという職業が必要だった理由が、しみじみと伝わってきます。人間ドラマとしても秀逸で、まるで姉妹のようなベネットとの主従関係の描き方は実に見事です。

森薫先生は『エマ』がテレビアニメ化され、第9回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しているほか、『乙嫁語り』でも第39回アングレーム国際漫画祭世代間賞やマンガ大賞2014を受賞しています。細密な描き込みや綿密な時代考証で知られる森先生ですが、本作でも古き良き英国のたたずまいや実用本位なメイド服など、メイドにまつわる魅力がたっぷりと描写されています。

『シャーリー』を試し読みする

▼森薫先生の『エマ』はこちらでご紹介中!
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▼森薫先生の『乙嫁語り』はこちらでご紹介中!
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『カスタムメイド!』

カスタムメイド! 1巻

完結『カスタムメイド!』 全2巻 たちつてつこ / 芳文社

ボクッ子お嬢さまと美人メイドが繰り広げる女子高ライフ!

外見が小学生の令嬢と、オトナな見た目の美人メイドという、どちらも実は女子高生のコンビが展開する、かわいい系のギャグ漫画です。

財閥令嬢の鳳凰路ユウは、オタク趣味をひた隠しにしている女子高生。ある日、母によって専属メイド・マサキを付けられてしまいます。趣味がばれるのを怖れるユウはマサキを遠ざけようとしますが、なんとマサキの正体は同人作家! それもユウが憧れる漫画家だったのです。いつしか2人はオタク趣味をわかち合う仲となり……!?

威厳を保とうと頑張るユウの姿が、まるっきりかわいい小学生なところや、クールなマサキが、実はご主人さまラブなところなど、ギャップ萌えにあふれた漫画です。マサキは家事がド下手……と思ったら、一夜漬けで何でもうまくこなせてしまう破格なスーパーメイドという設定も、ツボの一つ。他のキャラも愛らしく個性的で、女子高ライフがそのままゆるふわコメディになっています。ほっこりした読後感にひたれる、癒し系の4コマ漫画です。

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『10ミニッツ メイド』

10ミニッツ メイド 1巻

完結『10ミニッツ メイド』 全1巻 水寺葛 / 講談社

10分間あなたにお仕えします―ジュースから飛び出したメイドがお悩み解決!

疲れた男がジュースを開けたら、妙齢の女性が飛び出してきて「なんなりとお申し付け下さい」と言ってくる……こう書くと、一瞬エロゲのような展開を妄想してしまいますが、中身は本格派のメイド漫画です。

何よりの魅力は、10分だけ現れて奉仕してくれる「10ミニッツ メイド」のキャラクター。ロングドレスにクラシカルなメイドキャップ、飾り無しのエプロン姿という、お色気ゼロな身なりの職人風メイドです。紅茶の美味しい淹れ方や効率のいい掃除方法など、その仕事ぶりには家事のヒントが満載で、「勉強になる!」と思う読者も多いはず。メイド力のすごさもさることながら、主人の悩みや、時には彼ら自身が気づいていない願望を鋭い洞察力で見抜き、家事をこなしながらスマートに解決していきます。「10分で消えてしまうメイドに何ができるの?」と思わせておいて、しっかりオチをつけて締めくくる……その見事な采配に「本物のメイドさんってこんな感じなのかも?」と、思わず想像を膨らませてしまいます。

そんなメイドがさまざまな人のもとに現れて、心のしこりをほぐしてサッと去るという、一話読み切りの短編が9つ収録されています。その内容は、オカルト風味からアラビアンファンタジーまでさまざま。水寺先生の今後の活躍も楽しみになる作品です。

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『少年メイド』

少年メイド 1巻

完結『少年メイド』 全10巻 乙橘 / KADOKAWA / エンターブレイン

女装男児メイドが大活躍!心あたたまるホームコメディ

2016年4月にテレビアニメ化される、注目度急上昇中のメイド漫画です。小学生の男の子・千尋は、掃除、洗濯、炊事の達人。母を亡くして叔父の円に引き取られますが、養われることはキッパリ断り、「メイド」として働き始めます。円は料理も片付けもまるでダメ。家事の鬼・千尋とヘタレ男子・円の、コントのような同居が始まります。そこへ円の婚約者・美耶子が現れて、千尋のメイドぶりに感銘を受け、弟子入りしてメイド術を習うことに……!

この作品の魅力は、それぞれのキャラが立っていて、さらに皆の人柄がいいこと。千尋が強がっていても怖がりだったり、情けない系キャラの円が千尋のためにはしっかりしたりと、デコボコぶりが微笑ましく、ハートウォーミングなコメディになっています。美耶子の純情さも愛らしく、千尋ともどもフリルいっぱいのメイド服姿や働きぶりを見せてくれます。

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『メイド諸君!』

メイド諸君! 1巻

完結『メイド諸君!』 全4巻 きづきあきら・サトウナンキ / ワニブックス

メイドカフェで働く少女たちの痛々しくもピュアな青春

関西から東京に越してきた少女・千代子は、ひょんなことから秋葉原のメイド喫茶で働くことに。メイド喫茶特有のしきたりに戸惑い、接客業の難しさに悩みつつも、メイド「チョコ」として振る舞う楽しさに目覚めていきます。やがて常連の男性・鳥取に恋をしますが、鳥取は生身の女性に関心がなく……。

メイド喫茶を舞台に、色んなキャラのメイドやバリエーション豊かなメイド服を楽しめる作品です。その上、コスプレ的なメイドに留まることなく、メイドを演じる少女たちの内面や、メイドカフェ経営の裏事情にも踏み込んでいて、ちょっとビターな一面も描かれています。

オタク男性の恋におびえる心理の描写や、メイド同士の愛憎もあり(百合的な意味でも)、痛々しい恋愛ものが好きな方にオススメです。

作者のきづきあきら先生とサトウナンキ先生は、共同執筆で漫画を描いているコンビ。他の作品に『エビスさんとホテイさん』『うそつきパラドクス』などがあります。

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『仮面のメイドガイ』

仮面のメイドガイ(1)

完結『仮面のメイドガイ』 全15巻 赤衣丸歩郎 / KADOKAWA / 富士見書房

爆笑必至!タフガイが女装して暴れ回る!

女子高生・なえかは莫大な財産の継承権を持ち、そのために命を狙われる身。案じた祖父は2人のメイド兼ボディーガードを派遣します。一人は絵に描いたような美少女メイド・フブキ。しかしもう一方のコガラシは、筋骨隆々たる大男で、しかもメイド服をまとっていたのです。

これでもかと笑わせてくれるナンセンス・コメディです。コガラシの忠誠心がしばしばズレた方向で発揮され、なえかが試験にため息をつけば、その元凶である高校を爆破するという始末。メイドとしての過剰な仕えぶりと破天荒で予測不能な行動が見どころです。

初対面のなえかに「ククク……さぁどうご奉仕してやろうか ご主人 ククク……」と迫るコガラシ。下着の洗濯具合を確認するためにいきなり服を脱がすなど、セクハラをたっぷりかましているようですが、それもあくまで「メイドの仕事」を真面目に遂行しているだけなのです。その熱血メイドガイと、上品だけどちょっとドジなフブキの絡みも面白いです。

作者の赤衣丸歩郎先生には他に『ブラック嫁によろしく!』『金の彼女 銀の彼女』など、ちょっとセクシーで笑えるラブコメ作品があります。

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『Under the Rose』

Under the Rose (1) 冬の物語

『Under the Rose』 1~10巻 船戸明里 / 幻冬舎コミックス

舞台は19世紀イギリス、貴族社会の光と影

ロウランド伯爵の庶子であるライナス・キングは、母・グレースが死んだ理由がロウランド家にあると考え、真実を探ろうとします。伯爵や兄弟たちの好意をすべて「偽善」とはねのけ、孤独に戦い続けるライナス。やがて、彼はグレースの死に隠された事実を知るのですが……。

こちらはメイドが主人公ではないのですが、『エマ』を読んで19世紀の英国に興味を持った方には、ぜひ読んで欲しい作品です。

タイトルの「Under the Rose」は「秘密に」という意味のイディオム。文字どおり、この作品には様々な「秘密」が登場します。ライナスが隠そうとする自身の出自の秘密。メイドたちが隠すグレースの秘密。そして、彼女の死因……。登場人物たちは、皆それぞれに秘密を抱えていますが、それはけっして私利私欲のためだけではありません。誰かを思いやるため、平穏を守るため、自身の尊厳のため……。だからこそ、読者はやりきれない悲しみに包まれます。

メイドや執事など、当時の使用人がいかに深く「家」に入り込んでいたのか、彼らの働きがどれほど重要だったのか、それを知るうえでも非常に興味深い作品です。

2巻以降は、ロウランド伯爵家にやってきた家庭教師・レイチェルが主人公となりますが、こちらはさらに暗く重く、読む人の心を深く抉るような物語が紡がれます。

また、後のロウランド家を描いた『Honey Rose』もおすすめ。ただし、『Under the Rose』の重大なネタバレが含まれるため、続きを楽しみにされている方はご注意を。

『Under the Rose』を試し読みする

最後に

主人の忠実な部下であり、隠れた功労者でもある「メイド」。彼女たちのひたむきな(時には行き過ぎた)奉仕姿にときめく方も多いのでは? 萌えアイコンとしてのメイドも魅力的ですが、やはり基本は人と人との繋がり。心の通い合いにフォーカスした良作も多いメイド漫画、「メイド=コスプレ?」と敬遠している方も、ぜひ一度読んでみてくださいね。

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