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『群青にサイレン』不仲バッテリーの快進撃!? 異色の高校野球漫画(ネタバレ注意)

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『群青にサイレン』バナー

スポ根の元祖『巨人の星』(講談社)、スポーツラブコメの名作『タッチ』(小学館)といった定番作品から、野球版異能バトルと呼べそうな『Mr.FULLSWING』(集英社)やプロ野球界にまつわるお金事情を描いた『グラゼニ』(講談社)といった個性派まで、様々な作品が揃う超人気ジャンル「野球マンガ」。
その中で今静かに人気を伸ばしているのが、選手同士の嫉妬、野球を続けることへの葛藤や挫折を赤裸々に描いたどんより系野球マンガ『群青にサイレン』だ。作者が女性なだけに、イケメン球児が多いのも見どころ。
少年たちが繰り広げる、友情、努力、勝利だけじゃ割り切れない心理ドラマに引き込まれる――!

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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事にはネタバレを含みます。

『群青にサイレン』作品紹介

『群青にサイレン』書影

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『群青にサイレン』のあらすじ

春、父親の母校・玄石(くろいし)高校に入学した吉沢修二。妹の亜子や、中学からの友人・角ケ谷と一緒に楽しい高校生活の始まり――かと思いきや、イギリスに引っ越したはずの従兄弟・吉沢空も主席で同じ高校に入学していた。

「修ちゃん ずっと会いたかった……!」

と嬉しそうな空と反対に、

「この世で一番大ッ嫌いなアイツが」

と青ざめる修二。なぜなら空は、修二からエースの座を奪い、大好きだった野球を辞める原因を作った張本人なのだ。
しかし、修二は空を見返すため、彼に誘われるがまま、角ケ谷とともに玄石高校野球部への入部を決めて……。

『群青にサイレン』の登場人物たち

『群青にサイレン』の相関図

吉沢修二(よしざわ・しゅうじ)

『群青にサイレン』登場人物:吉沢修二

玄石高校1年5組。左投げ左打ち。小学校の時は野球クラブでピッチャーをしていたが、中学校では野球から離れて、柔道部に入っていた。
長身を活かしたストレートが得意で140km/h台で投げられる。しかし、小学校時代のトラウマのせいでイップスを抱えていて、試合中のマウンドに上がると暴投してしまう。そのため、高校ではキャッチャーに任命された。
自分からエースピッチャーの座と野球を奪った空のことをひどく嫌っていて、彼のキャッチャーを務めることに苦痛を感じている。

『群青にサイレン』登場人物:吉沢修二

チームが勝ち進むために空への気持ちを割り切って、キャッチャーというポジションに徹しようとするも、空と仲違いをしたり、左投げゆえに苦戦(※)したり、経験不足に悩んだりと前途多難。こんなに屈折した野球漫画の主人公、初めてではないでしょうか?

※左投げの選手は右手にミットを着けるため、本塁でのクロスプレイの際に三塁側に手を伸ばせなかったり、盗塁に備えて構えると走者の動きが見えにくくなったりと、キャッチャーとしてかなり不利。プロの世界でも左利きのキャッチャーはほとんど存在しない。

吉沢 空(よしざわ・そら)

『群青にサイレン』登場人物:吉沢 空

玄石高校1年6組。左投げ左打ち。ポジションは投手で、抜群の制球力と縦カーブが強み。中学の間はイギリスに留学していたが、高校入学と同時に帰国。修二と同じ高校で野球をするために玄石高校に入学してきた。

『群青にサイレン』登場人物:吉沢 空

修二とは父親同士が双子の従兄弟で、小学5年生のときに初めて会い、そのときに修二から野球を教わった。明るくて優しい修二のことを慕っていたが、空がエースピッチャーに指名されたことから関係がギクシャクしていった。
157センチと小柄でアイドルのような可愛らしい顔をしているが、気が強くて頑固な一面も。

玄石高校1年

角ケ谷尚志(つのがや・なおし)

『群青にサイレン』登場人物:角ケ谷尚志

玄石高校1年5組。右投げ右打ち。ポジションはショート。井綿リトルリーグ出身で、試合でも好守備を連発するなど、「なんで(弱小の)玄石に!?」と言われるほど高い能力を持っている。
しかし、大きすぎる母の期待や、リトルリーグで同ポジションを争った井上駆塁からのいじめのせいで、純粋に野球を愛する気持ちを失ってしまう。同じく野球に複雑な思いを持つ修二にシンパシーを感じていて、中学時代は一番の友人であった。シニカルで必要以上に人と接触することを好まないところがある。

溝口哲平(みぞぐち・てっぺい)

『群青にサイレン』登場人物:溝口哲平

玄石高校1年6組。右投げ右打ち。中学時代にショートをしていたが、現在のポジションはライトかセカンド。
もともと高校では野球をするつもりはなかったが、「美人マネージャーがクッキーを焼いてくれる」という玉井と寺田の嘘に騙されて入部したお調子者。空と亜子と同じクラスで、亜子にほのかな想いを抱いているよう。

片山龍起(かたやま・たつおき)

『群青にサイレン』登場人物:片山龍起

玄石高校1年2組。右投げ右打ち。ポジションはキャッチャー。リトルリーグで正捕手を務めていた実力の持ち主で、3年生が引退後の夏から野球部に入部し、キャッチャーとしての修二の立場を揺るがす。
4月に行われた丈陽との親善試合を見ており、そのときに暴投ながらも力強い修二のピッチングに惚れ込んだ。修二とバッテリーを組むことを望んでいる。

玄石高校2年

玉井文登(たまい・ふみと)

『群青にサイレン』登場人物:玉井文登

右投げ右打ち。小柄で体力もあまりなく、運動神経もイマイチなため、ほとんどベンチとして過ごしてきた。そして、選手としての自分に限界を感じ、マネージャーとして部員たちを支えることを決めた、縁の下の力持ち。
3年生の引退後、副キャプテンに任命される。

寺田(てらだ)

『群青にサイレン』登場人物:寺田

右投げ右打ち。ポジションはファースト。大柄で強面だが、気が弱く優しい性格の持ち主。玉井と仲が良く、行動をともにすることが多い。

浅羽(あさば)

『群青にサイレン』登場人物:浅羽

右投げ右打ち。ポジションはセンター。明るい性格のムードメーカーで、実家が小さなスポーツ店を営んでいることから、野球部の道具や練習着、遠征バッグなどの注文を受けている。3年生引退後、キャプテンに任命される。

斉間 葵(さいま・あおい)

『群青にサイレン』登場人物:斉間 葵

右投げ右打ち。ポジションはサード。3年生引退後に、「モテたい」という理由で入部してきた。見た目はチャラいが野球経験者で、何でもそつなくこなす器用なタイプ。

玄石高校3年

兼子八洋(かねこ・やひろ)

『群青にサイレン』登場人物:兼子八洋

野球部キャプテン。右投げ右打ちで、ポジションはサード。ガサツでデリカシーに欠ける性格だが、面倒見が良く後輩からはナメられつつも慕われている。4番打者ながら打率は低く、豪快な空振りをしては「4番のくせに!」と罵られることも。
鈴木とは中学校からの友人で、「楽しく野球をする」ために、弱小だった玄石高校野球部に入部した。高校から野球を始めたため、知識は素人に毛が生えたレベル。

鈴木暁彦(すずき・あきひこ)

『群青にサイレン』登場人物:鈴木暁彦

野球部副キャプテン。右投げ左打ちで、ポジションはセカンド。中学時代は角ケ谷も所属していた井綿リトルリーグでピッチャーを務めていたが、肘の故障が原因でチームを脱退し、一度は野球を捨てる。
修二たちが入部するまでは、練習時間にノックバットをつかったバッティング大会をしたりと、ゆる〜く野球を楽しんでいた。イケメンで女性ファンが多い。

丈陽(じょうよう)高校

守屋宙樹(もりや・ひろき)

『群青にサイレン』登場人物:守屋宙樹

強豪校・丈陽高校のキャプテン。右投げ右打ちでポジションはキャッチャー。井綿リトルリーグ出身で、鈴木とバッテリーを組んでいた。
守屋が声を出せばグラウンドの雰囲気が変わるほどのカリスマ性の持ち主で、メディアからも注目されている。他校ながら、同じキャッチャーとして修二にアドバイスをするなど、面倒見の良い性格。選手としても実力も性格も完璧な野球エリート。

釘崎梓(くぎざき・あずさ)

『群青にサイレン』登場人物:釘崎梓

丈陽高校3年。右投げ右打ちでポジションはピッチャー。自分より実力が下の選手を小馬鹿にしたような態度を取るなど性格に難あり。140km/h超の球を投げる不動のエースだが、繊細でプレッシャーに弱い一面も持つ。

一柳(いちやなぎ)

『群青にサイレン』登場人物:一柳

丈陽高校1年。右投げ右打ちでポジションはセンター。丈陽高校1年チームで4番打者を務める。親善試合で見た空のカーブが忘れられず、守屋とともに偵察に来たことも。

修二の家族や大人たち

吉沢亜子(よしざわ・あこ)

『群青にサイレン』登場人物:吉沢亜子

修二の妹。双子ではないが学年は同じ。鬱屈した感情を抱えた修二とは対照的に、明るく社交的な性格。高校入学当初は朝ごはん作りを修二に頼るなど、家事が苦手そうだったが、野球に打ち込む修二を応援するために料理の練習を始めるなど、兄思いの妹である。
同じクラスの溝口から好意を寄せられているが、亜子自身は全くその気がない様子。

蓜島(はいじま)監督

『群青にサイレン』登場人物:蓜島

ボサボサの長髪に無精ひげと、野球部の監督らしからぬ風貌の持ち主。練習はスパルタで言葉も厳しいが、選手たちを公平な目で見守り、成長を促す良き指導者。
修二の父が左利きのキャッチャーだったことを知っており、彼と修二を重ねているフシが見受けられる。

戸倉(とくら)部長

『群青にサイレン』登場人物:戸倉

野球部の部長で、浅羽のクラスの担任。野球の指導は蓜島にまかせて、自身は事務面で野球部を支えている。指導方向に悩む蓜島を気にかけることも。

吉沢家
3年前に父親を亡くし、母1人子2人の母子家庭。近所に父方の祖母が暮らしていて、働く母と子どもたちを支えてくれている。
両親がイギリスにいる空は現在祖母宅に居候中。父親同士は仲が良かったようだが、母親同士は空の母の性格がキツいため、上辺の付き合いとなっていた様子。

今までの野球漫画になかった「リアルすぎる心理描写」に注目

登場人物たちが抱える悩みがしんどくて泣ける……!

『群青にサイレン』の最大の特徴は、野球にまつわる割り切れない感情を丁寧に描いているところ。もはや“不憫”としか言い表せない主人公・修二を筆頭に、キャラクターたちが抱える「しんどさ」に迫ります!

吉沢修二「あいつのキャッチャーになんかなりたくない………!」

『群青にサイレン』リアルすぎる心理描写

小学生の頃は明るくてみんなの輪の中心にいた修二。しかし、空がやって来てからはエースピッチャーのポジションも人気者の座も奪われてしまう。そして、空のせいで全てを失った、と憎むようになる。
それなのに、野球部では「ピッチャーの女房役」と呼ばれるキャッチャーに任命されてしまった。ピッチャーである空を支え、結果を出してもちやほやされるのは空――憎しみは募る一方だが、バッテリーが反発し合っていては試合に勝てない。感情を押し殺して“キャッチャー”として空に接し始めた矢先、空を嫌っていることが本人に知られ、バッテリーの信頼関係は完全に崩壊。まるで昼ドラを見ているかのようなドラマの連続で、運命に振り回される修二への同情を禁じえない……! いつかまた、彼が純粋に野球を楽しめる日はやってくるのだろうか?

吉沢 空「修ちゃんは負けてなんかいない 負けてなんかいないんだよ…!」

『群青にサイレン』リアルすぎる心理描写

空にとって修二は「空っぽ」だった自分をすくい上げてくれた恩人。野球だって、修二と一緒に遊ぶのが楽しいから始めたようなもので、修二に勝とうだなんて思いもしなかった。しかし、野球クラブでは空がエースピッチャーに指名され、修二との距離は徐々に開いていく。さらに自分がエースピッチャーになったのには実力以外の要因があったことを知ってしまうが、それを修二に告白する勇気はなく、何も言えないまま両親とともにイギリスへ旅立つ。
高校では何のしがらみもなく修二と野球を楽しめるはず! と期待を持って玄石高校にやって来たが、すでに修二の心は空への憎しみに塗りつぶされていたのだった。再会した当初は屈託なかった空の笑顔が、話が進むにつれてどんどん曇っていくのが見ていて辛い……!
修二との関係だけでなく、球威の弱さも空のかかえる問題のひとつ。もし修二がイップスを克服したら? 不仲バッテリーに平穏の日々はまだ訪れなさそうだ。

鈴木暁彦「俺がピッチャーでヒロがキャッチャーじゃなきゃ無意味だ」

『群青にサイレン』リアルすぎる心理描写

下級生たちを優しく見守るイケメン副キャプテン、というのが現在の鈴木のポジション。しかし、彼にはリトルリーグ時代に肘を壊して野球を断念した過去が。将来を嘱望されるほどの実力を持ち、野球にすべてを賭けて掛けていた鈴木は、他のポジションへの転向を蹴って野球を辞めてしまう。
当時バッテリーを組んでいた守屋とは小学校2年生からの付き合いで、「どうして故障する前に止めてくれなかったのか」と恨んだこともあったが、今は守屋だけでも甲子園に行ってほしいと思えるまでに立ち直っている。
現在どんより真っ最中の1年生組もいつか鈴木のように立ち直ってくれればいいのだが……。

角ケ谷尚志「野球を好きで続けてる人間なんているの?」

『群青にサイレン』リアルすぎる心理描写

誰よりも野球に苦しめられてきた男、それが角ケ谷だ。
明るくて優秀な兄ばかりを可愛がる母親の気を引くために始めた野球だったが、兄が進学をきっかけに家を出たこと、たまたま角ケ谷が野球のセンスに恵まれていたことから、母親の自尊心を満たすためのツールとなってしまう。地元の野球チームから引き離されてリトルリーグに入ったことで、元チームメイトたちから「裏切り者」と無視されたり、リトルリーグでは目立ったプレーをするといじめられたり……。気持ちはどんどん野球から離れていくのに、母親に「お母さんの夢を壊さないで」と泣きつかれ、辞めることすら叶わず、呪いながら野球を続ける。
同じような悩みを抱える修二と一緒にいることにやすらぎを覚えていたが、修二が前向きにキャッチャー業に取り組むようになってからは、彼とも距離を置くように。
野球のプレー面では順風満帆なものの、人として抱える悩みが深く修二を超える勢いでどんよりしている。頭が良く冷静であるがゆえに色々なものが見えてしまって、同級生たちより大人びた横顔が何とも悲しい。

チームメイト同士の関係性がアツい!

仲の良い悪いはさておき、キャラクター同士の結びつきが丁寧に描かれている本作。注目すべき“ニコイチ”コンビがこちら!

不仲なのに離れられない! 吉沢バッテリー

『群青にサイレン』チームメイトの関係性がアツい!

いつもギクシャクしていて、理想のバッテリーとは程遠い修二と空だが、修二は制球力抜群の空がピッチャーだから試合を動かすキャッチャーというポジションの魅力を知る。そして、空が野球を続けている理由は「修二とまたキャッチボールがしたかったから」。ここまで関係性が拗れてしまっているのに、お互いから離れることができない――そうなると不仲であればあるほど萌えるという不思議な感情すら湧いてくるようだ。
また、根暗フレンズ・修二と角ケ谷の関係にも要注目。

『群青にサイレン』チームメイトの関係性がアツい!

ネガティブな者同士、互いに一番自然体でいられるのが修二と角ケ谷。修二の過去の告白を、さらりと笑い飛ばして「たいしたことないよ」と励ますシーンは本作屈指の名場面だ。
修二をめぐって空に敵対心を見せるような素振りもあり、注目の三角関係となっている……!

腐れ縁に見えて歴史とドラマあり! 兼子キャプテンと鈴木副キャプテン

『群青にサイレン』チームメイトの関係性がアツい!

中学時代からの友達同士で、キャプテンと副キャプテンを務めるこの2人。持ち前のパワー(ガサツさともいう)で部員を引っ張っていく兼子に、悩んでいるメンバーが入ればさりげなくフォローを入れる鈴木、という名コンビだ。
さらに、鈴木が肘を壊して落ち込んでいたときに一番そばにいたのは兼子で、一緒に野球部に入ったのも鈴木のため、という萌える過去エピソードも。ガサツなだけでなく、ここ一番で優しさを発揮できる男・兼子、推せます。
“ニコイチ”といえば、リトルシニア時代の鈴木・守屋バッテリーもお忘れなく。

『群青にサイレン』チームメイトの関係性がアツい!

常勝コンビならではのイケイケ感、中学生男子らしいキャピキャピ感がかわいい! 鈴木が守屋にぞっこんなのにも萌えますな。
そして、丈陽の黄金バッテリー釘崎・守屋の“ニコイチ”も◎。

『群青にサイレン』チームメイトの関係性がアツい!

繊細すぎてメンヘラ彼女みたいな釘崎を「めんどくさい」と表現しつつも、太陽のような包容力でカバーする守屋。この人、絶対メンヘラホイホイだと思います(真顔)。

癒やし系な仲の良さにほっこり♡ 玉井&寺田の凸凹コンビ

『群青にサイレン』チームメイトの関係性がアツい!

さりげない仲の良さに萌えるのが玉井と寺田コンビ。他の“ニコイチ”のような目立つエピソードはありませんが、一緒に新入部員勧誘をしていたり、マネージャーに立候補した玉井を一番心配しているのが寺田だったり……。2人に注目していれば、マイナスイオンびっしゃびしゃな萌えシーンに出会えること間違いなしだ。

物語の鍵を握る!? 角ケ谷尚志を徹底考察

様々な悩みを持つ本作のキャラクターの中でも、とりわけ深い闇を抱えていそうなのが角ケ谷だ。修二以外の誰とも打ち解ける様子がなく、抱えている闇の全貌も明らかではない。

考察①修二に並々ならぬ思い入れが?

小学生の時に溌剌と応援をする修二をみたときに「太陽みたいだ」と感じ、それ以来ずっと心のどこかで修二のことを追い求めている。自分と修二の間に割り込んできた空にキツくあたったり、修二のキャッチャーへのコンバートについて蓜島にずっと意見していたりと、修二に関わるときだけ感情を露わにする。こ…こんなの、何やら萌えな展開を期待してしまうじゃないですか……!

考察②闇堕ちフラグがすごい?

過干渉で毒親っぽい母、野球チームでのいじめ、修二に対する執着――メンタル面での不安定さが目につき、あともうひと押し何かが起きてしまえば、闇堕ちしてしまいそうである。しかし、過去のエピソードが明らかになったからには、これから何か起きる予感しかない。壊れないで、角ケ谷……!

考察③角ケ谷がこれからの展開の鍵を握っている?

キャッチャーというポジションに面白さを見出し、このところどんより度が低くなってきている修二。となると、これから物語のドラマの主役になるのは、両手いっぱいに闇を抱えた角ケ谷なのでは? 9巻はほぼまるまる角ケ谷巻だったりと、今一番目が離せない男だ!

作者・桃栗みかん先生のもう一つの顔

桃栗みかん先生の美麗な絵柄に見覚えのある人は少なくないはず。そう、超人気ラブコメ『いちご100%』(集英社)です。『いちご』の作者・河下水希先生と桃栗みかん先生は同一人物で、少女漫画やBL漫画を執筆するときは桃栗みかん名義、少年漫画を執筆するときは河下水希名義で活動されているのだそう。
桃栗みかん先生としての活動は約15年ぶり。『いちご100%』のイメージをどこまで裏切ってくれるのか楽しみです!

終わりに

もともと女性向けの漫画雑誌で連載が始まったからか、野球漫画でありながら、試合シーンよりもキャラクターの心理描写にウェイトが置かれている本作。しかし、だからこそ見えてくる「野球」というスポーツのリアルさが読者の心を揺さぶるのだ。
派手は決め技でなく緻密な描写を積み上げていった先にカタルシスがある――これが令和のスポーツ漫画なのかもしれない。

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