【感想・ネタバレ】累(3)のレビュー

――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。

こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。

累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?

作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。

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ネタバレ 購入済み

ニナのお母さんがかわいそうだけどお父さんってそういうもんだよな…。母の勘は鋭い…
サロメがどうなるかも気になるので続きを買うか凄く悩む。気になります。面白い。

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2022年01月01日

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ネタバレ

自殺を図って植物人間になったニナと、娘を心配するご両親が気の毒だった。強い母の愛が破滅を招くって切ない。本当に次から次へと展開が読めなくて超面白い!! 中学時代の虐めっ子は反省しても今さらだよ、しかも、累がいなくなって自分がターゲットになってから反省って、全然懲りてないじゃん。累は優しすぎるなぁ

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2015年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ニナ、ヤンデレ化→自殺未遂→植物状態へ
とっさに顔を入れ替え、植物状態なのは累と偽装
芝居をうち家で植物状態のニナを置いておけることに
そんな中、ニナの両親が登場
母親が娘が別人だと気づくが、これもまた芝居によってうまく騙し通す

サロメ役を演じきれるか

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2021年09月26日

ネタバレ 購入済み

ニナに成り代わったかさねと演出家との恋。
しかし本物のニナも演出家に恋をしていたためややこしいことに・・・
かさねの姿でいることが多くなったニナは精神的におかしくなり自殺未遂を起こす。
しかしこれはこれでかさねの容姿がいかに過酷かっていう証明だなw

#ダーク

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2021年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本物のニナが1ヶ月眠っている間に累はニナの顔でどんどん功績を残していく。烏合さん同じ顔なのに別人みたいだって察したんだ。すごい。目を覚ましたニナはどんどん自分の居場所がなくなっている事に気付いて追い込まれて自殺未遂をしてしまう。たまに出てくる累の母親の手が怖い。いざなって誰なんだろ。昔の同級生の関さん。関さんの好きな人の顔を使って彼女を傷つけて復讐をする累。顔変わると声色も変わるんだっけね。ニナは植物人間に。累はニナの顔でニナの両親をも騙す。でも母親だけが違和感を抱く。疑う母親をごまかすためにとった策がもう怖すぎ。たしかな違和感を感じているのに誰にも信じてもらえないお母さんがかわいそうだし、病気扱いされるとか怖いなーと思った。口紅使ってから幸せに向かうどころか追い詰められること多くて辛いな。人生順調になるはずの累でさえもがき苦しんでる感じがなんとも。

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2018年11月08日

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