ガンマニアに贈る!ガンアクション漫画・銃漫画のおすすめ7選

我々日本人にとってはあまり馴染みのない「銃」。半ばファンタジーな小道具として、ズシリとした重量感とヒヤリとした鉄の肌に魅せられ、モデルガンに夢中になった男子諸君も多いことでしょう。
その歴史は古く、危険から身を守り命の糧を繋ぐ狩猟の道具として、人と人が争うときに用いられる武器として、700年以上に渡って人類と共にある存在です。
そんな「銃」を題材にした、マニアックな銃漫画から、血沸き肉躍るガンアクション漫画、武器の功罪を問い、人間の業を抉る作品まで、おすすめの7作品をご紹介します。
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『GUN SMITH CATS』
完結『GUN SMITH CATS』全8巻 園田健一 / 講談社
作者の銃と車への偏愛がたっぷり詰まった、美少女ガンアクション
シカゴで銃砲店を営む銃工(ガンスミス)でありながら、名うての賞金稼ぎ(バウンティハンター)でもある19歳の少女、ラリー・ビンセントを主人公にしたガンアクション漫画。90年代に雑誌連載され、OVA化もされた作品です。
作者の園田健一先生が描く美少女キャラは、80年代から90年代にかけて大ヒット。漫画作品のほか、『ガルフォース』、『バブルガムクライシス』といったアニメのキャラクターデザインも手掛けました。また、園田先生は銃器や車への造詣も深く、本作はそのこだわりが詰まったマニアックな作品。キャラクター同士の会話の中で、銃や車の専門用語がビシバシ飛び交います。
とはいえ、ストーリーは往年の海外ドラマのような明快さ。賞金稼ぎのラリーが、爆弾の専門家ミニー・メイを相棒に、シカゴの街を舞台に大活躍。情報屋のベッキー、運び屋のビーンなど裏社会と通じるサブキャラクターが2人の脇を固め、毎回、スピーディで迫力満点の銃撃戦とカーアクションが描かれていきます。
ラリーの特技は「親指飛ばし」。敵を殺さずに戦闘力を削ぐことを目的に、銃を握る利き手の親指だけを撃ち抜く高度な技です。そのために愛用している銃は、旧チェコスロバキア製の旧型CZ75。硬質の鉄をボディに使用した高精度の銃ということで、その良さをラリー自身がたっぷり語ってくれます。
かわいい絵柄ですが、ストーリーはハードボイルド。ラリーとの銃撃戦で両足を失い、復讐に燃えるサディスティックな女犯罪者ボニーや、薬物によるマインドコントロールを得意とする女マフィア、ゴールディなど強烈な敵役が登場。作者による銃や車の解説も細かくて、銃の知識がなくても充分楽しめる作品です。
続編として、『GUNSMITH CATS BURST』全5巻も。こちらは2000年代に連載された作品で、ラリーとミニーの活躍が新たに描かれます。
| CZE Cz75 1st / CZ モデルZ (DUO) / S&W M19 (コンバットマグナム) / コルト ガバメント (M1911) / シグ P210 / ベレッタ M84 (チーター) / ルガー P08 / ワルサー P38 / ワルサー PP / コルト ローマン MK-III / D&D ブレン・テン / IMI デザートイーグル / スタームルガー スーパーレッドホーク / MGD PM-9 / H&K VP70 / レミントン M870 / レミントン M31 / イサカ M37 / ローム RG14 / MAC M10 (イングラム MAC10) / 他 |
『アップルシード』
完結『アップルシード』1~4巻 士郎正宗 / KADOKAWA
『攻殻機動隊』の士郎正宗先生によるガン&SFメカアクション
『攻殻機動隊』の士郎正宗先生のメジャーデビュー作。80年代に描き下ろし作品として青心社より刊行された作品です。1988年にOVAが製作されたのを皮切りに幾度となく映像化。連載は中断され、続刊が出ない「凍結」している作品ですが、今なお世界に多くのファンが存在します。
舞台となるのは、『攻殻機動隊』と地続きの世界。第五次大戦後の混乱を生き抜いた少女デュナンと相棒のサイボーグ、ブリアレオスは、統合管理局が作り出した清潔で平和な中央都市オリュンポスに移住します。元SWATだったデュナンはそこで復職し、さまざまな事件や陰謀に対処して活躍していくという物語です。
銃器についてはもちろん、特殊部隊の戦術といった運用面の描写は詳細をきわめ、登場人物たちの銃の扱い方や、ちょっとしたセリフの中に凄まじい量の情報が含まれているのは、さすが士郎正宗作品。超絶マニアックなのですが、作者による欄外の解説がそれを補足。より詳しく知りたい読者には『アップルシード イラスト&データ』、『アップルシード ハイパーノート』などの公式データブックもあり、それを頼りに何度も本編を読み返すという楽しみ方ができる作品です。
コルト・ガバメントのような現実にもある銃から、架空の銃器メーカー「セブロ社」の銃まで、さまざまな銃器が登場。セブロの銃は世界中の士郎正宗ファン、銃器ファンを魅了し、本作登場モデルのガレージキットなどは現在も高値で取引されているそうです。また、ランドメイト(LM)という人型のメカも登場。身体を機械で包み込む、いわゆるパワードスーツで、LM同士のバトルは迫力満点です。
『アップルシード イラスト&データ』に48pの描き下ろしが、『アップルシード ハイパーノート』には「コミックガイア版 アップルシード総集編」が掲載されているので、『アップルシード』の世界を味わい尽くしたい方にオススメです。
| コルト ガバメント (M1911) / IMI ウージー / ゲウィン ブッシュマスター / ポセイドン・ノリンコ ゴング(作品オリジナル) / セブロ J9(作品オリジナル) / セブロ ボブソンズ(作品オリジナル) / 他 |
『ブラック・ラグーン』
『ブラック・ラグーン』1~11巻 広江礼威 / 小学館
犯罪都市ロアナプラで繰り広げられる、ド派手な銃撃戦!
アドレナリン全開のガンアクションを読みたいのなら、やっぱり『ブラック・ラグーン』は外せない! あらゆる国と地域から裏社会の人間が集まる、タイの架空の街「ロアナプラ」を舞台に繰り広げられる、銃撃戦のパーティのような作品です。
一流企業「旭日重工」に勤める、ごくごく普通のサラリーマン岡島緑郎。彼は自社の重要機密を巡るトラブルに巻き込まれ、ロアナプラの運び屋「ラグーン商会」に人質として拘束されることになります。これに対し旭日重工は傭兵団を差し向け、ラグーン商会共々岡島を抹殺しようとしますが……。という岡島青年の華麗な転落から物語がスタートします。会社の利益のためなら社員ひとりの命など何とも思わん、というのは荒唐無稽でもないんですよねぇ、怖や怖や。この事件以降、岡島は本名を捨てて「ロック」と名乗り、ラグーン商会に身を寄せることになります。
曲者ぞろいの登場人物たちが魅力の『ブラック・ラグーン』。主人公ロックの新しい勤め先「ラグーン商会」の面子も濃厚です。二挺拳銃(トゥーハンド)の女ガンマン「レヴィ」。学生時代の火遊びが元でFBIとマフィアから追われることになったウィザード級ハッカーの「ベニー」。そして謎多きラグーン商会のボス、ロックの名付け親「ダッチ」。彼らはロアナプラを拠点とした運び屋で、あらゆる組織から仕事を引き受ける裏社会のプロフェッショナルです。
中でも本作のヒロイン、レヴィのキャラクターは非常に魅力的です。
盗んで殺して悪いことはなんでもやった
と本人が過去を語っており、平和の国ニッポンから来たロックとは度々、しかも激しく衝突することになります。
粗暴で、頭に血が上りやすく、金にうるさく、ベニーが言うところの、
地球で一番おっかない女の上位三人
の一人であることに異存もありません(笑)。
しかし、カラッとした性格で、明るくて、どう考えても根が真面目で、真っ直ぐで仲間想い。そして何より、ロアナプラでも一目置かれる凄腕ガンマンであり、ララ・クロフトを彷彿とさせるスタイルでクールなセリフとともに2挺拳銃をぶっ放す姿が最高にかっこいいのです。間違いなく本作のアイコンであり、ムードメーカーと言って良いでしょう。
さらに、ロシアン・マフィア「ホテル・モスクワ」の女幹部「バラライカ」、香港の黒社会「三合会(トライアド)」の幹部「張維新(チャン・ウァイサン)」、ベネズエラからやって来たメイド服姿の元凄腕テロリスト「ロベルタ」、暴力教会の「ヨランダ」や「エダ」、フリーランサー「シェンホア」、掃除屋「ソーヤー」などなど、上げ始めたらきりがない程、クセが強くて魅力的なキャラクターたちが続々と登場します!それぞれの得物もいかにも「らしい」ので、ぜひ調べながら読んでみてください。
| ソード・カトラス(ベレッタM92Fカスタム) / S&W M29 / スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル / AKS74U / デザート・イーグル / ウージー / RPG-7 / Wz 63 / M79 / AK47 / SPAS12 / グロック17 / インベルM911(M1911コピーモデル) / など |
『ワイルダネス』
『ワイルダネス』1~7巻 伊藤明弘 / 小学館
3人の日本人が、続々と現れる追っ手からメキシコの荒野を逃避行!
「銃撃戦漫画のマエストロ」と呼ばれる伊藤明弘先生。代表作の一つである『ワイルダネス』は2000年代に雑誌連載された作品です。しかし、作者の病気療養のため、2009年に連載が休止。単行本も7巻まででストップしていました。しかし、2021年の連載再開が公式に発表され、ファンを喜ばせることに。
アメリカの大学に留学中の芹間喬(せるま たかし)。ロサンゼルスで探偵稼業をしていた堀田俊生(ほりた としお)、高校の卒業旅行でアメリカ大陸に来たまま、居着いてしまった玉珧恵那(たいらぎ えな)の3人の日本人が、本作の主人公。それぞれに犯罪組織の陰謀に巻き込まれてしまった彼らが偶然出会ったことから、メキシコを舞台にしての3人一緒の逃避行が始まります。
本作のファーストシーンは、ロサンゼルスの銀行襲撃事件。芹間は犯人グループのメンバーとして現場にいました。彼の役割は、味方に援護されながら金庫のプログラムをハッキングし、パスワードを盗み出すこと。市警察やSWATを相手にした銃撃戦が繰り広げられる中、チームの中に油断ならない人間が混ざっていたり、銀行内に警察官が潜入していたりと、ハラハラドキドキの展開が続きます。
そんな鉄火場から芹間はなんとか生還しますが、クライアントである犯罪組織に目をつけられ、命を狙われることに。なんとか国境を越え、メキシコに渡った彼は、堀田や恵那と出会うことになるのです。
本作は、クールで迫力満点の銃撃戦のオンパレード。外国映画へのオマージュを感じさせるシーンも多く、ニヤリとさせられます。逃亡中の3人にプロの殺し屋や悪徳警察官、メキシコのギャングなどさまざまな人間の思惑が絡み合い、騙し合いの物語が描かれていくのも面白さの一つ。物語の構成が巧みで、スピーディに入れ替わっていく場面転換によって、ページをめくる手が止まりません。連載再開が決まった今、ぜひともオススメしたい作品です。
| ベレッタM92F / スプリングフィールド V10(M1911コピーの派生モデル) / H&K PSG1 / ブローニングM2 / H&K MP5 / シグザウエル P229 / レミントンM870(ブルドッグ) / S&W M59 / GE M134(ミニガン) / コルト コンバットコマンダー / イサカ M37 / S&W M29 / シグザウエル P230 / シグザウエル P232 / グロック17 / ベレッタM93R / オフィサーズ ACP 45 / イングラムM11 / マイクロウージー / ウィンチェスター M70 / M1カービン / S&W ショーティ.40 / H&K G3 / など |
『デストロ246』
完結『デストロ246』全7巻 高橋慶太郎 / 小学館
全員もれなく狂暴!裏社会に属する女子高生たちの最凶バトルロイヤル
女子高生たちの殺意に満ちた凶悪な表情がクセになる、ものすごい圧を持った作品。
高橋慶太郎先生といえば、「死の商人」こと「武器商人」のココと、武器を憎む少年兵ヨナを描いた『ヨルムンガンド』があまりに有名。『ヨルムンガンド』もガンアクション漫画として掛け値なしにオススメできる作品ですが、今回は、四季賞に入選した高橋先生のデビュー作『オーディナリー±』と地続きの作品であり、裏稼業の少女たちによるド迫力のバトルロイヤルが描かれる本作をピックアップします。
物語は血まみれで佇む2人のメイドからスタートします。いかにも剣呑(笑)。彼女たちは、妻子を毒殺された青年実業家、遠野が雇った「殺し屋殺し(アサシンキラー)」。しかも南米マフィアのボスの家をたった2人、所要時間わずか5分で制圧するほどの力の持ち主です。遠野が2人に与えたミッションは、
・妻子を殺した犯人を突き止めること
・「殺し屋」という存在を殲滅すること
こうして2人は藍(あい)と翠(すい)という名を与えられ、見境なく裏社会に喧嘩を売っていくことになります。この作品は圧倒的な力を持った2人の無双ぶりを堪能する作品なのかな、うんうん爽快だな。と思いきや……。
ここでまさかの的場伊万里(まとば いまり)が登場です。伊万里は『オーディナリー±』の主人公であり、「オウル(梟)」と呼ばれる凄腕の殺し屋ですが、足を洗って普通の女の子になりたいと願う少女です。そんな伊万里が藍&翠と殺し合い?いやいやチョット待って?と困惑しているうちに、ヤクザの組長、万両苺(まんりょう いちご)、その用心棒の市井蓮華(いちい れんか)&佐久良南天(さくら なんてん)コンビや、新手の殺し屋など、とんでもない面々が次から次へと登場し、殺しのエキスパートという最凶の女子高生たちが繰り広げるバトルロイヤルの様相を呈していきます。
まさかの展開の連続にアタマがクラクラ。絵もストーリーもキャラクターも刺激的!彼女たちが魅せる殺し合いの結末は!?最後までハラハラさせられっぱなしの傑作です。おすすめ。
| グロック 18C / H&K G36C / ベレッタ 92 (M9) / KAC PDW / TROY M7A1 (TROY社製アップグレードキット装着のコルト M4) / バレット M99 / シグザウエル P226 / 他 |
『CANDY & CIGARETTES』
『CANDY & CIGARETTES』1~8巻 井上智徳 / 講談社
小学生の殺し屋と元SPの老人のバディ・アクション
小学5年生の殺し屋と65歳の老人がバディとなって活躍するガンアクション漫画です。
警視庁を定年退職した平賀雷蔵(ひらが らいぞう)。難病をかかえた孫の治療費のために、実入りのいい仕事を探していたとき、行き当たったのが、独立行政法人SS機構という謎の機関の求人でした。柔道、剣道、拳銃操作法に秀でていることが採用の条件で、月収はなんと100万。怪しさがプンプン漂うSS機構は、実は世の中の悪に人知れず制裁を加える、政府直属の暗殺組織だったのです。
そんな雷蔵の相棒となったのが11歳の少女、涼風美晴(すずかぜ みはる)。小学生ながら、サイレンサー付きの銃やナイフを駆使し、ターゲットを情け容赦なく始末する殺し屋です。二人は、室長の絹目女史から指令を受け、法の網を逃れる悪を倒していきます。
影の仕事人のお話であり、SS機構の仮の姿は吉祥寺の商店街にある古本屋という設定が、どことなく時代劇を連想させる本作。雷蔵は黒のスーツの似合うシブい老人で、美晴は普段は子供らしく、仕事をするときは非情というコントラストが魅力。キャラクターのかっこよさにも特筆するものがあります。
プロの殺し屋とも互角に戦う美晴のガンアクションは、子供なのに迫力満点。愛用の銃は小ぶりの5口径のデトニクスというのがリアル。それをサポートする雷蔵との絆もグッと来るものがあります。もう一つの要素は「復讐」。美晴は両親を殺されており、それを命じた政財官を牛耳る巨大企業グループの会長、無双三郎(むそう さぶろう)が2人の最大の敵として立ちはだかります。
雷蔵も美晴も、それぞれに戦う理由を持ち、悪の側にもいろいろな事情をかかえた人間が登場。人間ドラマとしても重みがあり、読み応えがあります。さらに3巻以降は、イタリアやアメリカなど、2人の活躍の舞台がワールドワイドに。巨悪に立ち向かう少女と老人のコンビから目が離せません!
| デトニクス コンバットマスター / ベレッタ 92 (M9) / IMI ウージー / 他 |
『PEACE MAKER』
完結『PEACE MAKER』全17巻 皆川亮二 / 集英社
皆川亮二先生の繊細なタッチが冴える、西部劇テイストのガンアクション
『スプリガン』や『ARMS』で知られる皆川亮二先生が描く、現実に存在する物や文化がごちゃまぜに共存している架空の世界を舞台にしたガンアクション作品です。
主人公のホープ・エマーソンは、伝説の早撃ち名人を父に持つ青年。父親仕込の凄腕ながら「銃士」として生きることも、「曲撃ち」で生計を立てることも良しとせず、父親の形見である銃を生き別れた兄に渡すために旅をしています。ちなみに「銃士」とは決闘(デュエル)を生業にするガンマンのこと。早撃ち勝負の賭け試合で相手を倒し、賞金で生計を立てる人々です。
物語は、ホープが謎めいた少女ニコラと出会うところからスタート。大富豪フィリップ・クリムゾンの私設軍隊「クリムゾン・エクゼキューター(深紅の処刑人)」から狙われている少女ニコラ。ホープは、ニコラをめぐる「深紅の処刑人」のトラブルに巻き込まれ、追っ手をかわしながら、ニコラと共に兄を探す旅を続けますが……、というストーリー。
本作の特徴は、主人公をはじめ、登場人物たちの多くがシングルアクションのリボルバーを使用している点です。リボルバーは装弾数が少なく、リロードに手間もかかるため、連続して何十発も撃つような状況では扱いづらく、現代における戦闘のプロが使用するケースは稀なため、必然、漫画での登場回数が少ない銃種といえます。作中の世界にはマガジン装弾型の自動拳銃(所謂オート)も存在していますが、早撃ち(初弾をいかに素早く正確に叩き込むか)が命の銃士たちは敢えてリボルバーを使用している様です。
シングルアクションリボルバーならではの技もたくさん登場し、一瞬で複数の弾丸を一点に撃ち込む「スポット・バースト・ショット」、腕で腰に固定した銃を巧みにスライドさせ、3つの標的に瞬時に撃ち込む「ゲットオフスリーショット」などなど、古き時代のガンアクションが描かれていきます。痺れます。
ホープが父から受け継いだ銃は「コルト・シングルアクション・アーミー」という実在の銃。有名なマカロニ・ウェスタン『荒野の用心棒』でクリント・イーストウッドが使用したことでも有名で、民間用45口径のモデルネームから「ピースメーカー」とも呼ばれます。これが本作のタイトルとなり、ストーリー上で重要な意味を持つアイテムとなっています。
まるで西部劇のような早撃ちガンマン同士の対決は、もちろん見どころのひとつではありますが、本作の魅力はそれに留まりません。
複雑に絡まりあった伏線が徐々に形を成す壮大なストーリー、家族の愛憎、強大な力を手に入れて殺し合う人間の業といったテーマが描かれる奥深い作品であり、また、これはもう皆川亮二先生の真骨頂といった感じですが、主人公たちがどんなに強くなっても、それ以上の強キャラがバンバン出てくるわ、深紅の処刑人を始めとした特殊部隊や、伝説の傭兵たちによる激アツな戦闘シーンは『スプリガン』や『ARMS』に負けず劣らずだわという、たいへん上質なアクション漫画でもあります。
多くの人が良い意味で期待を裏切られる作品だと思います。ぜひ手にとっていただきたい、ガンアクションの傑作です。激推しです。
| コルト S.A.A / ウィンチェスター M1873 / S&W モデル3 / 他 |
最後に
銃漫画特集、いかがだったでしょうか? 銃という物が武器である以上、どうしても血が流れる作品が多くなります。しかし、それ故に人間の本質をえぐり出すような奥深い作品が多いのも事実。アタマをカラッポにして銃撃アクションを楽しむもよし、非日常的な暴力や死に思いを馳せるもよし、純粋に銃についての知識を深めるもよし。というわけで、銃の世界や、銃を描く作品に触れる一助になりましたならば幸いです。







