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最近は出張なんてしていないので、本当に久しぶりの出張のお供のシリーズである「逆説の日本史」を読んだ。
井沢氏の説に賛同するか、首を捻るかは別にして、毎回興味深く楽しい本。
今回は江戸初期。武断政治から文治政治に向かう過渡期であるが、恐妻家の秀忠、人斬りを楽しむ男色家の家光、病弱な家綱。家康の子孫がなんかパッとしない。
しかし変革者には著者は評価を高くする。信長しかり、綱吉しかり。
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武断政治から文治政治への変換の観点での綱吉名君論は考えたことがなかったので大いに刺激を受けた。「鎖国」が外国からの評価の翻訳だとは知らなかった(無知)
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14巻が出たんで、とりあえず13巻から再読して復習。
半永続的に徳川政権が定着できるよう策が繰り出される江戸初期。家康の賢さや先見力は恐ろしい。鎖国のホントの意味や、茶道や能楽などの文化考察などテーマ盛りだくさん。
どーでもいい話だけど、家康と春日局がデキてて、その子が家光って「異説」をもとにしたら、トレンディー大河ドラマが出来るかもしれん。保科正之あたりも割と物語になると思うんだけどな。
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江戸文化と鎖国の謎
・徳川幕府の展開Ⅰ
鎖国とキリシタン禁制編
・徳川幕府の展開Ⅱ
大名改易と浪人対策編
・戦国文化の江戸的変遷Ⅰ
茶の湯の変質編
・戦国文化の江戸的変遷Ⅱ
演劇の変質編
・戦国文化の江戸的変遷Ⅲ
儒学の日本的変容編
・武断政治から文治政治への展開
古兵と遅れてきた青年たち編
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物事に対する先入観は、しばしば真実を覆い隠してしまう。そしてそれは、真実の正しい評価をできなくしてしまう。
私が中学校で学んだ歴史では、生類憐みの令の項で、蚊を殺しただけで流罪にされた例などが取り上げられていた。当時の私は江戸時代のことだから…と何となく鵜呑みにしていた。そしていつのまにか、変な政策を打ち出す、変な将軍というイメージが、綱吉に対して出来上がっていったなであった。
しかし流罪の話は、かなり曰く付きの者が噂に頼って書いたものであるらしい。
そのような、人々によって作られたイメージを剥がしていき、冷静に綱吉の政策をみていくと、とんでもない名君であった可能性が浮き上がる。(というか、こちらである方が、筋が通る)彼は世に蔓延していた“武断”の雰囲気を、憐などの道徳でまとめあげるものへと改革を行ったのだ。
イメージを打破し、何が真実に近いものなのかを見極められる力があれば、新たな歴史がみえてくる。
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この巻は江戸初期を中心に鎖国の成立や、茶道、演劇などの文化面を「井沢節」で語りながら江戸早期にあった政治の転換点を明らかにしていきます。
鎖国になった原因や利休の死の推理、歌舞伎の持つ独自さは幕府から規制された結果とかいつもながら面白く読みました。綱吉名君説の肉付けは次巻発売までの楽しみです。(単行本は出てるんですけどね)
週刊誌の連載だからか自説の繰り返しの多いのだけ難点。
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鎖国にいたった理由、経緯、
歌舞伎と能の違いにみる演劇史の変遷、
武断主義から文治主義への大転換、
愚昧とされた綱吉の政治家としての評価、等
長いスパンで歴史を見る著者ならではの見解に納得。
個人的には千利休切腹の真相が新鮮だった。
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2010/9/10 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2015/1/19〜1/30
久しぶりの逆説シリーズは安土桃山時代から江戸にかけて。利休、鎖国、家光に関する考察が面白かった。
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鎖国を、三代家光の時代に、なしくずし的に成立されたことを幕末には「祖法」として敬ってしまった。成立に至る過程や、初代家康の外交政策などは忘れられ、観念としての祖法を守り続ける思考停止。
これは、平和憲法を祖法として敬う我々に酷似している。
世界情勢を理解せず、偶然を勝手に日本の力と勘違いし、祖法を神聖なものとしてしまう思考停止。変わるのは黒船や原爆などの外圧があるときだけ。納得!
というスケールの大きい日本人論。
また、二章では、大阪攻めからずっと浪人対策という観点から述べる。国政爺、天草一揆、由井正雪の乱と。急な戦後で仕事のなくなる食い詰め浪人をどうするかという政治問題
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本巻では、元禄時代にさしかかるまでの江戸幕府の鎖国政策、武断政治から文治政治への変遷、さらに茶道、歌舞伎、儒教などの文化史があつかわれています。
本巻があつかう江戸時代初期において朱子学が支配体制を正当化するイデオロギーの役割を果たしたという見方は、丸山眞男の『日本政治思想史研究』(東京大学出版会、1952年)でも採用されていますが、こうした見方については尾藤正英が『日本封建思想史研究』(青木書店、1961年)においてつとに批判しており、朱子学がじっさいの政治にどのような影響をあたえていたのかということは、もうすこし慎重に判断するべきではないかと思います。
また著者は、「儒教は、こうした慰霊の問題に触れているにもかかわらず、自らは宗教(儒教)ではなく政治学(儒学)であると、言いたがる」と述べています。孔子を中心とする儒教が宗教であるということについては、たとえば加地伸行の著書などでも主張されていますが、儒教と宋学を区別せずにあつかっているのはやはり引っかかってしまいます。もっとも本書では、山本七平の主張する「日本教」の枠組みにそって「日本は儒教国ではない」というおおざっぱな議論をおこなっているにすぎないので、そのかぎりではこうした区別にあまりこだわる必要はないのかもしれません。
めっぽうおもしろい歴史の見方が語られている本シリーズですが、著者自身の「思想」が濃厚に示されているということに、いまさらながら思いいたったしだいです。
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流し読み。戦国時代から江戸時代初期までの変容を、主に文化的側面から解明している。筆者の知見の広さにはいつもながら驚かされるが、戦国時代編と比べると若干退屈な内容か。
第1章 徳川幕府の展開1
第2章 徳川幕府の展開2
第3章 戦国文化の江戸的変遷1
第4章 戦国文化の江戸的変遷2
第5章 戦国文化の江戸的変遷3
第6章 武断政治から文治政治への展開
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若き日の徳川家康を苦しめた浄土真宗信徒らによる「一向一揆」。家康は勢力を増していくキリシタンに「一向一揆化」の悪夢を見た。折しも江戸城大奥では、女中のおたあジュリアを中心にしてキリシタンが増加していた―。徳川幕府による「伴天連追放令」と鎖国の裏面史を抉り、「戦国日本」をリストラし、「徳川三〇〇年」の礎がいかにして築かれたかを解明する。
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ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。
13巻は散漫な印象。
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この時代は、あまり面白いこともなかったな。強いて言えば、徳川綱吉、名宰相説だが、これは、本書では触りだけで、詳しく触れていないので、別途他の文献をあたってみることとしよう。
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この本の前の巻を読んだのが2008年6月なんだけど、そこから2年以上音沙汰なくて、何があったんだろうねぇ、漸く今回13巻。中国との間が酷いことになっているけど、本当に我が国の外交下手には呆れ返るよね。この本の作者は、戦後の中国との関係を「対中土下座外交」と呼ぶけれど、ともあれ、日本人の外交下手は昔かららしく、そうした日本人がキリシタン禁令からなし崩し的に進めた政策が鎖国であると喝破する。浪人と島原の乱の関連の指摘や綱吉と生類憐れみの令に対する評価など相変わらず独自の視点に立つ舌鋒は鋭い。読み様によっては牽強付会の謗りを免れぬ理論構築ながら、いやまあ、色んな見方があることが分かって、それもこの本の価値ですね。江戸時代の文化の特徴を茶道と歌舞伎と朱子学から斬るという試みにはちょっと勝手が違った感じ。