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『青のフラッグ』とは? 恋と友情に揺れる新感覚の三角関係青春ドラマ【ネタバレ注意】

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登場人物たちの心理描写が見事、と漫画ファンからの評判が高い『青のフラッグ』。高校生の恋愛と友情を描いたストーリーであり、人を好きになるとはどういうことか? 男女の間には友情は存在するのか? といった普遍的なテーマに、今までにないほど斬り込んでいる作品です。
特徴として挙げられるのは、それぞれのキャラクターの内面を深いところまでしっかりと言語化していること。キャラクター同士のぶつかり合いも多く、誰もが本音で生きようとしているところに共感できます。
序盤は1巻のラストで読者に明かされる、ある秘密が物語の大きなカギを握ります。今回はその「秘密」のネタバレありで、『青のフラッグ』の魅力を紹介します!

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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます。

目次

『青のフラッグ』作品紹介

『青のフラッグ』書影

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『青のフラッグ』あらすじ

高校3年生に進級し、幼なじみの三田桃真(トーマ)と同じクラスになった一ノ瀬太一。しかし、地味な存在の太一は、イケメンで人当たりがよく、学校中の人気者であるトーマとの間に距離を作ってしまい、子供時代と同じように無邪気に接してくるトーマと、どう接していいのかわかりませんでした。
そんなとき太一は、同じクラスの空勢二葉から、相談を受けます。その内容は、どうやったらトーマと仲良くなれるかというもの。引っ込み思案の自分を変えたいという二葉の気持ちに共感し、太一は二葉の恋を応援しようとします。
週末にトーマを映画に誘って、街で偶然を装って二葉と鉢合わせし、2人の親密度を上げようと画策した太一。しかし、二葉は不安のあまり、親友の伊達真澄を連れてきてしまうのでした。
トーマと二葉を二人きりにするため、真澄を連れて飲み物を買いに行った太一。憧れのトーマとのツーショットにドキドキする二葉でしたが、太一と二葉の仲を勘違いしたトーマから、「空勢ちゃんてタイちゃん(太一)のこと好きだったりしねぇ?」と尋ねられ、戸惑うことに。一方、太一は真澄に、「二葉 振り回して 何考えてるわけ?」と、唐突に怒りをぶつけられます。
親友か恋人か──。それぞれの想いが絡み合う、青春ストーリーが始まっていきます。

『青のフラッグ』登場人物

一ノ瀬太一(いちのせ・たいち)

『青のフラッグ』登場人物・一ノ瀬太一

本作の主人公で高校3先生。ぼさぼさの黒髪がトレードマークの、小柄な少年です。トーマとは小中高と同じ学校に。高校では初めて同じクラスになりました。どちらかというと地味な存在で、週末は友達の家でゲームをするようなインドア派。二葉とは、高校1年からずっと同じクラスでしたが話したことはなく、どんくさくて常に俯いている彼女にふがいない自分自身を重ねて、軽いいらだちすら感じていました。物語の中で、彼女への気持ちが変わっていく太一の姿は見どころのひとつです。

空勢二葉(くぜ・ふたば)

『青のフラッグ』登場人物・空勢二葉

本作のヒロイン。書店で恋の指南書を物色していたときに太一と鉢合わせし、トーマと仲のいい太一に恋の相談を持ちかけるようになります。人気者のトーマにあえてアタックしようと決意した裏には、引っ込み思案の自分を変えたいという気持ちもありました。思い立ったら大胆な行動に出られる一面を持っていて、髪を思い切ってショートにすれば、トーマに気づかれるかも、という太一の何気ないひと言を真に受けて、フワフワのロングヘアをばっさり切ってしまいます。

三田桃真(みた・とうま)

『青のフラッグ』登場人物・三田桃真

太一の小学生時代からの幼なじみ。189センチの長身で筋肉質。野球部に所属し、人当たりがよくユーモアがあって、女子からの人気を集める「リア充中のリア充」です。しかし、なぜか彼女を作ろうとせず、マミからの告白も断り続けていました。また、小学校6年生のときに交通事故で両親を亡くし、兄夫婦と同居中という家庭の事情があります。太一のことを、小学生時代と同じように「タイちゃん」と呼びます。

伊達真澄(いたち・ますみ)

『青のフラッグ』登場人物・伊達真澄

二葉の親友で、陸上部所属。太一たちとは別のクラスです。太一が画策した映画デートに、二葉に付き添ってきたことで、太一やトーマとも深く関わるようになっていきます。かなりの才媛で、話し方はクレバー。将来の目標は獣医で、北海道大学を第一志望にしています。二葉によると、男性にもモテて簡単に彼氏ができますが、いつもすぐに別れてしまうとのこと。

八木原舞美(やぎはら・まみ/マミ)

『青のフラッグ』登場人物・八木原舞美

真澄と同じクラスの女の子。派手な女子グループに所属し、トーマに好意を持ち、太一たちのクラスにもよく顔を見せます。美人で男子に対してどんどん距離を詰めていくことから、同性にはあまり評判がよくありません。最初はトーマにまとわりつくギャルといった印象でしたが、2学期になって髪型を変えて以降、彼女の本心が描かれていくことに。物語のキーパーソンの一人になっていきます。

余根木雄斗(よねき・ゆうと/ヨーキー)
村雨文寺(むらさめ・もんじ/モンちゃん)
奥田了平(おくだ・りょうへい/オメガ)

『青のフラッグ』登場人物・ヨーキー、モンちゃん、オメガ
太一の友人3人組。週末は誰かの家に集まってゲームをするという、地味なインドア派男子たちです。キノコ頭のヨーキーは秀才で、ときに太一に対して、熱く鋭いひと言を繰り出すことも。

三田誠也(みた・せいや)

『青のフラッグ』登場人物・三田誠也

トーマの兄。両親を交通事故で亡くしたことで、トーマの親代わりに。大学時代に目指していた弁護士の道を諦め、サラリーマンとして働いています。小学校時代の太一を知っていて、太一にとっても、いい兄貴分です。

三田明希子(みた・あきこ/アキコ)

『青のフラッグ』登場人物・アキコ

誠也の妻で、トーマの義理の姉です。もとは小学生時代のトーマの家庭教師でしたが、両親の死によって家事が回らなくなってしまった三田家を心配して何度も通っていたことで、誠也との結婚にいたります。明るい性格でナイスバディの持ち主。太一は、中学時代にトーマが自分に打ち明けた「好きな人」は、実はアキコのことだと思っています。

増尾健助(ますお・けんすけ/ケンスケ)

『青のフラッグ』登場人物・ケンスケ

トーマやマミと仲のいいグループの一人。坊主頭でやんちゃな性格。マミのことが大好きで、他の彼女ができても、やっぱり自分にはマミしかないと、すぐに別れてしまいます。

仁井村津吾(にいむら・しんご/シンゴ)

『青のフラッグ』登場人物・シンゴ

トーマやマミと仲のいいグループの一人。マミとは中学時代からの仲で、彼女を「親友」と呼びます。飄々とした性格で、熱くなり過ぎたケンスケを抑える役目を果たすことも。

蓮田祥子(はすだ・しょうこ/祥子)
望月彩香(もちづき・さやか/サヤ)

『青のフラッグ』登場人物・祥子とサヤ
トーマやマミと仲のいいグループの女子。右がサヤで、左が祥子です。

最初の衝撃! 1巻のラストとは?

『青のフラッグ』1巻ラスト、トーマの気持ちが真澄にバレるシーン
『青のフラッグ』1巻ラスト、真澄が自分の気持ちをトーマにほのめかすシーン

二葉がトーマを好きになったことで、太一とトーマ、二葉と真澄という親友同士の2組が出会い始まっていく『青のフラッグ』の物語。二葉のトーマへの恋のアタックと、それを応援しつつ、自分も二葉のことを意識し始める太一という三角関係が、1巻では描かれていきます。しかしラストでトーマと真澄の本当の気持ちが明らかになり、物語はひっくり返ることに。
トーマと真澄はそれぞれ、同性である親友(太一&二葉)への「好き」という想いを、ずっと心に隠し持っていたのでした。

『青のフラッグ』ここがエモい!

①太一と二葉の、勇気を出して想いを伝える瞬間がエモい!

ストーリーの大きな軸の一つが、太一と二葉の関係性です。ともにおとなしいタイプで、自分の感情をうまく表に出せない二人だからこそ、勇気を出して行動に出る瞬間にグッと来る。そんな太一と二葉の心の動きをまとめます。

二葉「変わるって…決めたから…」

『青のフラッグ』変わるって決めた二葉

ストーリーを最初に動かすのは、二葉のトーマへの想いです。無理めな相手だと最初からわかっていて、さらに太一から聞かされたトーマの好みの女性像が自分と正反対なことにショックを受ける二葉。それでも、この想いを諦めたくないのは、自分を変えたいから。

太一「玉砕を期待してたんだ」

『青のフラッグ』二葉の玉砕を期待してしまう太一

二葉の想いがトーマに伝わるように、あの手この手を考えてバックアップしていた太一。しかし、二葉と一緒にいる時間が増えるにつれて、自分自身の中に二葉への恋心が生まれていきます。そして、それは二葉の玉砕を期待するという黒い感情に育っていったのでした。それに気づいたとき、太一は「最低じゃねーか」と自己嫌悪に陥るのでした。

太一「副団長を務めます 一ノ瀬太一と──」

『青のフラッグ』応援団で二葉のフォローをする太一

クラス対抗の春の体育祭。トーマから指名されたことで、応援団の副団長を務めることになった太一と二葉。本番で声が出なくなってしまった二葉を、太一が声を張り上げてフォローするシーンです。こうやって自分をいつも後押ししてくれる太一の存在が、二葉の中でどんどん大きくなっていきます。

応援合戦が終わった後、失敗したと泣き崩れる二葉を

「二葉の応援はトーマに届いたよ」
「だから失敗じゃねえって…」

と励ます太一もかっこいい!

二葉「大事な人がたくさんいたら…いけないの?」

『青のフラッグ』太一がだんだん大切になる二葉

夏になると野球部の公式戦がスタート。強豪を相手に奇跡的に勝ち上がっていく中、太一のある行動がきっかけとなり、トーマが足を骨折してしまいます。自己嫌悪に陥る自分を慰めてくれた二葉に、「オレなんかより大事なトーマのそばにいてやれよ」と言う太一。しかし、二葉は太一の手を握り、ずっとそばにい続けたのでした。ここは二葉が勇気を出したシーンです。

二葉「私ね…トーマくんになりたかった です」

『青のフラッグ』トーマに自分の気持ちを伝える二葉

病室にいるトーマを置いて、太一を追いかけたことによって、二葉は自分の本当の気持ちに気づいていくことに。では、自分にとってのトーマとは何だったのか? 二葉が出した答えが、トーマは自分にとっての理想の人間像であり、だけど自分は自分にしかなれないということでした。本作の中で成長の伸びしろが一番大きいのが二葉。そんな彼女が本当に一緒にいたいと思った相手は……。

②トーマと真澄の、言葉にできない想いがエモい!

トーマと真澄の想いは、太一と二葉とは違って、簡単には表には出せません。同性に向けた恋愛感情を周囲がどういうふうに受け止めるか、二人はわかりたくなくてもわかってしまうからです。この二人の心理描写の繊細さも本作の大きな、そしてすばらしい特長です。

真澄「私が二葉を好きって言ったら あんた…どうする?」

『青のフラッグ』太一に二葉への思いをほのめかす真澄

真澄が、太一に自分の恋愛観を語るシーン。

「別れたの 彼氏と」
「異性に恋するってどういう感じ?」
「男女の友情は成り立つ?」
「じゃあさ 同性同士の恋愛は?」

と、話題はどんどん深くなっていき、最後にふと出たのが、この言葉でした。太一がそれを深く考える間もなく、あるハプニングが起き、会話はそのままになってしまいます。

トーマ「お前より大事なものなんてあるか」

『青のフラッグ』太一への思いを叫んでしまうトーマ

太一を交通事故から助けたことで骨折してしまったトーマ。自分のことなんて放っておいてくれればよかったと悔やむ太一に向かって、つい大きな声で本音が出てしまいます。熱すぎるひと言にびっくりする太一。我にかえったトーマは

「親友…だろ?」

と、ごまかすように笑うのでした。

トーマ「手繋いでてくんね?」

『青のフラッグ』手をつないでほしいトーマ

自分が出場する試合のTV中継を太一と二人だけで見届けたい。二葉を介して、トーマは太一にそう伝えます。そして、試合は大差をつけられたまま9回裏へ。二人は手を繋いで、チームの敗戦を見届けるのでした。
太一がトーマの手を繋いで、彼の心を救ったのは小学生時代にもあったこと。

「昔もさ 繋いでてくれたよな」

と、トーマはそのときの気持ちを思いだします。

トーマ「自由に生きたい」

『青のフラッグ』自由に生きたいトーマ

高校を卒業したら、進学せず家を出たいというトーマ。太一は、義姉のアキコへの想いがそうさせているのかと考え、「お前の好きな人ってアキさん?」と単刀直入に尋ねます。トーマがそれを否定すると、「オレてっきりさぁ〜ずっとさぁ〜」と安堵する太一。その姿を見つめるトーマの顔が少しずつ無表情になっていき、想いを口にできない悲しみが表現されます。その後に、フッと出てきたのがこのセリフ。トーマの気持ちを考えると、ものすごく切ないシーンです。

真澄「あの子が笑っている時に隣で笑っていたかった」

『青のフラッグ』二葉への思いを語る真澄

夏の終わりに、太一、トーマ、二葉、真澄の4人で出かけた花火大会は、一つのクライマックス。二葉が勇気を出して太一に本心を打ち明けるシーンに被って、真澄とトーマの切ないやり取りが描かれます。

「私がなりたい自分は どうしてこんなに人の目を恐れなければいけないの?」

という真澄。それはトーマだけが共感できる言葉なのでした。

③男女の友情は成り立つのか。マミの生き方がエモい!

春の体育祭、初夏の高校野球、夏の終わりの花火大会と続いていくストーリーは、5巻に入ると2学期に。ここで一つの大きな転機が訪れます。それに関わるのがマミ。彼女によって、第3のテーマが浮き上がってきます。

マミ「アタシ アンタとただ友達になりたいだけなんだけど」

『青のフラッグ』太一と友達になりたいマミ

髪型を変え、突然、太一に親しげに接するようになったマミ。二葉の視線を気にする太一に、彼女が言ったのが、このひと言。ここからマミの心情が描かれていくことになります。

マミ「男と女が一緒にいたら何が何でも恋愛になっちゃうの?」

『青のフラッグ』疑問を呈するマミ

マミが太一に近づいたのは、太一とトーマの友達関係を「いいな」と思ったからでした。

「せめてトーマの親友の一人になりたいのよ」

というマミ。しかし、マミのことが大好きなケンスケを始め、周囲の男子は彼女を「友達」とは認識してくれません。そんな中、唯一、マミを「親友」と呼ぶのがシンゴ。中学時代からの縁で、シンゴはマミの気持ちを理解しているのでした。マミ、ケンスケ、シンゴの関係性も本作のポイントになっていきます。

マミ「トーマはアタシと友達でいるの 気持ち悪い?」

『青のフラッグ』トーマに迫るマミ

文化祭。マミはトーマに自分の気持ちを打ち明けます。もし自分がトーマと同性だったら、

「この「好き」はただの友達の「好き」になって」
「トーマも…変に気を使わなくてよくなって」
「親友になれたかな」

というマミの言葉はとても素直で、きれいです。
しかし、男女が友達でいるのは「気持ち悪い?」というマミの問いかけは、あくまでヘテロセクシャルとしての常識の範囲内のもの。トーマが性別というものに、全く違う感覚を持っていることを彼女は知りません。

季節感あふれる表紙とかわいい動物絵

1巻で春に始まったストーリー。体育祭や花火大会、文化祭と季節ごとのイベントが描かれるのに合わせて、各巻の表紙も季節感溢れるものに。7巻は、しとしとと降る秋雨の中、傘を差して立つトーマと二葉の物憂げな表情が印象的です。

また、楽しいお遊びとして、作者が各キャラを動物にたとえるミニコーナーも。たとえば、太一はフェネックギツネ、二葉はハムスター。かわいいイラストは、シリアスな本編のちょっとしたブレイクになっています。

『青のフラッグ』フェネック太一とハム二葉

『青のフラッグ』読者の声

 BookLive! に寄せられた熱いレビューの中から、1巻の感想と、7巻の感想をいくつかご紹介します!

『青のフラッグ』1巻への感想

青のフラッグは少年漫画のジャンルになるのですが、内容は繊細な青春恋愛漫画です。少年漫画で恋愛を扱うことはよくあるのですが青のフラッグの面白いところは普通の恋愛漫画ではあまり見ない複雑な心理描写が書かれているところです。読み進めていくうちにこれはただの恋愛漫画じゃない、と感じる伏線が出てきます。先の展開が予想できない、そんな良質な漫画でおすすめです。

以前からKAITO先生の作品ファンだったので青のフラッグの切なく引き込まれる三角関係のラブストーリーは時間を忘れて楽しむことができました。
1コマ1コマに登場人物の繊細な動作や言動が丁寧に描かれているのが好印象でした。読んでから多くの人と共有し意見を語り合いたい作品だと思います。

大人になってから見つけた、大好きな漫画です。
同性の友達を好きになってしまった、なんとなく自分に似ているので苦手な子がいる、振り向いてもらえないが好きな人がいる。メインキャラ3人全員の気持ちに共感できます。高校生活にもどった気分になる。気をてらわず、3人にはこのまま焦らずにじっくりと進んでもらいたいです。

『青のフラッグ』1巻を試し読みする

『青のフラッグ』7巻への感想

キャラクターたちの主張って痛いほど分かるし、誰が正解とかもないのがこの作品を混沌とさせてる要因なのでしょう。
読み終わってすぐレビュー書いてますが、思うことがゴチャゴチャと渦巻いてしまい自分が今どう思っているのか分からないです。
自分の主義主張をぶつけ合って、それを受け入れるということは彼ら彼女らにとってはとても難しいことだけれど、それでも前に進もうとしていく。
今後どのように物語が転がっていくのか見当もつかず、また同じような作品を読んだことがないので着地点が未知。
物語としても終盤に差し掛かっており最終回まであと数巻かなという感覚ですが、とっても楽しみな作品です。

話が進むごとにものすごくのめり込んでしまう。
高校生でこんなに足掻きながら成熟した考え方をぶつけ合える子達って現実にはなかなかいないと思うけど、本当に人と向き合うことをここまで掘り下げ、キャラクターの感情豊かに表現してくれる作者に圧倒される。ケンスケの部屋での会話シーンのやりとりが秀逸だった。ここまで考えて生きていきたい。頭が下がります。
マミちゃんと真澄ちゃんのシーンでは泣いてしまった…。
posted.by ブクログ

『青のフラッグ』7巻を試し読みする

急展開の7巻と、これからの『青のフラッグ』

6巻のラストで大きな事件が起こり、7巻は各キャラクターが大激論を繰り広げることに。ほのぼのとした恋愛ストーリーとして始まった本作は、どんどんテーマに斬り込んでいくことになります。

①自分の気持ちが隠せなくなっていくトーマと真澄

6巻ラストの「事件」に至る展開として、トーマと太一の会話と真澄とアキコの会話が同時進行するシークエンスがあります。「人と同じに普通に生きること」が幸せなのかと、アキコに問いかける真澄。それと、トーマが真剣に太一に詰め寄るシーンがオーバーラップする展開は息を飲む迫力。トーマと真澄にとっての本当の幸せは、自分本来の姿で生きることなのですが、それを好きな相手に告白するのは、とても恐ろしいことなのでした。

②ケンスケたちの激論

「事件」の後、ケンスケの家に呼び出される太一。トーマとマミの親友たちが集まり、男と女の友情、そして恋愛感情について激論を交わすことに。読み応えのある、本音のやり取りが展開します。

③真澄とマミ

もう一つの読みどころが真澄とマミのやり取り。自分の感情に素直に生きるマミは、真澄の苦しみをどう受け止めていくのか。この二人の関係性にも注目です。

④初めて描かれるトーマの内面

7巻では、トーマ目線で初めて太一への想いが描かれることになります。これが今後のストーリーにどう繋がっていくのか。何も知らなかった頃にはもう戻れない彼らの日常は、8巻に続いていきます。

『青のフラッグ』書影

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