「どうせ働くならよく分かんねぇ一人の社長(やつ)のために働くより 国(1億人)のために働くほうが面白そうじゃねーか!」
そんな一言を軸に、一人前の自衛官を目指す「自衛隊マンガ」です!無鉄砲で熱く、感情のまま行動する主人公は、レスキューマンガなんかでは王道といえば王道ですが、『ライジングサン』は自衛官の細かいディテールにも凝っているので既読感はありません。
キーホルダーやアクセサリーとして一般化してる「ドッグタグ」の用途や、自衛官のズボンのボタンの硬さ、宿舎でのシーツの敷き方など、描写が細かくて感心!!
そして何より、今この時代に「人命救助」や「災害現場」を描くことには、他のテーマのマンガを描くのとは異なった使命感があったことと思います。「災害現場」を描くことへの作者の気遣いや苦悩も、作中から感じ取って貰えれば嬉しいです。(書店員・アンコウ)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
基本教練。銃の携行に関する様々な注意事項と、税金を原資として支給された物品に関する心得の叩き込み。そんな中、鉄線鋏カバー紛失に伴う全候補生による探索、訓練班長の姿勢、候補生の覚悟がいい感じで描かれている。理不尽な規律に自らを追い込む、各候補生の苦しく悲しい事情に悲しみを感じる。
Posted by ブクログ
自衛官にとって命と等しく扱われるすべての装備。それを無くすことの恐怖、そして消えてしまいたいと自分で思ってしまうほどの罪悪感。理不尽がすぐ側にある組織自衛隊、そこで学べることを描いた3巻でした。
「もしも」の可能性を減らすことができる唯一の方法。自衛官の装備の1つ1つは国民の血税から賄われているからこそ無くしてはいけないという理由は一端でしかないことが今回の話で描かれてました。89式の重みを知ることも鉄線鋏カバーを無くす恐ろしさを感じることも全ては戦場の「もしも」を無くすことに繋がる。自衛隊にとっても日本人にとっても想像できない事態かもしれないが、その「もしも」のために自衛隊があるのだからこそ学ばないといけないことなんだろうと思いました。
変わりたいと思う心。1巻でも言われていた自衛隊の理不尽さ、それは人にとって苦痛であると同時に成長に必要なものでもある。今回は引きこもりだった吉永と田舎ヤンキー犬井の2人にスポットが当てられていました。両者とも変わらない日常・環境から抜け出すために自衛隊に入った身、与えられた新しい自分の居場所をしがみついてでも守るその姿がカッコ良かったです。
最後の教官の導く者に対しての一言も深いものでした。これからはメンバー1人ひとりに焦点を当てつつ進行していくんですかね。様々な人が入る自衛隊でこういった展開の仕方は話が広がりそうで面白くなりそうです。次回は自衛隊体育学校と来島がテーマみたいですね、期待して待ちたいと思います。