名称未設定さんのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
人の気持ちに寄り添うということ
11巻は、八虎が2回生に進級するまでの春休みを描く。
物語は前巻で八虎が電話をかけたシーンから再開され、そこからは絵画教室に通う子どもたちと向き合う八虎、絵画教室に仲間入りする橋田も交えて進んでいく。
ストーリーを読み進めていて、橋田の知識や見識の深さに尊敬の念を覚えたのだが、そんな彼でもコンプレックスに思っていることがあって、そこは意外だったが、いつも表情を崩さない彼の人間らしい面だと思った。
小枝ちゃんのお父さんの無意識さは誰でも持ち合わせていそうで怖いと感じた一方で、小枝ちゃんが追い詰められていく様を見ているのは辛かった。しかし、最後に「あ、自分と向き合えたのかな」と思えるシーンが -
ネタバレ 購入済み
苦手なビールが飲みたくなった!
ちょっとしたネタバレをすると、あとがきで知ったんですが、この漫画は元は合作同人誌だったらしいです。コミティアの出張編集部に持ち込み、編集者さんから「お二人はビールってお好きですか?」と聞かれ、そこから漫画が動き始めたとのこと。
こんな素敵な作品の元となる企画を出してくれた担当さんに感謝です。
本編の話をあまり内容に触れずにすると、章間の漫画や監修の方のコラムなど、読者に息抜きをさせつつも、より作品にのめり込ませる工夫が散りばめられていて好印象でした。
早く2巻も読みたいと思います。 -
ネタバレ 購入済み
祖父からコインランドリーの経営を引き継いだアラサーの湊晃と高校生・香月慎太郎のラブストーリー。
湊はあるきっかけから自分はゲイだと慎太郎に早々にカミングアウトし、慎太郎の顔が好みだと自覚もしている。
その一方で慎太郎は押せ押せで湊に気持ちを伝えてくるし、持ち前の料理の腕で胃袋も掴んでくる。
二人とも気持ちはあるのに、高校生に手を出すわけにはいかないという湊の気持ちがストッパーとなって、なかなか関係は進まない。
あぁ〜もだもだする!
早くくっついちゃえよ!
でも、このままの関係をずっと見ていたい気もする。そんなラブストーリーです。 -
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隅々まで丁寧な描写が心地よい
セラピーゲームシリーズも早何冊目?『シークレット×××』を含めて5冊目、ですかね?
大好きなシリーズなので、待望の新作でした。
まず、日ノ原先生の絵柄が好きなのですが、先生の絵柄で湊の顔や表情が描かれると、作品を読んでいるわたしまで湊に惚れてしまいそうになります。静真もたまに見せるカッコいい表情や笑顔にドキッとさせられます。
さて、ネタバレになるので詳しいことは書きませんが、今回の本の中でも特に動物病院の内情が詳しく描写されていて、話に入り込みやすく、また読者に違和感を覚えさせないところに心地よさを感じました。この先生の作品は安心して読めるな、と信頼しています。
ふわふわとした -
ネタバレ 購入済み
ロン毛のお兄さんはお好きですか
映画宣伝会社に勤める邑上千浩には、憧れの人がいる。取引先のオシャレ雑誌のオシャレ編集者・本名清春。
今までは眺めているだけだった本名と接点ができたのはある日の飲み会だった。酔っ払って潰れてしまった本名を家まで送っていくことになった邑上を思わぬ展開が待ち受ける。
その出来事をきっかけに距離が近づいた二人は度々会うようになり、邑上は次第に本名のことを意識している自分に気づいていくが、本名には忘れられない人がいるようで…?
ちょっと不器用な二人が近づいていくストーリーはキュンキュンすること間違いなし!
「ブルースカイコンプレックス」シリーズの市川けい先生の描く社会人ラブストーリー。是非読 -
ネタバレ 購入済み
ヒロインは正統派王子!?
父親譲りの男顔で、その振る舞いからも女子たちに憧れられる滝口宵(たきぐちよい)の通称は「王子」。女子には憧れられる一方で、男子からは見た目がカッコよすぎると敬遠されていた。
そんな宵の前に突然現れたのが、同じ高校でもう一人の「王子」と呼ばれている市村だった。
「あんた、めちゃくちゃ美しいな」。初対面の宵に向かってそう告げた市村は、その出会いをきっかけに宵の領域にグイグイと入ってくるようになる。
初めは警戒していた宵だったが、なぜかそんな彼から目が離せなくて……。
王子×王子(女)のキュンキュンできるラブストーリー。現在2巻まで出ているので、気になったら読んでみてください! -
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◯◯愛
この二人の間にあるのは同性愛なのか、それとも親子愛なのか。
答えは作者の緒川先生ご自身があとがきで述べている。「どちらにとってもらっても構わない」と。
わたし自身、この作品を最後まで読んでも結論は出せなかった。
本の終わりの方で春樹が灰田に向けている眼差しは同性愛のそれに見えたが、灰田が春樹に向けるそれは同性愛とも親子愛とも、その他の愛情ともとれた。特に、春樹が灰田に対してゲイであることをカミングアウトしてからは、灰田が春樹にどんな感情を抱いているのか謎だった。もしこの本に続巻が期待できるのならば、そこでその謎は明かされるのだろう。
だけれど、世の中そんなに全てに白黒つけなくても良