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Posted by ブクログ
待ちに待った新刊。初っ端から皇帝と皇太子尭明の会話から始まる。皇宮での最高の食事よりも城下で食べた火鍋を美味しいと感じる尭明に鎮魂祭の指揮と雛女達に慈粥礼をするように伝える皇帝。しかも、朱慧月だけ劣悪な環境へと向かわせる。道術使用の確証を得るためだ。入れ替わったままの玲琳と慧月は、何とか監視をかい潜って入れ変わりを解消しようとする。ここでも玲琳の策略が展開。慈粥礼は成功するが、慧月との行き違いや隠密、安基によって窮地に陥ってしまう。そしていつもの二人の仲直り。そして皇帝の復讐の相手とは誰なのかを謎を残して次巻へ。いつもながら文体に引き込まれる。美麗な語彙が並べられているわけではなく、わかりやすく尚且つ感情をむき出しにした文体は読み手に非常に響く。それがテンポよく続くので、ストーリーにも移入できるし、全体の光と闇のコントラストが見事だ。正直言って、慧月がみんなに認められたというよりも、玲琳の体に入っているからこそ周りも尊重しているだけなのではないだろうか。そして、皇帝にすら噛みつこうとする玲琳の姿は皇后の姪という立場や皇太子の寵姫という傲慢さや死と隣合わせに生きているからこその強さだけのような気がする。何はともあれ、次巻にも期待大。