フェルディナント・フォン・シーラッハのレビュー一覧

  • テロ
    実際にこんな事件があったら、そして裁判が行われたらこの通りだろうと思わせるリアルさ。語られる言葉一つ一つがすべて正しくて真に迫っています。ずしんと響いて、何度も読み返してしまいます。法律家シーラッハの真骨頂をみたようです。舞台になって、映像化も計画されているようですね。見てみたいです。
    おまけ?のス...続きを読む
  • 罪悪
    心が痛む話が増えた気がする…でも、実際にこういった出来事は今、この瞬間にも世界のどこかで起きていることかもしれなかい。
    小説というには、現実的すぎて怖くなる。
    でも、また読みたくなってしまう不思議。

    早く続きが読みたくて、駅のホームと、信号待ちで、歩きスマホならぬ、歩き読書をしてしまったわ(笑)
  • 罪悪
    20160423 今度はどう騙されるのか?意外性の有るストーリー展開が読んでしまう理由。短編だからできることというよりもこうしたいから短編なのだと思う。
  • 罪悪
     ミネット・ウォルターズの中編『養鶏場の殺人』が、とても強く印象に残っている。ウォルターズとしては珍しく、実際に起きた事件を小説化したものであり、やはり実際に起こったことのほうがむしろ小説よりも奇という場合もあるのだな、とじわじわと背筋に迫る人間の怖さを感じたりしたものだ。ついでに言えば、当該作品は...続きを読む
  • カールの降誕祭
    薄氷を踏むような危うさ、一度踏んでしまえば、繰り返される麻薬のような体験。日本にも興味があるらしいシーラッハの仕掛も効果的です。
  • カールの降誕祭
     犯罪、罪悪のような、淡々としてそれでいて怪しさをはらむ数式のような短編集。正直、シーラッハはすごく好きなんだけど前作「禁忌」が個人的にイマイチだったので不安だったが、これはヒット。
     これぞシーラッハ節、というような芸術や文化たる整然さと人の業たるカオスさが混ざり合ってなんとも言えず不気味な雰囲気...続きを読む
  • 刑罰
    ・感想
    シーラッハはコリーニ事件しか読んでないけど淡々とした平易な文章は変わらず。
    様々な事件のその罪の在り処と与えられる罰の話。
    善と悪とかではなく罪と罰の話ではその「罪」は法治国家である以上は法律によって裁かれ、与えられる罰の量も法律によって決まる。
  • 犯罪
    ・あらすじ
    刑事事件専門の弁護士である作者が罪を犯した人々を描く短編集。

    ・感想
    シーラッハ3作目なんだけど特徴的な修飾のない平易な文体は読んでると自分が参審員になった気持ちになる。
    罪に問えない、問いたくない…物事は全て複雑。
    特に好きなのは序、フェーナー氏、棘、エチオピアの男。
    最後の「これは...続きを読む
  • 刑罰
    刑事事件弁護士として活躍する著者が、罪と罰の在り方を問う12編。


    デビュー作『犯罪』、第二短編集『罪悪』に続く短編集3作目。翻訳者さんによるあとがきによると、作者さんは当初から三部作を構想していたそうです。

    作中でどんな犯罪を描こうとも、書き方は常に淡々としていて心情描写も薄い。それなのに、何...続きを読む
  • テロ
    今年の11月は濃厚過ぎたw

    ってな事でフェルディナント・フォン・シーラッハの『テロ』

    ドイツ上空で164人を乗せた旅客機がハイジャックされた。その旅客機は7万人の観客が居るサッカースタジアムへ向けて突っ込もうとしている。

    緊急出動したラース・コッホ少佐は極限の状況で164人を乗せた旅客機か7万...続きを読む
  • 神

    戯曲形式で自死の問題を議論する書籍。高齢化が進むなか、自分も100歳を超えて自力でご飯が食べれなくなったらどう考えるかなと思っていた。本作品は78歳で妻に先立たれた人が医師による自死を求めて訴えるという内容。自分が思っていた対象とは少し異なるが、一度認められるとどんどん拡大解釈され、優性思想が蔓延り...続きを読む
  • 神

    安楽死についてのドイツの戯曲。
    テンポよく読める。アメリカの法廷ドラマを見て法律を全く知らないのに弁護士の論破が面白く感じるアレである。
    しかし本題の安楽死は、P165の解説にもあるが、西洋的価値観について日本人が同じ土俵で語ることは難しいという現実がある。
    だから日本人からすると違う世界の話であり...続きを読む
  • 珈琲と煙草
     タイトルに惹かれて読んでみた。
     近年目にした映画(『犯罪』『コリーニ事件』)の原作者なのね。ご職業は弁護士だとか。

     エッセイともルポとも短編とも見分けのつきにくい話が、長短さまざま48篇収められている。ブツブツと寸断されるので、なかなか読みすすむ勢いがつかず時間がかかった。

     とはいえ、そ...続きを読む
  • 刑罰
    持ち歩いて出先で少しずつ読む用に買ったのに、読み始めたらとまらず一気に読んでしまった。
    救いのない話ばかりで、どこが面白いのか訊かれても答えられないのに。
    シーラッハの事実だけを淡々と描写する文章が好きなんだと思う。
    解説を読んで三部作の二作目『罪悪』を飛ばしていたことに気づいたので読まなければ…。
  • 刑罰
    やや星新一のようなブラックな読後感の短編集です。
    こちらはSFではなく、ミステリですが。

    人を殺した、という「罪」を抱く人々が裁判を通して「罰」を受けるというのが法治国家の当たり前の姿ですが、証拠として揃ったものから論理的に判断しているようにみえても、巧妙に真相が隠されていたり、罪を被った人が実は...続きを読む
  • 禁忌
    日本語版に寄せられた「日本の読者のみなさんへ」による、著者のメッセージーの中のーうらを見せおもてを見せて散るもみぢ 良寛ーの俳句。善悪二元論で語られる宗教とは違い、全てを内包する仏教。散りながら、裏とおもてさえもどちらが裏でどちらがおもてなのか?作品の中で語られながら、この俳句では語り尽くせない人間...続きを読む
  • 珈琲と煙草
    著者は、刑事事件の弁護士であり作家でもあるドイツ人。自身の記憶や家族のことなどと、小説のようなエッセイが48編。戦争が始まる直前のウクライナでの話もあった。
  • 罪悪
    ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の短篇集『罪悪(原題:Schuld)』を読みました。

    「ハラルト・ギルバース」、「アンドレアス・フェーア」に続き、ドイツ作家の作品です… 「フェルディナント・フォン・シーラッハ」作品は、約2年前に読んだ『犯罪』以来ですね。

    -----story...続きを読む
  • テロ
    ――

     少し趣を変えて、フェルナンド・フォン・シーラッハによる戯曲。
     よく見たら本屋大賞翻訳部門獲ってたから趣変わってないかも。

     2013年、ドイツ。テロリストによってハイジャックされた旅客機が、7万人の観客が集うサッカースタジアムに墜落させられようとしている。緊急発進した空軍少佐は独断でこ...続きを読む
  • 犯罪
    大好きな本屋大賞、2012年の翻訳小説部門第1位作品、このミス第2位等々、多くの賞の受賞作ということで手にした一冊です。

    著者の作品は初読みでしたが、著者がうまいのか、訳者がうまいのか、やはり両者がうまいんでしょう。
    ※翻訳がうまいと感じたのは「獣どもの街(ジェイムズ・エルロイ)」の田村義進さん以...続きを読む