【感想・ネタバレ】違国日記(6)【電子限定特典付】のレビュー

人間はいつから「大人」になるのだろう?

両親の死によって、独身の叔母・槙生に引き取られた中学生・朝。
家にこもりきりの小説家である槙生は、独特な感性の女性。
一方で、朝は両親が死んだことに対して現実感を持てない、大人びた少女。
似ているようで正反対の二人が、日々の暮らしの中でやがて心の距離を近づけていく作品。

槙生が仕事に熱中するのを、さりげなくサポートするしっかり者の朝。その姿はお互いの年齢を鑑みると、ちぐはぐな風景でちょっとおもしろい。
けれど、家の外側や、人間関係のこととなると、槙生は迷いながらも、母性というよりは理性によって、的確な言葉で朝を導く。
15歳の朝にとって、それらの言葉はすぐに理解できないこともある。けれど、現実と照らし合わせながらじわじわと納得していく健気な姿がとても印象的。

では30歳を手前にした自分は槙生と朝、どちらに近い地点にいるのだろう?と考える。
「自分はまだまだ子供」だと思う。けれど、朝が戸惑っている幼い姿を見ると「こうしたらいいよ」と言ってあげたくなることが多々あった。
どんなに大人びていても15歳の朝が大人ではないように、アラサーの私も着実に大人になっているのか、と気づかされる。
槙生を「違国」と感じながらも、朝も確実に「大人」へ近づいている様子を、そっと見守っていきたい。

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違国日記

恋はしてもしなくてもいいし、同性でも異性でも好きになった人が好きな人。
親友に何でも話さなきゃいけないわけじゃない。
高校生の朝にはまだ理解できないことがたくさんある。

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2021年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「なりたい自分」になりたい。朝のセリフにガツンと殴られた。何か話したいこと、言いたいことなんてない、将来のこと、なかなか掴めなくて。朝は母親の縛りからまだ抜けていない。それは亡くなっていてもいなくても、もうすぐ高校2年生ならそういう時期だと思う。

誰もが違う国の言葉で話す。それに気付いたのはいつだっただろう。いや、気付いていただろうか。わかってくれない。私の気持ちをぴったり伝えられない。そう思ってはいたけど。

わかりたい。26.5はすごく刺さった。自分がどういう人間で、何を愛して、何を愛さなくて、どう生きていくかなんて、いつわかるのかな。わかる日が来るのかな。

えみりの友達絶対やめられないじゃん、という気持ちわかるような気がする。好きだけど、嫌いじゃないけど、失いたくないけど、どうしても重たく感じてしまうことがある。瞬間、ここが分岐点なのだと、ここで決まってしまうのだと。喜びと恐れが同時に来る感じ。

考えろ。槇生ちゃんほどは考えられてないけど、考えて考えて苦しんで生きていきたい。

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2020年12月23日

購入済み

わたしもわかるようになりたい

相変わらず素敵な作品でした。
今回は、朝ちゃんの性格のような子が主人公でよかったなと、しみじみ。一つの選択肢が消えるとということは同時発生的にもう一つの選択肢が生まれるということだと感じました。

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2020年08月16日

aco

購入済み

誰もが悩みとか「欠陥」と感じられちゃう部分を持っているんだとわかる話。人間、清濁あるよねと感じた。コトコの恋愛観に驚いたし、それを話す時の仲良し4人の雰囲気がとても良い。えみりの人間味も垣間見えて興味深かった。

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2020年08月12日

購入済み

よい。

いつも丁寧な言葉と表現で本当に楽しみにしています。
今回もすごくよかった。
なんでだか5歳娘にもっと優しくしようと思えたし、言葉を大切にしようと思えた…

次もたのしみ!!!
他の作品もかおうかな…

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

1,2, 3,4,5,6と読んだ。
とりあえず1巻冒頭が凄まじくて、持ってかれまくった。
その後も何度も持ってかれまくった。全人類の必須図書。
もっと若い頃に読んでいたら、自分は今とは違う人間になっていただろうか。それとも、全く刺さらずに流してしまっただけだったろうか。

何か自分がこの作品が全く引っかからない人間になってたかもしれない未来を感じて、何となくぞっとした。
作品としてどう着地するんだろうか。

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

えみりの話があるから朝がちょっと鬱陶しく感じる瞬間もあるけどそれぞれ抱えている問題は違うんだ。朝はこれから何を見つけていくのかな

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2020年08月10日

Posted by ブクログ

これまでも本当に面白かったんだけど、今巻はちょっとすごすぎませんか?
特にPage.27がすごいけど、全編ずっとすごい。
全人類が何度も読んで欲しい。

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2020年08月10日

Posted by ブクログ

あーちょっとした良い映画見たみたいな心地よさ。
朝も二年生になるにあたり、なりたいモノ?に悩む。

言葉を紡ぐ事を槙生は「打ち、鍛え、研いで、命をかけて殺す作業」と言うが?

自分が誰なのか?
何を愛したのか?
愛さなかったのか?
どうやって生きているのか?
分かったのかなあ?だったら良いなあ?

スランプ?に陥ったときの槙生の「世界中がうるさい」は拒絶の呪い?
朝との暮らしという現実。

私たち読者は、現実と嘘をごっちゃにしたいのかも。

朝の詩を読んだ槙生の照れ顔が尊いかも(笑)
えみりちゃん、あれ?恋?思春期特有の?

#違国日記
#違国日記6
#漫画倶楽部
#漫画好きな人と繋がりたい
#漫画

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

2020.8
怒りまくっているな、朝ちゃん。静寂を守りたいはよくわかる。自分の世界は守っていい。孤独に水をやる。

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2020年08月08日

Posted by ブクログ

巻数が進むほど浮き出てくる、それぞれの孤独感たるや、他の作品にはない凄みだと思う。
それぞれの感覚の違い、傷つきやすいのに無神経だったり、人を傷つけることに鈍感だったりする、少しずつの違和感がリアルすぎて辛い。
でもみんな一緒に生きていく。
目が離せない。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

高校生のときに槙生さんに出会えたことがどれだけ素晴らしいことか、後々わかるんだろうな〜
朝ちゃんの考え方がキラキラしてて若くて眩しい!

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2023.03.ピッコマ

高校生の朝
小学生の子が思うなりたい自分になると
高校生が思うなりたい自分になるは
大きく違うからな
また、50過ぎてからのなりたい自分になる
とももちろん違う

身近な学校の中での違いが気になる年頃か。
同じような能力が他の人と同じあるいはそれ以上に自分にあると思える年頃でもあるな。
朝が同じクラブの軽音の子が、抜擢されたのをずるいと思う。
高校生のわたしもずるいと感じたのかな

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2023年03月16日

Posted by ブクログ

「ずるい」
朝ちゃんは親からの抑圧が外れて、実は言いたいことを言えているのかも。語ることを促されたときの語りのための言葉は出てこないが、言いたいことはちゃんとある。

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2022年12月10日

Posted by ブクログ

うふふ。
朝ちゃん可愛いなぁ。素直に子供で可愛い。
えみりちゃんなかなか辛いというか、生きづらいだろうなぁ。
世の中みんないろいろある!

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2022年01月29日

購入済み

世界観

世界観とでも言うか日常の切り取り、あー、わかるわかるって、些細な仕草から感じ取れる。
何か小説を読んでいるような感覚。
小説読んでて映画見てるような感じと似てる。
この巻での1番簡素なコメントは「えみり、よかったね」かな。

#深い #切ない #感動する

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2021年11月02日

Posted by ブクログ

えみりはなんらかのマイノリティなんだろうな、あれとあれとどっちかな…?って思ってたんだけど明確になってきましたね
そりゃ朝とは恋バナ出来ないわ
悪気なく素で傷つけられそうだもんな…
幸せになって欲しいなぁ

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2022年04月19日

Posted by ブクログ

「わからない」…。人との距離感だったり、自分の身の置きどころだったり、今自分が何を考え求めているのかだったり。「これは嫌」はわかるのに、「これがいい」はどうしてわからないのだろう。槙生と朝、それぞれの年齢それぞれの立場で、お互いと「わからない」に向き合っていく…。

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2020年08月14日

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