辻堂魁のレビュー一覧

  • 仕舞屋侍
     九十九九十郎が小人目付退職後の生業として営む示談仲介屋。様々な事情を抱える人間から持ち込まれる依頼をしたたかに捌く九十郎を描く活劇人情ミステリー。シリーズ1作目。

          * * * * *

     主人公の九十九九十郎。この名じたいがすでに芸名っぽい。なにやら時代「劇」のにおいがプンプンします...続きを読む
  • 科野秘帖 風の市兵衛[14]
    腕も人柄も申し分ない宗秀先生がまさかの仇討ちの対象になり、藩医だったはずの彼が江戸で町医者をやっている理由も明らかになる。
    頼まれずとも宗秀先生に対する信頼と友情から背景を探る市兵衛さんの行動が何とも彼らしい。
    単なるサイドストーリーと思っていた鬼渋親子の問題も、いつの間にか真太郎がキチンと物語を締...続きを読む
  • 天満橋まで 風の市兵衛 弐[25]
     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。大坂編第2弾。
     シリーズ25作目。第弐部5巻。
     
          * * * * *

     今回も陰謀の規模は中程度でした。市兵衛にとっ...続きを読む
  • 春雷抄 風の市兵衛[11]
    今回の事実上の依頼主は代官所の手代の妻で、敵は密造酒で儲けを企む連合軍。
    酒は原料が米であり、この時代の米は幕府にとってある意味ではお金より大事な為政の基盤なので、ここに手を出すのは旨味が大きい分だけリスクも特大であり、悪者の単なる小者ではない。
    農業や酒造りに加えて流通の視点からいろんな計算をする...続きを読む
  • 風塵(上)風の市兵衛[9]
    ほぼほぼ話の進行は大体同じなんだけど、いい。
    今回は蝦夷が絡み、ロシアが絡んでと壮大な話になるのか....。
    このあたりは実際に読んでからのお楽しみ。

    起承転結の「起承」の部分のお話なので、
    お楽しみは後半へ。
  • 風塵(下)風の市兵衛[10]
    やっぱりこういう結末になったか。
    とても悲しい物語でした。
    真っ直ぐであるから故に、千人同心側の何人かが市兵衛の清々しい生き方にすぐに気がついたのだろう。
  • 風立ちぬ(下)風の市兵衛[7]
    歌さんがいた場所は意外だったけれど、振り返るときっちり仕込んでありましたね。初めて市兵衛が惹かれている様子を見せた女性だけに、欲を言えばもう少し発展して欲しかったけれど。。。
    鬼渋や弥陀ノ介と連携するところは見せ場だったし、因縁の対決も味わいがあるものの、シリーズ最高傑作と言えるかは疑問。
  • 風立ちぬ(上)風の市兵衛[6]
    市兵衛と過去に何かあった雰囲気の僧といい、魅力的な歌さんといい、今回は奉公先の事件もさることながら市兵衛の周りが騒々しい。
    下巻にどんな展開が待っているのか楽しみです。
  • 天空の鷹 風の市兵衛[5]
    今回は少し趣向を変えて、美女は登場せず、また元々江戸の住民でもない老侍を助けることになる。
    市兵衛の優しさと中江半十郎の背筋が真っ直ぐ伸びた生き方の組み合わせが清々しい。
    後半の壮絶な乱闘シーンは本書の見せ場の一つですが、市兵衛にはここまで血に塗れて欲しく無いと思います。
  • 月夜行 風の市兵衛[4]
    市兵衛さん、格好いいな。
    自分の能力だけを頼りに、何事にも縛られず、自分が正しいと信じることだけを実行する生きた方ができるなんて羨ましい。
    ちょっと強過ぎるし、女性への興味が無さ過ぎですけどね。
  • 天空の鷹 風の市兵衛[5]
    悪の構造はホトンド同じで、それに巻き込まれる市兵衛
    というパターンも同じ。
    なのになのに面白い。

    今巻の見どころはチャンバラ部分。
    いつもはアッサリめだけど、今回は大人数相手なので
    市兵衛の奮闘に力が入った。

    しばらくこのシリーズを読みすすめることになるかな。
  • 月夜行 風の市兵衛[4]
    安定の面白さ。
    今回もハラハラドキドキなんであります。
    善悪の構図は大体同じだが、よくネタが続くものと感心する。

    今回のキモは剣豪との対決(という割にページ数は少なかったが)。市兵衛は勝てるのか....って勝つけど。
    このあたりの描写はあっさりしすぎてて、ちと物足りなし。

    同シリーズを2巻続けて...続きを読む
  • 帰り船 風の市兵衛[3]
    今回の市兵衛さんは調査に積極的だし、いくら味方の安全を守るためとはいえ乱闘場面でも鬼神のような先制攻撃を見せるし、少し姿勢が変わってきたように感じました。
    毎回奉公先の女性が魅了されている雰囲気があるにもかかわらず、思わせぶりな態度すら取ることなく相手にしない市兵衛は、単なる朴念仁なのか、それとも意...続きを読む
  • 帰り船 風の市兵衛[3]
    正義は勝つのだー。
    もーわかり易すぎるベッタベッタな話なのだが、
    次が気になって一気読み。
    面白い。面白すぎる。

    主人公が強いので、最後の真剣勝負のところで
    勝つとわかっていてもハラハラドキドキ。
    買った後の爽快感が癖になる。

    浅見光彦江戸編という感じか。


    時代モンは癖になるのぅ。
    ドラマも...続きを読む
  • 雷神 風の市兵衛[2]
    全巻に続き今回も面白い。こらハマるのがわかる。
    時代劇によくある典型的なストーリーなのだが
    話の運びがうまいのか、登場人物の描写がうまいのか
    ワクワクテカテカがずーっと続き、飽きない。

    話の筋は予想できるが、予想を上回る面白さ。
    次巻も期待大。
  • 風の市兵衛[1]
    こら面白い。次巻欲し病になること間違いなし。
    話としてはベタなストーリーなのだけど、
    話の展開と文章の読みやすさが相まって、ページを捲る手が止まらん。
    一気に読んでしまった。

    時代モンは癖になるのぅ。
    ドラマも気になる。
  • 雷神 風の市兵衛[2]
    シリーズ第2弾。既にレギュラーメンバーが固定されつつあり、安心して読めるようになってきた。
    期間限定で雇われる渡り用人という設定だからこそ、一冊ごとに完結できて飽きさせないところが良い。
    その分毎回新たな奉公先の背景を考えるのが大変だと思いますが、それを上手くこなしているからこそ人気シリーズになった...続きを読む
  • 風の市兵衛[1]
    算盤侍といういかにも武士が本来の役割を見失った江戸時代らしい職業?の主人公 市兵衛が、会計やビジネス開発の能力を活かして生活に困っている武家に期間限定で雇われて構造改革をサポートする。
    市兵衛は単なる頭でっかちの侍ではなく、家柄が良く、文武両道でかつ正義感が強い弱者の味方という分かりやすいヒーローな...続きを読む
  • 介錯人

    面白いが・・・

    牢の首切り役人の手代わりを生業とする、剣に天賦の才を持つ別所龍玄の物語。死を与えられた者と死を与える者との関係を描いています。ただ、天才肌の別所龍玄に私は没入できませんでした。その分、星を一つ減らしました。
  • 秋しぐれ 風の市兵衛[16]
    病院の待合室でたまたま手に取りなんの気なしに読んだれば、「あ、これNHKでやってたやつだ!原作これかっ!」と。以来ここ2、3ヶ月風の市兵衛シリーズにハマっており順次シリーズ攻略中w 20余巻あるそうだが全然飽きない。 
    「秋しぐれ」は親の心が切ない話。