【感想・ネタバレ】累(7)のレビュー

――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。

こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。

累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?

作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。

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Posted by ブクログ 2016年02月22日

1巻読み始めて最新刊まで追いついたので、7だけ感想。
復讐は誰の破滅を導いて、どう幕を閉じるのだろう?
累も野菊も危うい中で、新展開。羽生田さんはこの舞台を演出できるのかな、というか誘との関係が少し明らかになってきてドキドキ。
早く続きが読みたいな~。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月26日

ニナが死亡し、ニナになれなくなった累
累の姿で野菊と会い全てを明かし、野菊の顔を手に入れる
野菊、屋敷に火を付ける
その時の火傷により結果的に天ヶ崎と距離が縮まる
マクベス始まる

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Posted by ブクログ 2016年04月29日

この作品を読み始めた時、これが男同士の場合、と考えた事があった。「口紅」と言うツールを何か他のものにすれば成り立つだろうし、口紅のままでも「顔を盗む時にキスしなければならない」と言う絵面はBL的でそちらの読者も取り込めるだろう、と。「どす黒く汚れた2匹のけものが 地獄の入り口で向かい合っただけのこと...続きを読む」と言う表現は性別を超えるが、美醜にこれほどまでに固執する表現はやはり「女性性」でなければ説得力に欠けていくんだろう。男性ならば「権力欲」に傾くだろうし。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年11月12日

累と野菊どうなるのかと思ったら、案外シンプルに口紅の効果を伝えて交換してくれつって、協力してもらえるっていう展開。野菊は協力したふりしてどこかで大きく破滅に追いやるつもりなんだろうけど、わりとあっさり展開してる印象。野菊の顔を手に入れて、累は確実に母親と同じ道を進む。新たな女優は咲朱。この巻にきてや...続きを読むっと、羽生田さんの生い立ちやらいざなとの関係が見えてきた。野菊と天ヶ崎の関係も少し変わってきたのかな。周りが少しずつ動いているのに累だけが何も知らされずにいる感じがする。なんかかわいそう。

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Posted by ブクログ 2015年11月24日

話は引き続き面白いんだけど、作画の変化が気になる巻だった。変化というか、はっきりと"劣化"と言いたくなるクオリティ。美醜がテーマの本作において、独特な耽美さのある絵が魅力の大きな一端を担っていたと思うんだけど、最新刊の絵ではその魅力が半減してしまっている。

6巻以降の新展開は面...続きを読む白く、今までが序章だった言える新たな人格の登場。展開的にこのキャラクターこそが累における人物造形の最高到達点なのは間違い無く、これからクライマックスに向けて展開していく話は本当に続きが気になる。

だからこそ、絵を。絵をもう少し繊細に描いてもらいたいです。。

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