ちーずさんのレビュー一覧
レビュアー
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明らかになる静子の過去
イマジナリーのしげちゃんに急かされ、台風の来る夜に静子の元へ向かう静一。
雨の滴る中、静子は縁側に座ってネコを探していた。
ここら辺から、静一の目に映る静子が若いあの頃の母になったり、現在の白髪の皺のある女性になったりと、何回も変わっていく。
そして慰められるネコの顔が、中学時代あたりの静一の顔に見える(静一自身が慰められているような気持ちになっている)。
静一の心情がわかりやすい。
台風で天候が荒れているので、その夜は泊まって布団を敷いて寝ることに。
寝転がった静一が静子に話しかける。
すると、静子は一冊のアルバムを持ってくる。これまでの漫画の表紙の写真などが綴られ...続きを読む -
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昔の記憶を辿り少しずつ自我が…
お母さんがあぁなってしまったら、学校へも行けないし、奇異の目で見られてしまう
けれどただひとり、吹石は違った
純粋な中学生だからこそ出てくる率直な言葉だね
吹石の存在に救われて少しでも自分を出すことが出来たかな?
スラスラと普通に会話できるときもあれば、吃るときもある
普通に会話できてるときは、すごい鉄のような据えた表情をしている
静一の中の母親(静子)像が、終盤から出てきます
この物語は、良くあるモクモクな吹き出しの心情とか出てこなくて、モノローグ的なのは僅かしかない
だから、(現実か夢か分からない)しげちゃんと山で話す場面で、しげちゃんが静子になった(静一に...続きを読む -
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静一とママの過去が思い出される
しげちゃん両親と静一家族で話し合い、
ママがしげちゃんを突き落としたと言う
一悶着あって大人たちは警察へ行く
静一も事情聴取を受けることに。
そこで、静一自身はこれまでのことを言葉で説明するうちに、自分でも気づくわけです
ママが親戚の中でひとりぼっちで馴染めずみじめなことを、だから静一もそんなママをかばうように?一緒にいたことを
実況見分みたいな感じで、しげちゃんを突き落とした再現をしに、あの場所へ向かいます
警察に説明しながらその時の状況を伝えていくうちに、またここでも静一自身に色々な気付きが出てきます
このマンガの物語の初めから出てきていた、小さい頃ママ...続きを読む -
色んな題材を丁寧に描く
非行少年の俊彦くんの話、スッキリ終わるというよりは、トンネルの中に一筋の光が射すような感じで終わる
作中でも言ってたけど、個人がなんとかできると思って首突っ込むには難しいことだよね
やはり精神科医もピンキリで
テキトーにあしらわれてると感じたら患者は落胆するし
佐山先生のように、水の中で息ができるように救ってくれる医師もいる
パニック障害患者の心理を水に喩えた描写が、とても分かりやすい
患者の気持ちが予想できる、こんな風に苦しいんだ、死んでしまいそうに息ができないのだと
後半からは、子連れ再婚家族の子どもの、ディスレクシアの話。
子連れ再婚というだけでも関係を構築す...続きを読む -
子どもとその親の心情描写が良い
絵もキレイで見やすいですし、各話ごとの子どもの身心の状態や、またその親の心情も
医学な説明も分かりやすいです。
前巻からの続きの男の子、一件落着します。よかった。
その後はASDを持ってる可能性がある女の子の話。
ボールのくだりで、運悪くびしょ濡れになってしまったのには胸が痛む
普通に産んであげられなくてごめん、というお母さんのセリフ、、泣
りん先生に限らず、このマンガの医療側の人たちの個性が様々で笑わせられます!
そういうぷぷっとなる一面があるから、このテーマを取り扱ってても重くなりすぎないのかも。
少しずつ佐山先生の身内の病院経営の話とかが出てきますね。
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狂気
冬の夜明け前にしげちゃんが家に来て、静一を山に誘ったのは、夢ではなく現実だったんですね。
母親がいかに静一の精神・心に棲みついているか、重く大きい存在であるかが痛々しい。
理想の白く輝くママの皮を剥がしたら
これまでの静一の主観の描写とは違う、
美しさが抜けた、普通の?美化されていない描写に変わる。
ママにしげちゃんを落とさせようとする静一が怖い。3歳の静一が歪んでいく様もまた怖い。頭がおかしくなるような怖さで。。
押見さんがすごすぎる
しげちゃんを突き落とした事件で鑑別所へ行くことになる。しげちゃんは結果的に亡くなってしまう(意外だった)
鑑別所の中でも、やは...続きを読む -
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葛藤
やはり重い作品。
毒親という言葉で簡単に括れない、静子にしばられる静一の苦しみがいつまでも続く…
墓参りでの、吹石と何十年ぶりの再会。
別れる寸前で長部だと気づく。
静一はあの事件から苦しみここまで生きてきた。
吹石は、(語弊があるかもしれないが)きっとごく一般的に恋愛し結婚し出産し子育てして生活を送っているのだろう。2人の娘がとてもかわいく長女が特に昔の吹石にとても良く似ている。
時間の流れが残酷である。
父も他界し、もう死のうと思い首を吊るが
既のところで、やはり彼の中の母・静子が、静一の邪魔をする。
そして警察からかかってきた、静子を保護してくれという電話。...続きを読む -
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叢!!!笑恋人らしいデートの巻
エッチしすぎじゃん、ということで
亜以ちゃん提案で、セックス抜きの恋人らしいデートの巻です。
運転もできて楽しませてくれて、きれいな星空も見せてくれて。。良くできた彼氏だこと。
辛く悲しいことをきれいな星空に変える、星の王子さまとは真逆な、けれどその発想が子どもらしくて切なくて、、泣ける。
お互いのことを分かろうと、寄り添いあうのが垣間見える。
君は俺を愛してしまったね、そんな素敵なセリフあるんですねぇ😭
やはりどんな場面でも亜以ちゃんの身体は反応してしまいますね、でも好きな人といたらそうなってしまうよ、、!!!
なんだろう、普通の会話の中でエロい言葉も出てく...続きを読む -
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よい。
書斎での乳繰り合いを磯良に邪魔され笑、ある提案をされる。
そして流の生まれた島へ行く2人。荒地で古く、暗い雰囲気ですが、そこには14歳の女の子・有栖が住んでいる。流への気持ちがあり、諦めきれていない模様。新キャラですね。
亜以を婚約者だと紹介された有栖はそれが面白くなく、薬を混ぜたり監視カメラつけたりあの手この手でイタズラ?するけれど
流はそれを上手く躱しながら、いちゃこらエッチするのでありますが、
やはり良いですね。笑
島へ向かう船の上での会話のシーン、流の表情や亜以ちゃんがキュンとしちゃうところが、本当にかわいいし読んでて気持ちが上がります。
最後はお酒飲ん...続きを読む -
ついに新章
あれから時が経ち、静一は30代、2017年。
唯一のつながりとも言える父一郎が、静一の体調気づかないながら外へ連れ出してく場面は、悲しいながらも心温まるところもあり。。
(静子の影は常にいつも静一の心の中に潜んでいて、ふとした時に襲ってくる。)
20年ほど前のあの事件から、賠償金やらなんやらを一郎が汗水流して尻拭いしてくれたようだ。
そんな父も、ついに天に召される。
一人になった、と静一は思う。
その墓参りの最中、初恋ともいえる昔の彼女とばったり再会するのである(相手は気づいていない?)
続きが気になる終わり方だ笑
最後の墓参りの場面でとても思う、時の流...続きを読む -
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コロナ禍の貧困ビジネス、着々と
角間さんの一時的な住居探しと、石橋さん側の尻尾を、区役所職員らが全力でゼェゼェ言いながら掴む巻。
角間さんみたいなハンデを持つ人たちの発達障害は、今日こそ表になって知れられてはきたが、
昭和の時代、押さえつけられて頑張ればできるだろと言われ続け、ここまで生き逃げてきたと思うと不憫でならない。
マリア様の写真立てが、彼の心を明るく照らし続けてくれていたのかも。新しい(一時的な)アパートの窓から差し込む光の向こうにある木の風景を見て、その一瞬だけでも明るくなった角間さんの表情がとても良かったです。
えみるちゃんも課長もみんな頑張ったー!!まだ片付いてないけど!笑
とりあえ...続きを読む -
原作を、忠実にコミカルに再現
770円出して読んだ甲斐はありました。
最初に原作を読んで、これが絵になるとどのように表現されるのかが気になり、まんが版を探しました。
まず「まんがで読破」シリーズの『変身』を読みました。こちらは、原作との構成が大きく変わっていましたが、主人公のやつれ加減や時代背景など上手く組み込まれて描かれていました。ただひとつ、なぜかグレーゴルの元恋人?が出てきていたのは驚きでしたが…うま〜くストーリーがまとめられてました。
そして、こちらを読みました。
なんとまぁシュールなこと!!!そして原作に忠実に、文章ひとつひとつと絵がよく合わさって、面白く描かれています。やっぱり大きな虫に...続きを読む -
全巻購入一気読みしました
無料2巻分を読み、なかなか出てこない輝の兄の顔が気になり、艶やかなかぐやさん、そして母親の交際相手から性的虐待を受けている桐宮さん、違うそれぞれの三角関係が、最新刊では色々ともう泥沼化している感じですが、かなり読み応えがあります。ほんと、すごいヽ(;▽;)ノ
婚前交渉もなく夫しか知らない香夜さんが、まさか義弟と一夜の仲となり、その後、義姉弟として同じ一つ屋根の下で暮らす…
というまぁよくありがちな設定ではあると思いますが、ストーリーやキャラクター、心理描写や表情などよく描かれていると思います。
こういう男女のまぐわいがヒューマンドラマとともに描かれているマンガは、つい読んでしまい...続きを読む -