【感想・ネタバレ】累(10)のレビュー

――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。

こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。

累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?

作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。

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Posted by ブクログ 2021年11月14日

誘の過去編続き
屋敷へ戻されマクベス夫人を演じ、精神的に侵された
が、なんとか乗り越えた
そして顔を永遠に自分のものとする方法がありそれを実行するが、命にかかわるのでもしものことがあれば累のことを頼むと羽生田に伝える
誘は累と共に遠くへ逃げる算段だったが、与に見つかってしまい、累を橋の上から突き落と...続きを読む
それを庇った誘は濁流に飲み込まれ死んでしまった

新たな演劇は昔演劇筆一緒だった五十嵐幾とのダブル主演
五十嵐は累がかつて顔を奪い演じたジョバンニのせいで期待外れだとみんなに言われ演劇を辞める寸前だったが
累のサロメを見て復活
累も五十嵐も各々の才能を発揮し始める

一方、野菊を探す天ヶ崎は五十嵐と接触する

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月13日

まさかのここにきて五十嵐幾登場。やはりどうも好きになれない。変に勘が良いところも気に障る。容姿が良くても才能が認められない人間なんて世界中ごろごろいるのに、あたかも自分だけが悲劇のヒロインのように振る舞っているのも嫌い。
透世が監禁されている様はあまりに辛くて見ていられない。海道も誘も完全に敵となっ...続きを読むた状況での絶望は計り知れない。
しかしそれ以上に胸が痛むのが誘。
最終巻まで読んだ後に改めて読み返すと、誘は羽生田をも騙したということ?涙を流しながら羽生田に累を託した時には、誘はその後の恐ろしい生活を予期していたと?
だとしたらあまりにも辛すぎる。例え誘がこの地獄を始めたとはいえ、こんなことまでしなければいけなかった?そもそも容姿さえもう少し普通に生まれていればこんなことには…。
透世は最期まで母親だった。いや、誘も最期まで母親だった。あれだけ憎みあった2人でも、母親として何か通ずるものがあったのかな。女は、母になり守るべき存在ができると、どんなことでもできてしまう生き物なのかな。

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Posted by ブクログ 2018年11月13日

累の母親の死。母親として死んだのね。海道って父親なのに本当に美しさにしか興味がないのね。累を娘と微塵も思っていないのが怖かった。10巻で再登場した幾先輩。すごいいい人だったから、累の秘密に巻き込まれて破滅するのは避けて欲しいな。天ヶ崎さんは野菊を思っての行動だから仕方ないんだろうけど。野菊も観念して...続きを読む利用されてるように見えるけど、まだ復讐心は消えていない様子。これからの展開が気になるー。

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