【感想・ネタバレ】累(13)のレビュー

――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。

こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。

累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?

作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月09日

永久交換の条件は相手の血液であった
舞台の演技は相変わらず上手くできず、幾の演技にも圧倒され、ついに役を降りてしまう
野菊は口紅を使用することによって、母親の幻覚を見るようになり、自ら顔の交換を申し出るようになる

羽生田は累に透世本人がどのような最期を迎えたかを語り始める
異臭を放ち腐りながらも生...続きを読むきながらえる彼女を、羽生田自らの手で処分した

記憶を取り戻した累は真実を語る
あの日川で重ねを助けて死んだのが透世でり、野菊を最後まで見守った人物こそが誘だということが発覚する

誘を殺してしまったという気持ちを受け入れられない羽生田
累は舞台について、誘が演じたかったのは醜女の方であり、自分もまた醜女を演じたいと希望する

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年11月15日

えーもう一回10巻読みたい。いざなと淵透世いつどのタイミングで入れ替わってたのかとか読み返したい。暁の演技がどうしてもできない累。一方の幾は醜い宵の演技を素晴らしく表現する。役を降りると言う累。羽生田さんぶっ壊れる。野菊を捕まえ、永久交換することで咲朱として完成させようとする。そこからもうウルウルし...続きを読むっぱなしだった。累が精一杯話すところ。川で溺れた累を救ったのは淵透世だったとか、いざなが野菊に声をかけ続けていたとか。淵透世といざなも自分の本当の子供じゃないのに守ろうとしてたんだなーと思うとつい泣きそうになった。最後にいざなが演じようとしてたのが宵だったのも、累も宵を演じたいって言うのも。累はもしや素顔で演じようとするのかな。

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