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釣り漫画9選!書店員おすすめの定番から話題作まで!

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釣り漫画9選!書店員おすすめの定番から話題作まで!

魚を相手にしたスポーツであり、食糧を得るための手段でもある「釣り」は、漫画でも古くから題材にされているジャンルです。今回は昭和の名作から現代の作品まで、9作の釣り漫画をピックアップ。どれも、初心者には少しばかり間口の狭い釣りの世界を、詳しく解説しつつ、楽しませてくれる作品ばかりです。これを読んで実際に釣りにチャレンジするのも、読むだけで釣りの雰囲気に浸るのも読者の自由。春が近づいてきた今、釣り漫画の豊かな世界を味わってみてください!

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『放課後ていぼう日誌』

『放課後ていぼう日誌』1巻

『放課後ていぼう日誌』 1~7巻 小坂泰之 / 秋田書店

初級者向け:★★★★★
上級者向け:★★★★☆
お役立ち度:★★★★★
面白さ!!:★★★★★

女子高生たちののんびり堤防ライフ!

東京から父の地元である熊元県(現実では熊本県)に転居し、高校生活を送ることになった鶴木陽渚(つるぎひな)は、ふらりと出た散歩で、これから入学する海野高校の先輩、黒岩悠希(くろいわゆうき)と出会います。堤防で釣りをしていた黒岩に仕掛けを借りて、自分もチャレンジしてみた陽渚。掛かったのはなんとタコで、都会生活で生き物に慣れていない陽渚はびっくり。それを見た黒岩は、入部届に名前を書けば、陽渚の脚元にいるタコを取ってあげると言うのでした。

そんな出会いから、ていぼう部に入部することになった陽渚。そこには、小学生の頃、一緒に遊んだ同級生の帆高夏海(ほだかなつみ)の姿もありました。ていぼう部は2年生の大野真(おおのまこと)も加えた総勢4人。学校近くの堤防にある小屋を部室に、釣りをして、釣った魚を料理して食べる部活です。生き物が苦手な陽渚の、釣りライフはそうして始まっていきます。

釣りだけでなく、いかに魚をさばいて料理するかまでを描く本作。釣る魚ごとの仕掛けや料理法が毎回紹介され、釣りの専門誌『つり人』に取り上げられるくらい、実用的な内容になっています。それとともに、自然の中で過ごす女の子たちの日常がほのぼのと描かれ、かわいらしさも満点。虫をつぶした釣り餌を作ったり、タコを豪快にさばいたりしていても、かわいいというのが、本作のポイントです。

巻が進むと、夏休みを利用して、伍島列島(現実では五島列島。長崎県の離島です)に釣りの旅に出かけたりと、行動範囲が広がるエピソードも。実用的な情報は初~中級者向けですが、釣りのすばらしさをとことん味わいつくす作品として、上級者にもおすすめしたい作品です。

2020年4月にTVアニメ化され、7巻の巻末には、作者の友達の漫画家さんによる「TVアニメアフレコレポート」と「TVアニメ主題歌れぽーと。」が収録されています。こちらを見るとアニメがぐっと楽しくなる素敵なレポ漫画となっています。

『放課後ていぼう日誌』を試し読みする

より詳しく『放課後ていぼう日誌』の魅力を解説した記事はこちら!

『スローループ』

『スローループ』1巻

『スローループ』 1~4巻 うちのまいこ / 芳文社

初級者向け:★★★☆☆
上級者向け:★★★★☆
お役立ち度:★★★★☆
面白さ!!:★★★★★

釣りを通してつながる、新しい家族

ひよりと小春(こはる)。同じく高校1年生の女の子ふたりが、親の再婚により姉妹になり、同じ家での生活を始めます。ふたりは隣り合った部屋で暮らしながら、釣りを通して絆を結んでいくことに。釣りと家族模様という二つの軸を持つのが本作です。

釣りに詳しいのは、もともとその土地に暮らしていたひより。海に面した町で、死んでしまった父と一緒に、子どもの頃から釣りに親しんでいました。ひよりの釣りは、毛ばりを使ったフライフィッシング。堤防で釣りをしていた彼女は、3月の海で泳ごうとするくらい、海のことを知らない小春と出会います。意気投合したふたりは、親が再婚する同士であることを知り、びっくり。すっかり仲良くなって、同じ家に帰っていくのでした。

釣り漫画としての本作は、フライフィッシングが詳しく描かれていることが特徴。ルアーとは違って軽いので、逆に釣り糸自体に重みがあり、投げ方も特別。釣りの中でもマイナーなジャンルについて、詳しくなれます。フライフィッシングは英国発祥ということで、用語も英語が多くオシャレ。そして、虫などの生き餌とも無縁で、虫嫌いのひよりにとっては、この上もないジャンルなのでした。

一方の小春は料理が得意。魚もきれいにさばくことができ、ふたりは釣りにおいても息がぴったり。釣った魚を料理して家族に振る舞うことで、新たな父や母とも仲良くなっていきます。

ひよりの友達で、釣り具屋の娘である吉永恋(よしながこい)、釣り船屋の娘で小学生の福元二葉(ふくもとふたば)と、その姉で成人している一花(いちか)といった世代を越えた釣り仲間もでき、ひよりと小春の周りはどんどんにぎやかに。ふたりはフライフィッシングだけでなく、生き餌を使った釣りにも挑戦していきます。それぞれの家族の問題にも触れつつ、女の子たちの楽しい釣りライフを描いた作品。TVアニメ化も決定し、これからさらに盛り上がりそうな釣り漫画です。

他の釣りと比較すると、フライフィッシングは敷居がやや高いために初心者向けの星は3つです。しかし、以前からフライフィッシングに興味があった私にとっては、むしろ敷居を下げてくれる作品でした!そんなフライフィッシングの懐の深さを教えてくれる素敵な作品です。

『スローループ』を試し読みする

『おひ釣りさま』

『おひ釣りさま』1巻

『おひ釣りさま』 1~6巻 とうじたつや / 秋田書店

初級者向け:★★★☆☆
上級者向け:★★★★★
お役立ち度:★★★★☆
面白さ!!:★★★★★

クールな美人OLが、おひとり様の釣りを堪能

上条星羅(かみじょうせいら)は、容姿と仕事ぶり、あまり感情を表に出さない性格から、会社内では有能なクールビューティーとして憧れの眼差しを向けられる24歳OL。しかし実際は、常に釣りのことばかり考えている少し風変わりで朴訥な人柄の釣り大好き女子なのでした。彼女が一人自由に釣りライフを満喫する姿を描いた作品が本作『おひ釣りさま』です。「おひとり様」に「釣り」を足した、この作品の造語でもあります。

母を除いて全員釣りバカという家庭で育ち、幼い頃から釣りに親しんできた星羅は、行きつけの釣具店でレコードホルダーとして登録されている実力者。ひとりで釣りに行くことを好むため、星羅の釣りシーンはほぼ、頭の中で繰り広げられるモノローグで構成されています。そんな彼女のモノローグが本作の見どころのひとつで、釣りへの愛情や豆知識がたくさん詰め込まれたものから、ヒートアップして暴走し、魚と踊りだしたりするギャグテイストなものまで様々。

フィールドもターゲットも選り好みしない星羅は、釣り堀でサラリーマンやカップルに交じって釣りを楽しむこともあれば、他に釣り人がいない田んぼの水路にルアーを落とし、敢えて外道とされやすいナマズを狙うこともあります。柔軟な発想と切り替えの速さで釣りを満喫する姿はいかにも上級者。彼女にかかれば金魚釣りすらとっても魅力的。星羅が次に出かけるのはどんな場所なのか?楽しみで仕方ありません。

様々なフィールドに赴き、ひとり全身全霊で釣りを楽しみ、クセのあるモノローグをブチかますその姿は某人気グルメ漫画の主人公を彷彿とさせます(笑)。基本一話完結形式で釣りまくるので、釣り成分を多めに補給したい中~上級者の方にも、丁寧な解説は初心者の方にも、と幅広い釣り愛好家におすすめしたい作品です。

『おひ釣りさま』を試し読みする

『釣りキチ三平』

『釣りキチ三平』1巻

完結『釣りキチ三平』 全65巻 矢口高雄 / 講談社

初級者向け:★★★★★
上級者向け:★★★★☆
お役立ち度:★★★★★
面白さ!!:★★★★★

あらゆる釣りが描かれる、釣り漫画の金字塔

釣り漫画といえば、やはり本作。1973年から1983年まで週刊少年マガジンに連載されつつ、同時期に読み切り短編が月刊少年マガジンにも載るという、超がつく人気作でした。連載終了から40年近く経ちますが、面白さは今も変わりません。この記事を書くのにかなり久々に読みましたが、引きこまれてしまいました。

主人公は三平三平(みひらさんぺい)という男の子。釣り竿作りの名人を祖父に持つ、釣りの天才少年です。物語は、三平がさまざまな釣り場を巡って、いろいろな魚と格闘するというもの。最初は三平の住む東北地方が主な舞台ですが、やがて北海道の釧路湿原で幻の魚イトウを相手に勝負を繰り広げたり、九州の有明海の干潟でガタスキーと呼ばれる板に乗って、ムツゴロウ釣りに挑戦したりと、全国規模に。それだけでなく、カナダやハワイにまで出かけて、サーモンやカジキといった大物を釣ったりもします。

三平がそれだけアクティブに各地を巡れるのは、鮎川魚紳という兄のような存在がいたから。風来坊釣り師の魚紳は、三平を全国各地の釣り場にいざない、ともに釣りを楽しみます。

また、各地の伝説と言われる魚に挑戦するのも、本作のもう一つの特徴。たとえば、山形県のO池に潜む滝太郎。何千人もの釣り師がアタックしながら、誰も釣り上げていない滝太郎とは、どんな魚なのか。果たして三平は釣り上げることができるのか。ルアーキャスティングの女性チャンピオンも登場して、滝太郎を巡る釣り師たちの戦いが始まります。

最終章は64巻と65巻の2巻に渡る「釣りキチ同盟」。今まで三平と釣り勝負を繰り広げてきたライバルたちが総登場する中、全国の釣り好き百万人が、三平のもとに一堂に会するというド派手な展開で、10年を越える連載に幕を引きます。釣り好きに時代を越えて愛される作品を、ぜひこの機会に手にしてみてください。

『釣りキチ三平』を試し読みする

『Mr.釣りどれん』

『Mr.釣りどれん』1巻

完結『Mr.釣りどれん』 全17巻 とだ勝之 / 講談社

初級者向け:★★★★★
上級者向け:★★★☆☆
お役立ち度:★★★☆☆
面白さ!!:★★★★★

高校生たちのバス釣りライフが楽しすぎる!

月刊少年マガジンに1996年から2002年にかけて連載された釣り漫画。バス釣りにハマる高校生たちを、明るく軽いタッチで描き、読みやすい作品になっています。タイトルは、当時から人気だったバンド、Mr.Children(ミスター・チルドレン)のもじり。極度な釣り好きを、本作では「釣りどれん」と呼び表します。

主人公は高校1年生の日和湖一(ひわこういち/コーイチ)。転校した先の高校でもバスケ部に入ろうと思っていた彼は、同い年の本栖釣太(もとすちょうた/ちょー太)と出会うことによって、バスゲット釣好会(バスをゲットする会)に入会。バス釣りの魅力に目覚めていくことに。

初心者のコーイチと熟練のちょー太がいいバランスで配置されていて、バス釣りの初心者にも優しい内容になっているのが特徴。そこに活発なヒロイン、北浦かすみが加わり、楽しいバス釣りライフが描かれていきます。さらに、人気アイドルグループMAPSのサメタク(早女浦拓也)や、雷魚専門の釣り師、魚雷ミサ、美少女アイドルのヒロスレ涼美(りょうび)といった有名人や漫画のキャラクターのバロディ的な登場人物が現れ、物語を賑やかしていきます。魚雷ミサは今となっては分かりにくいですが、90年代に映画化されたホラー漫画の名作『エコエコアザラク』の主人公、黒井ミサが元ネタです。

コメディ要素が強い作品ですが、釣り描写はガチ。作中に登場する、釣り具屋の店長にして、バス釣りの皇帝(カイザー)と呼ばれる貝沢潮は、現実に茨城県で釣り具屋を営みながら、様々な広報活躍をし、バス釣りの王様と呼ばれる村田基(むらたはじめ)氏がモデル。バス釣りに関する専門的な情報が、初心者にも分かりやすく、正確に描かれています。硬軟取り合わせた釣り漫画として、今でも大いに楽しめる作品です。

『Mr.釣りどれん』を試し読みする

『MISS CAST』

『MISS CAST』1巻

完結『MISS CAST』 全6巻 飯山カズオ / ビーグリー

初級者向け:★★★☆☆
上級者向け:★★★☆☆
お役立ち度:★★★★☆
面白さ!!:★★★★★

人気崖っぷちのタレントが、釣りに活路を見出す!?

仕事がなく、芸能事務所をクビになる寸前だった女性タレントの水川真琴(みずかわまこと)、26歳。事務所の不良債権処理係と噂されるマネージャーが取ってきたのは、CSの釣り番組の仕事でした。釣りなんてまったく興味がない彼女でしたが、生き残りのために仕事を受けて……。

芸能界に生きる気が強い女の子が、仕事のために仕方なく釣りをするところから始まり、どんどん釣りの面白さにハマっていくというストーリー。最初は、池や川に作られた人工の管理釣り場でルアー釣りをするという展開で、それも面白いのですが、釣りに慣れてきた2巻以降、活動範囲がぐんと広がって川や海で自然の魚を相手にするようになると、面白さがグンを上がります。

その鍵を握るのが、新しい釣り番組のプロデューサー、権田。フィッシングマエストロを自称する権田の計略によって、真琴は毎回、未経験の釣り場に放り込まれることになるのです。海岸でシーバスのルアー釣りをしたかと思えば、岩場でメバルやカサゴといった根魚釣りに挑戦。3巻に入ると、船舶免許を取得し、自ら船を操縦しての海釣りに出かけたり、川では獰猛な雷魚釣りに挑んだりと、どの釣り場も初体験にして結果を残していくのです。

そこまで釣りにハマっておきながら、釣り以外の仕事がしたいと言い続けるのが、真琴のあまのじゃくな面白さ。芸能人らしい気の強さも相まって、他の釣り漫画にはないタイプの主人公になっているのがポイント。ライバルとなる釣りタレントも登場し、釣り漫画として充実しながら、芸能界の人間模様も楽しめるという欲張りな作品になっています。

『MISS CAST』を試し読みする

『釣り人生活』

『釣り人生活』1巻

完結『釣り人生活』 全2巻 さとう輝 / 日本文芸社

初級者向け:★★☆☆☆
上級者向け:★★★★★
お役立ち度:★★☆☆☆
面白さ!!:★★★★★

締め切りの後は寝ないで釣り場へ。ベテラン漫画家の濃密な釣りライフ

『江戸前の旬』などのヒット作を持つベテラン漫画家・さとう輝先生が、自らの釣りライフを赤裸々に描いたドキュメンタリー漫画。夜中の2時に原稿を上げ、担当編集者とそのまま千葉の海岸へ朝釣りにいくような、常人離れした毎日が描かれていきます。

釣りの描写も、もちろん本格的。千葉の勝山では、クロダイのかかり釣りに挑戦します。筏や小船(カセ)から短竿でクロダイを狙う釣りで、関西ではポピュラーですが、関東では千葉や神奈川の数カ所にしか釣り場がないという釣り方。カワハギや小サバといった小さな魚と格闘した後、いよいよ本命のクロダイが掛かります。しかし、釣り上げたはいいけれど、大きさに不満が。ここで再び挑戦し、今度は大物に当たりが!……とは行かないのが、この作品のリアルなところ。船を下りた後は堤防でアオリイカ狙いに変えますが、こちらでも、たいした釣果がなく帰宅。家族に「相変わらずのへっぽこやね~~!!」と笑われます。

こんな風に力を抜いて読める作品でありつつ、釣りの仕掛けや関東近辺の釣り場についての情報がめちゃくちゃ濃いのが特徴。作者と同じ関東住まいの釣り好きには、実用的すぎる作品です。

もう一つは、一緒に釣りに行くメンツの面白さ。担当編集やアシスタントといった身近な人だけでなく、釣り仲間として、『キャプテン翼』の高橋陽一先生といった著名人も登場。また、釣った後の魚の調理の描写も多く、どれも美味しそう。活動範囲が広く、釣りも料理も本格派なので、上級者向けの釣り漫画といっていいでしょう。

1巻の中盤では、作者の生まれ故郷である北海道・松前町に釣りの遠征に。地元の人たちと交流しながら、漁港や海岸で連日、釣りに親しみます。漫画家として忙しい生活を送りつつ、充実の釣りライフ。読んでいてうらやましくなる漫画です。

『釣り人生活』を試し読みする

『おかずがなければ魚を釣ればいいじゃない』

『おかずがなければ魚を釣ればいいじゃない』1巻

『おかずがなければ魚を釣ればいいじゃない』 1巻 森越ハム / イースト・プレス

初級者向け:★★★★☆
上級者向け:★★★★☆
お役立ち度:★★★★★
面白さ!!:★★★★★

初心者向けの釣り方から釣り場でのトイレ事情まで、等身大の情報がいっぱい!

漫画家・イラストレーターとして活躍する作者の釣りライフを描いたコミックエッセイ。先ほどの『釣り人生活』よりも釣り人としては初心者に近く、かわいいタッチとともに親しみの持てる作品です。

主な登場人物は作者とサラリーマンで釣り好きの夫。最初は釣りに全く興味がなかった作者。夫も超初心者で、食べられる魚であるソウダガツオとゴマサバを釣り上げるまで半年かかります。やっと釣れた2匹も、釣った時点で締めてなかったため、臭みが強くて食べられないありさま。そんな失敗を繰り返しつつ、魚や釣りの知識が増えていって、夫婦の釣りライフは充実していきます。

2話では、作者の友人Cこと、漫画家の伊藤静さんが登場。前から釣りに興味があったという伊藤さんの釣りデビューのため、作者が用意したのはサビキ釣りの道具一式です。サビキ釣りとは、サビキ針という餌に似せた疑似針と寄せ餌を使って、イワシ、アジ、サバといった青魚を狙うスタンダードな釣り方。伊藤さんはイワシを、作者は少し仕掛けを改良して、より大きなゴマサバをゲット。釣っただけで終わりではなく、最後はイワシを使った料理のレシピを紹介して締めているのも実用的です。料理も凝ったものではなく、タイ風や梅風味、ごま風味のつけダレで味わう刺身や、白マヨ和え、つみぞれ汁といった家庭的なもの。

アカエイやハオコゼ、アイゴといった毒を持った魚の対処法を紹介する回や、マイベストオブ触り心地のいい魚カワハギの素晴らしさを語る回、そして釣り場での女性のトイレ事情に焦点を当てた回など、バラエティ豊かな内容。作者の等身大の釣りライフを味わえる、かわいい作品です。

『おかずがなければ魚を釣ればいいじゃない』を試し読みする

『海も川もないので女子高で釣りしてみた』

『海も川もないので女子高で釣りしてみた』1巻

『海も川もないので女子高で釣りしてみた』 1巻 下神木るこ / スクウェア・エニックス

初級者向け:★★☆☆☆
上級者向け:★★★★☆
お役立ち度:★★★☆☆
面白さ!!:★★★★★

魚が一匹も出てこない釣り漫画。女子高はかっこうの釣り場!?

近くに川も海もなく、釣りができない環境にある女子高。そこには部員1人、顧問の教師1人の釣り部がありました。ある放課後、顧問の安岡先生は、ハタと気づきます。校門、校庭の木陰、階段の踊り場、それらはすべて魚の集まる場所に似ている。「海も川もないなら女子高で釣れば良いのだ!」とばかりに、安岡先生は学校で生徒を魚に見立てた釣りを始めます。

この作品に魚は1匹も出てきません。安岡先生と生徒の荒井ちまのコンビが学校で女子生徒をつり上げる、という不条理ギャグなのですが、釣りの用語やマナーなどの解説はガチというのが本作の特徴。女子高内でのドタバタを描きながら、釣り経験者や釣り漫画を読み込んでいる人には、かなり笑えるネタが仕込まれているというのがポイントです。

たとえば花柄のワンピースを餌に、不良生徒の大口先輩を釣り上げる場面。落ち葉やゴミが溜まっていて、いかにも魚(女子高生)が隠れていそうな体育館裏に釣り糸を落とした安岡先生。花柄のワンピースを餌に、大口がしっかり餌に食いついてから(ワンピースに着替えてみてから)、針を合わせます。しかし、掛かったと思った瞬間、糸が切れて、大口に逃げられてしまうことに。理由は、ちまが針を固結びしていたこと。しっかりクリンチノットで結ばないと、釣り針はほどけてしまうのです。

こんなふうに、校内で釣りを続ける安岡先生。ちまは、自らルアーとなって先生の釣りを助け、他校のフィッシング部との釣り勝負が始まっていくのでした。

校内で釣り竿を振り回して何をやっているのかと呆れるのと同時に、なぜか読んでいくうちに釣りに詳しくなった気になれる。この不思議な世界を、ぜひ味わってみてください。

『海も川もないので女子高で釣りしてみた』を試し読みする

最後に

釣りは道具にお金がかかりますし、川や海に出かける手間も必要な、なかなかにハードルが高い趣味です。でも、漫画だったら家にいながらに釣り人気分に。あなたも、お気に入りの作品を見つけて、登場人物と一緒に思う存分、釣りを楽しんでください!

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