【感想・ネタバレ】四月は君の嘘(11)のレビュー

四月は君の嘘。
タイトルから既に詩的。既にドラマティック!そしてその期待を裏切らない作品です。
自分のピアノの音が聞こえなくなってしまった元天才ピアニスト・公生が、奔放に音楽を愛するヴァイオリニスト・かをりに出会い、それまでモノクロに見えていた世界がカラフルに色づいていきます。
数ある音楽マンガの見どころは、作者が恐らく一番入魂する「演奏シーン」だと思いますが、本作はコマ割りが巧みでダイナミック!コンクールの静まり返ったホールに響く一音目、その瞬間の緊張感が心地よいです。ヴァイオリンとピアノの協奏曲なのに、作中で「殴り合い」と表現されている2人の演奏シーンは、荒々しいのに純粋で、読んでいてゾクゾクします。
2014年のアニメ化に続き、2016年には広瀬すずさんと山崎賢人さん主演で実写映画化も。『のだめカンタービレ』や『ピアノの森』に続き、クラシックを題材とした音楽マンガの新しいヒット作となった『四月は君の嘘』。お読みの際はぜひ、ハンカチのご用意を。(書店員・鮭)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本物語の最終巻、母親の死が原因でピアノを弾けなくなっていた主人公が、再びピアノを弾いていく理由を見つける巻です。

もちろん、11巻までに主人公は何度もピアノを弾いています。ただ、それは主に宮園かをりのための演奏であって、それはそれで悪くないきっかけだったとは思いますが、演奏家として生きていくにあたって、それだけで弾いていけるかというと少し疑問が残ります。特に10巻での出来事を踏まえると、好きな人のためだけに弾き続けるのはひょっとすると難しかったのかもしれません。

本巻の始まりでも、公生は”僕はまたひとりぼっちになる”と呟きます。それに対する宮園かをりの”私がいるじゃん”という返答は、宮園かをり自身はもしかするとそのままの意味で発言したのかもしれませんが、その後の公生にとってはそれ以上の意味をもたらしているように思います。

だからこそ、宮園かをりやこれまで会った人達との記憶全てを通し、結果として公生が”僕が今ここにいるのは みんながいたからだ”という考えにいたる場面は、とても心に残ります。始まりは母親に喜んでもらうために弾いたピアノが、心惹かれた人のためにもう一度弾き始め、そして、今の自分をつくった人、自分にとって大切だと思う人たちに聞いてもらえるように弾きたいと思うようになる。それは感謝かもしれないし、激励かもしれないし、願望なのかもしれません。そんなこんなの気持ちが、”耳をすませば 僕は たくさんの音であふれている””忘れられない風景が 僕を支える 奮い立たせる つき動かす”という言葉からあふれているように思えます。

しかし、そんな気持ちもありながら、やはりこの場面で公生が弾いた理由は宮園かをりのためであり、曲の終わりとともに宮園かをりの存在が自分の中で薄らいで離れていくところに悲しさや寂しさを感じざるを得ないところは、ヒューマンメトロノームと言われていた頃からは考えられない極めて人間的な一面だったのではないでしょうか。

初めてこの物語を読んだときは何となく悲しい気持ちになるお話だなとばかり思っていました。しかし、今改めて読み直すと、それだけではなくて、自分は何に心が踊るのか、何のために前を向くのか、色々と考えさせられる話となっていました。
こんな物語を読むことができて、私はとても良かったです。

1
2020年04月17日

ネタバレ

主役は公生

アニメのジャンルを見ると恋愛、青春どちらにも分類されている。
でも、私は公生の大事な人を失いつつもピアニストとして成長していく青春ものと思っている。
でなければ、かをりが死んじゃう意味が分からない(涙)
漫画で音楽を見事に描写した作品でした。緊張感、静寂、ざわめき、モノローグetc・・ライバル達の描写も凄く良かった。
多感で不安定な中学生という設定が良かった。その点で高校生の意味不明な恋愛ものにしてしまった実写は残念の一言。
手紙で締められる感動的なラスト。要所で登場する黒猫も良い味だしてた。
codaでこの作品は終わってしまったが、公生の高校生編も見たいのが本音です。
良い作品をありがとうございました。

1
2019年12月09日

ネタバレ 購入済み

最終巻まで一気に読みました。
涙、涙、涙です。
悲しい終わり方でした……。
涙が止まらない。
漫画を読んで、久しぶりに泣いたなー…

#泣ける #切ない #感動する

0
2022年02月22日

ネタバレ 購入済み

全巻まとめ買い

なんで、こんな泣ける作品なんですかね。
何度読み直しても泣けます。
生きていて欲しかった。

0
2021年09月17日

ネタバレ 購入済み

衝撃的展開

1巻からの巧みな音楽に乗せられてきて、変なタイトルなのをすっかり失念していたものの、最後に明かされた「嘘」!とても泣けます。

0
2020年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これで完結。
思った通りのラストになり、驚きはなかったが、やっぱり泣けた。
最後で使われているの、どんな曲だったか動画サイトへ聴きにいったら、スケートの羽生選手のショートプログラムのやつだった。
あの曲……すっごく場面に似合う。
せつなくて、はげしく、そしてやさしくもあり。
余韻が今も残る。アニメも全部観たいなあ。

0
2016年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有馬公生だだ落ちモード。。。
そりゃ、
片思いの女の子が危険なんですもんねぇ。。。

カヌレ食べたい。

なんど、
あなたはヴァイオリンを弾いてくれたんだろうね?
みんなの前で、
僕たちの前で弾いてくれたのは1回しかないのに、
なんど、
あなたはヴァイオリンを弾いてくれたんだろう。

へーちょ?
っちょ?
大阪?
澤部?

あなただけでなく、
みんな、
みんなが居てくれるんだ。
でも、
あなたに届け、
あなたと最後のコラボレーション。

宮園かをりがついた嘘。
有馬公生にはびっくりすぎますよね。
ちなみに、
今まで名前が登場してないけど1番いい味だしてたの、
柏木奈緒ですよ。
本編で確認してください。

「flumpool」の「星に願いを」を聞いても、
「Acid Black Cherry」の「眠り姫」を聞いても、
今は、
宮園かをりしか思い出せない病です。。。

あなたの居ない春に、
あなたに届くピアノを一曲選ぶとしたらどんな曲がありますか?
ラヴェル笑

まだ、
読み終わってません「いちご同盟」

0
2016年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

泣いた。鼻水たらして泣いた。
予想できた展開だけど、もう一度二人で一緒にステージに立つことを願っていただけに、幻想の中でしか叶わなかったのはとても悲しかった。

かをちゃんの手紙で「君が好きです。好きです。好きです」って連呼するとことかな、もう、連呼するのやめろよ、泣くだろ!!知ってたよ、こっちは!
的な感じで、鼻水止まらない。

公生がかをちゃんや今まで関わってきた人たちとの思い出を辿りながら、バラード弾くシーンは本当に素敵で、この子のための曲じゃないの、これ。とか思わされてしまった。
切なげで優しくて似合うんだよな、ものすごく。

0
2015年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
近づく東日本ピアノコンクール本戦の日。だが…病状が悪化したかをりを思い、公生(こうせい)は再び昏い世界へと落ちてゆく。それでも…必死に前を向こうとする少年と少女に、運命は如何なるものをもたらすのか? 青春×音楽×ラブストーリー、ここに完結!!

【感想】
マンガを先に読んでいて、その途中から始まったアニメを見たので、マンガではどんな風に完結するんだろうと、すごく気になっていた。アニメの終わりを見て正直、この終わり方をマンガで表現できるのかと疑問に思っていたけれど、それは愚問だった。あの感動を再び味わうことができた。すごくすごく素敵な物語だった。最後の方は、アニメもそうだったけど、泣きそうになるくらい、心を揺さぶられた。

0
2017年07月31日

ネタバレ 購入済み

有馬公正と宮園かをりの物語は終わった。「いちご同盟」のオマージュなのでこの結末はしかたないかな。それでも結構いい余韻をのこして終われたと思う。
作者は続編はないと言っているらしい。確かに「四月は君の嘘」の続編はないかもしれない。でも、有馬公正の青春編はありそうな気はする。
写真でかをりちゃんの隣にいた花束を持ったドレス姿の娘は誰なんだろうね。
次回あえるかな、あえるといいね。

0
2015年05月17日

ネタバレ 購入済み

もう一度二人が一緒に演奏している姿がみれなくて残念でしたが、
終始引き込まれる内容でした。
とても素敵な作品でまた読みたくなりました。

#泣ける #切ない #深い

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2022年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終巻。まだ中学生なのに母親を亡くし、恋をした相手が危篤って辛いなぁ。集中治療室から戻ってきたかをりと屋上で話す場面うるうるした。私の中に君がいるよって。そして迎える東日本ピアノコンクール。公生の状態は最悪。順番がきてピアノを前にしても尚下ばかり見る公生の空気を変えたのは椿のくしゃみ。無駄なストーリーなんてないんだな、と思った。まさか前巻で出てきた変なくしゃみがここで出てくるとは。弾き始めた公生はたくさんの観客を引き込んでいく。ここから最後まで涙なしに読めなかった。公生の見つけた音や、かをりへの想いとかを読んでたら涙止まらない。その上かをりからの手紙はさらに涙止まらなかった。公生のこと好きだったんだね。そう思ってもう一回読み直したいな。全11巻でちょうどよくまとまってて読みやすかった。

0
2018年04月02日

匿名

ネタバレ 購入済み

面白かったです。

登場人物の内面がよく描かれていて、話に引き込まれながら読めました。
舞台に向かう前の葛藤の緊張感、持っているものを全てぶつける演奏のスピード感や迫力、恋愛メインのシーンの高揚感や切なさ、日常生活の穏やかさなど、各シーンにメリハリがあり、読みやすかったです。
少し痒いくらいに気障でロマンチックな言葉づかいが最初気になったのですが、最後まで読んでみるとキラキラした青春ものらしさが出ていたし、ピュアで爽やかなだけではない切なく儚い雰囲気にも合っていて、むしろこれが良いのかもと思いました。
話の展開は最初から最後まで想像を裏切らず、それぞれの人物の考えや気持ちも言葉ではっきりとでも説明くさくない程度に書かれていて、テンポ良く進んでいくので、とても解りやすいです。何も考えなくても読み進められて、読後もまったく疲れませんでした。
どのキャラクターもなんだか憎めない良いキャラクターで、みんな幸せになって欲しいと思える良作です!

個人的に唯一突っ込みたいところは主人公のモラトリアム野郎ぶりです。最後、コンクールの前に落ち込んで先生に引っ張られるあたりとか、演奏中にみんなに感謝しはじめるあたりとかエヴァンゲリオンの碇シンジみたいでした。

でも面白かったです!

0
2017年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神童、有馬公生という14歳のピアニスト。
11歳で母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなる。

14の春に幼馴染の椿、渡とともに 宮園かをり を知る。
かをりはバイオリニスト。
ピアノの音が聞こえなくてもいいと、伴奏を頼み。
かをりの全身全霊での演奏、前向きな姿勢。
コンサートから離れていたが、引き込まれていく公生。
かをりに背を押され、立った舞台。
そこには今まで味わった事のない世界が。
徐々にかをりに惹かれていく公生。
かをりは渡が好き。椿は公生が好き。

かをりは緊急入院を繰り返し体調は思わしくない。

公生が舞台に再度立つに当たって、母の親友 紘子 が師匠となる。
そこへ公生によって人生を変えられて二人登場。
武士と絵見。
二人の想いは公生を突き動かす。
そんな時、凪が紘子の教えを請う。
紘子は公生に教えを託す。
実は凪、武士の妹。
凪の通う学校で学祭に公生が一緒に出演。
凪を引きずり、振り回す。凪は喰らい付く。

その様子をかをりに聞かせ。
かをりが少しでも 生きよう と再度前を向く。
が。
甲斐なく。

そんな時に渡されたかをりから公生への手紙。
実はかをりは公生を知っていた。
幼き日、ピアニストを目指していたかをり。
公生のピアノを聴き一緒の舞台に立つことを望んでバイオリニストに転向。
本当は、渡ではなく公生が好きだと告白されて。
全てはかをりのいない時間に明らかに。

椿も公生が好きだと告白して。
公生がかをりを好きだと渡も承知してた。

聞こえない耳を抱えながら、公生は前に進む。
音大付属の学校に進学することを希望して。
ライバルである武士、絵見と、弟子である凪と。
先生であり、第二の母である紘子と。

モノトーンで始まった物語は、極彩飾に彩られる。


アニメにもなった作品。
思った以上にアニメで泣けて原作を読んだ。
原作ではやっぱり補完される。
泣かされる。
その後、短編とかあったら嬉しいなー。
ふと、何年か後の彼らと会ってみたいと思った。

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2016年06月23日

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