【感想・ネタバレ】累(5)のレビュー

――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。

こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。

累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?

作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。

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いよいよ

2020年12月05日

いよいよ確信に迫ってきました。
累はいつも警戒心のある行動を取っていたのに、
少し警戒心が甘かったのでは?と思うシーンがあったので、思わず"あ〜!あの時あーしていなければバレなかったのに!"と残念に思ってしまいました。
ただ野菊があまりに不幸な生い立ちすぎて、早く累の嘘を暴...続きを読むいて欲しいという感じもします。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月10日

急速に仲良くなるニナと野菊
野菊は累について調べ続ける
そしてついに、本物のニナが寝ている部屋を開けてしまう&口紅の秘密に気づく

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Posted by ブクログ 2021年07月02日

一歩一歩、野菊が真実に近付いていく様は、恐ろしくもおもしろい。一方で、累の脇の甘さに呆れる。あれだけ惨めな過去がありながらも、美人になってチヤホヤされだしたら忘れてしまうものなのか。あの酷い経験があるなら、人を信用する気持ちなど微塵も生まれない気がする。よく友達を作ろうと、作れると思えるな。守り通さ...続きを読むなければ身を滅ぼす秘密を抱えているというのに。
こんなんで、母親越えられるの?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年11月11日

どんどん話が展開していくなぁ。今のところ状況変わらずっていう巻がないから面白く読めてる。相変わらずニナの顔を奪って舞台に立ち続ける累と親友になった野菊。すごくいい関係だと思ったけど、野菊は野菊で累の秘密にどんどん近づいていく。ドキドキハラハラする展開だった。でも累もニナももう少し過去調べられた時のた...続きを読むめに対策とっておけばよかったのにってすごく思ってしまった。あんな一般男性がちょっと調べたら繋がってくなんて、すごい秘密を持ってるのに浅はかすぎやしないか。これから野菊がどんな復讐をするのか気になる。

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Posted by ブクログ 2015年05月15日

これコミックで出る前にWEBで無料で読んだんですが
非常に先が気になる展開になってて本になったら借りようと記憶していて
気づいたらもう5巻まで出てたっていうw

他人と顔が入れ替えられる謎の口紅。

この謎アイテムについての仕組みが徐々に
恐る恐る試しながら解明されていく様子や、

生まれながらにし...続きを読むて醜悪な容姿で誕生したものの
演技力はトップレベルの主人公、
美しく生まれながらも演技力だけは主人公に敵わない者、
美に翻弄され続ける愚かな男ども、


そんな登場人物たちの心情が激しく交錯しているといった内容です。


まず読んでて思い出したのが『ヘルタースケルター』。

これも美しい姿は偽りで、嘘に嘘を固めて何でもないかのように
生まれてからずっと美しかったかのように振る舞う。
けれど、それは誰にも秘密であるが故に徐々に精神を蝕んでいってしまう。
醜い自分というコンプレックスは、野望や向上心にもなるが
一方で疑心暗鬼を生み誰一人として信用出来なくなりいずれは破綻していってしまう。

実際、現実の芸能人でもプライベートを隠さず
すっぴんも、部屋着も、食事内容も、と何でも公開している人も多い中、
ツイッターやブログなど一切せずにちょっとしたバラエティ番組でしか
その人の日常を知ることが出来ない人もいたりする。

公開している芸能人は、
その人の美容法とかファッションブランドとかを真似したいという
世間からの需要に応えているだろうし

ベールに包まれている芸能人は、
キャラが浸透していない分透明感を持続しやすいというか、
女優であればどんな役柄をやるにも先入観を排除しやすいとか、
秘密が多いからこそ魅力的だったりする。


ヘルタースケルターのリリコにしろ、
累の主人公にしろ、

やはり誰にも言えない秘密があるからこそ美しいんだと思うよね。

その秘密がやましい事なだけに、
外見は一寸の狂いもない美しい造形をしていて
その反面心は狂いそうなほどに不安定で

そういうアンバランスさが、
どこか儚さを出していたり、憂いを作り出していたり、
観る人を安心させずに惹きつけるというか

そういう事も読めるような漫画です。

ストーリーのテンポが丁度良くて
そしてこの先どうなるんだろうっていう思わせてくれる

面白いマンガだと思います。
続きが非常に楽しみ!

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Posted by ブクログ 2015年05月07日

思い出したのは手塚治虫の「七色いんこ」と「人間昆虫記」。暗くて苦しくてたった5巻読んだだけなのに読み終わってぐったり。野菊の逆襲も秒読みで、この早さで行くと何だか10巻までいかずに終わってしまいそうかなあと。いやあ長けりゃいいってもんでもないのだけど、終わらないでいてほしい気持ちと姉妹の対決を期待す...続きを読むる気持ちと両方。業を背負って舞台に立つ累には女優として極めてほしい気もするし、ないないづくしで来た野菊には口紅に翻弄された運命にピリオドを打ってほしいような気もするし。中身濃いので続きは気合を入れて読むべし。

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Posted by ブクログ 2015年04月03日

物語序盤の耽美で背徳的な世界観はやや失われてきたものの、ミステリーとしての面白さは増してきた。
美醜とはどんな価値があるのか、幸せとは何か。
そんな中で懸命に生きながらも幸せへとは向かえない女の子たちのドロドロとした生き方に強いエネルギーを感じる漫画です。

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