【感想・ネタバレ】逆説の日本史12 近世暁光編/天下泰平と家康の謎のレビュー

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Posted by ブクログ

2005年のハードカバー発行時に読んでいましたが、6年ぶりに再読。関ヶ原の駆け引きはいろいろな本で何度読んでも本当に興味深いですね。(例: 司馬遼太郎さんの「関ヶ原」等) その後の幕府の仕組み作りも含め、家康という人の凄さ… 当たり前ですが。

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2011年09月17日

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信長・秀吉、2人の独創的な支配者の興亡を目の当たりにした家康が75年の人生を目一杯に使って築き上げた徳川幕府。
その権力の簒奪から確立までの権謀とその真意。
諸大名及び宗教勢力の統制政策、信長・秀吉からの流れで読み解く見方に納得。

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2011年09月07日

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 日本史に関しては、以前「中央公論」の日本史を読破した。学校の勉強では好きになれなかった歴史も、学業から離れ、趣味として接し始めると、これがなかなか面白いものだった。
 読み物として読めば、歴史上の様々な出来事は、フィクションよりずっと躍動的である。過去がなければ、今の自分もないなどと哲学的なことも考えたりする。
 さて、井沢氏の日本史は、視点がこれまでの歴史通史より多角的で、興味深く読めた。もちろん、第1巻から通読している。ちょっと、歴史学者に対する批判的文章は、鼻につく感じもするが、その辺は読み飛ばしてみると、新しい歴史観がすんなりと入ってくる。
 小説家の手になる日本史は、当然の事ながら一つの読み物として成立しているし、そればかりでなく歴史通史としてもかなり読みやすく、わかりやすい。

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2009年10月22日

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家康のスーパーマンぶりをかたる12巻。
裏の裏、先の先まで読んでいたと断定した論調だったが、家康も人間。そこまでは同調できなかった。
ただし、天海、本多正信などブレーンが得意分野で入れ知恵をしていればあるいはと思う。
次は江戸時代に本格的に突入する。何を題材にするか楽しみである。

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2021年11月27日

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12巻は徳川家康。
家康がどのような深謀遠慮を以て幕府を築いたかがよく分かる。「敵は分断して統治」という原則に従って本願寺の牙を抜いた手法などは、筆者も指摘するように凄腕だと思う。
宗教勢力を政治の支配下に置くという、現代の世界でも成し遂げられていない事を、信長、秀吉、家康は断固として実行した。日本に宗教戦争がないのはこの3人のおかげ。
感謝しないと。

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2013年09月17日

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ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。

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2013年02月27日

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天下泰平と家康の謎

・徳川幕府の成立Ⅰ
 序章としての関ヶ原編―「天下分け目の戦い」でいかにして勝利し たか
・徳川幕府の成立Ⅱ
 泰平への長い道編―保守主義者が好んだオーソドックスな手法
・徳川幕府の成立Ⅲ
 天下泰平の構築編―賢者のライバルつぶしの秘策「分断支配」

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2011年11月06日

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徳川家康の天下統一に至る思想や戦略が詳細に描かれており、自分なりに家康の「すごさ」を理解。関が原の戦いにおける各武将の策略も興味深く描かれており、現代の社会における政治的な動きと多々共通することもある意味で参考になった。
この徳川の歴史も武将らの判断や行動ひとつで大きく変わっていたのだなぁということを感じつつも、家康の力を実感した一冊。

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2011年01月13日

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 私は、一般週刊誌というものを定期購読したことはほとんどない。もちろん、ちょっとした時間に手の届く範囲に置いてあれば、それに目を通すことはよくある。時として、関心のあるテーマがあり、単発的に購入したこともある。

 「ほとんどない」と書いたのは、実は、ある時期、ほんの数ヶ月だが、「週刊ポスト」を続けて買ったことがある。

 井沢元彦氏の連載物「逆説の日本史」を読むためである。

 その後、いくつかの週刊誌が近くにあるときは、迷わず「ポスト」を手に取り井沢氏の「逆説の日本史」に真っ先に目を通す。

 しかしながら、碩学に対して、大変失礼な物言いになるかもしれないが、私はこの読み物は決して、歴史検証物だとか歴史解説書とは思っていない。「逆説」という言葉の中に含められているのだろうが、あくまでも歴史推理物、井沢史観解説書と認識して読んでいる。おそらくは、井沢氏ご本人もその認識ではないだろか。

 少々乱暴な推論や引用も多く見られるが、ご自身の史観を明確に打ち立てられ、日本の歴史に新しい価値観を吹き込もうという意欲は強く感じられるし、私は、心から敬意を感じている。そして、一読者として、この「作品」を楽しみにしている。

 ご本人も、この著作の中でも何度も書かれているが、井沢氏は歴史家、歴史学者ではなく作家である。だからこそ、日本の歴史を私たちにも分かりやすく、興味を持ちやすい手立てを打ちながら引っ張っていってくれる。

 先般、本屋さんにふらりと立ち寄る。ちょうど文庫本で12巻が発売されたばかりだ。久し振りだと思い、すぐ購入し、一気に読み終えた。そのまま、さかのぼって11巻も買った。

 歴史物は古い物から順に学んでいくよりも、逆に読んでいった方が、頭の整理はしやすいかもしれない。学校の授業でもそうすればいいかもしれない。

 知識の再整理にはもってこいの書物である。

 しかし、ある程度、日本の歴史を勉強してからでないと、少々危険なような気もする。やはり、井沢氏の思い、史観が強すぎるからだ。

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2009年10月04日

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秀吉没後、家康が天下をとり、江戸時代の基礎を固める歴史を、逆説的に語っておられます。
関ヶ原関連の本がもっと読みたくなります。

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2009年10月04日

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司馬遼太郎の「封建社会では恨みは世襲する」というワード。
関ヶ原の後の処罰により、薩摩、長州、土佐が恨みをもち続け、力を蓄え続け、徳川幕府を滅ぼすに至る。でも、家康は薩摩らを潰すまではできなかったわけで。自分ができなかったことをその先の世代に託したのもしれないが、それも忘れ勝者はおごり、260年かけて弱くなっていくのが切ない。
しかし、潜在的な脅威である天皇家の封印は見事。家康は脅威も対策も全部わかっていたのかもしれない。井沢元彦は徳川家康を「危機管理の天才」と呼ぶ。吾妻鏡を読み、鎌倉幕府の滅び方から学ぶ天才。血縁のスペアを作り、武家諸法度で大名を縛り、朱子学で下剋上思想を潰す。
だが、朱子学が天皇崇拝を導いてしまう歴史のおもしろさ。

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2024年01月28日

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この巻では、関ケ原の戦いから豊臣滅亡までの経緯と、家康によって江戸幕府の礎石がどのようにつくられたのかということがテーマになっています。

前巻とおなじく、天下を取るためにはたんに戦いに勝利するだけでなく、支配をどのように正当化するのかということが大きな問題になるという点についてのわかりやすい説明がなされています。基本的に著者の立場は英雄史観なので、シリーズのどの巻もおもしろく読めるのですが、戦国大名たちの武力による戦いよりも権謀術数や政治工作などにおける彼らの英雄ぶりが語られていて、手練れの推理小説作家でもある著者にはお手のものなのかもしれませんが、おもしろく読むことができました。

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2020年06月17日

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関ヶ原の戦いから徳川幕府を立ち上げるあたりのことがわかりやすくまとめられている。対抗勢力の力を落とすための方策が参考になった。

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2015年02月05日

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戦国時代もいよいよ終幕、天下泰平の徳川家康に焦点を当てる。魑魅魍魎の乱世を巧みに生き残り、権謀術数を尽くして75歳で天寿を全うした家康は、戦国時代の締めにふさわしい人物ともいえる。

学校では無味無臭な日本史が、歴史好きな筆者にかかるだけでこれほど人間関係に溢れた躍動感ある物語に思えることに毎度驚かされる。のちの明治維新につながるさ薩長の外様大名としての怨念は生きた歴史を感じさせられ、ちょっとした感動を覚える。

中身はとても面白く勉強にもなるのだが、「史料はない/史料はこうでも常識で考えればこうだ。だからこれで間違いないはずだ」という論法が多々展開されており、著者が度々批判する史料絶対主義の学者より性質が悪いケースが散見される。史料が不足している時代検証では成り立つ論法でも、多面的な一級史料が豊富な時代では、根拠に欠けると言わざるをえないだろう。その点は大きくマイナス。

第1章 徳川幕府の成立1 序章としての関ヶ原編
第2章 徳川幕府の成立2 泰平への長い道編
第3章 徳川幕府の成立3 天下泰平の構築編

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2014年05月15日

Posted by ブクログ

ここまで読み進み確信したのは、井沢シリーズ歴史の見方だけでは、やはりいけないのではないか。

氏の見解と客観的事実が、判然と区別できない時がある。私の歴史認識の甘さや、知識の少なさも当然あるのだろうが。
ともかく、批判的な態度、多角的な見方だけは失わないでいたい。

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2013年06月08日

Posted by ブクログ

最早恒例、年に一度の井沢史観。遂に戦国編完結、近世に突入。
今回もまた「史料絶対主義」に逆らい、「宗教の無視」を糾し、「通して歴史を見る」ことを貫く。
11巻に引続き信長−秀吉−家康をセットで見ることで通説に風穴を開ける。
関が原、かくして制されたり、というところも勿論面白いが、後半の宗教がらみの本願寺の分裂、檀家の成立、そして穢れから部落差別に論が展開されるところなどこの作者の真骨頂。
サラサラ書かれているけれど結構深い。もう一度、第4巻なども紐解かねば。

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2011年07月18日

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