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一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。――魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件専門の弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。クライスト賞ほか文学賞三冠、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作。単行本より改訂増補された最新決定版!/解説=松山巖
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年06月02日
「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうもののひとつだ」
序章の一文が象徴するように、この短編集は、いろいろな出来事が積み重なっていき、後戻りできない犯罪を犯す人々を描いている。
犯罪を犯す刹那は、今まで踊っていた薄氷が不意に割れて、冷たい氷の下に落ちてしまう瞬間のようだ。誰だってそうなる可能...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月18日
すごかった…うまく言えないけどすごく引き込まれる短編集。二作目から読んだけれどストーリーにはなんの支障もなかった。今作の方がまだ、事件が読みやすいかも。(個人的には二作目のあのもやっとする感じもとても好きだけれど)
どれもすごかったけれど、タナタ氏はなんか怖いけどすごく印象に残る。チェロのやるせなさ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月11日
ドラマチックな事件など一つも起こらない、しがない市井の人々の犯罪を弁護士である語り手の目線で綴った短編集。
事件そのものと、人々が犯罪を犯すあるいは巻き込まれるに至る経緯が、簡潔で短いながらも時間と空間を自在に感じさせる文章でこれ以上ない程淡々と語られる。
しかし読めばその人物たちそれぞれの「事情」...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年05月01日
本物の弁護士が書いたミステリーで、「現実の事件に材を得て」とあったので、とてもリアリティーを感じました。
一般的なミステリーとは違って、いろんな境遇の人たちの感情を描いた作品になっています。それでいて文体は極めて簡潔で、冷静なものです。
描き方も一捻りあって、中には最後まで読むと「?」となり、頭から...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月03日
こういう本を読むと、彼の国はそんなことになってるのねー、と興味深い。ドイツの本てのもなかなか読む機会ないしね。
EUでは優等生のドイツだけど、暗部も抱えていそうで。でも金のあるところには人も犯罪も集まるということで、やっぱ活気があるんだろうな。
というわけで色々と犯罪ネタがあって興味深い。よくある移...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月25日
ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の短篇集『犯罪(原題:Verbrechen)』を読みました。
ドイツの作家の作品は… 「エーリヒ・マリア・レマルク」の長篇戦争小説『西部戦線異状なし』や、幼い頃に読んだり、聞かせてもらった「グリム兄弟」の童話『ヘンゼルとグレーテル』や『赤ずきん』...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月30日
小説とルポタージュの境目を漂い、不思議な読書感を味わう。
作者は弁護士という職業から見た、様々な刑事事件を小説にしたという。
(守秘義務から実際に担当した内容は用いていないとあとがきにあったけど)
そこには大掛かりな組織犯罪や陰謀もなく、サイコキラーなどの強烈な犯罪もない。
一歩逸れれば誰にでもあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月03日
評判通りのすごい短編集だ。
犯罪にいたるまでの経緯を事細かに描写したもの、事後の顛末を描いたもの…どの話も興味深く、かといって興味本位だけで終わらず、何かしら考えさせられる。
犯罪の内容も様々、中にはショッキングなものも出てくるが、最後の「エチオピアの男」のおかげで読後感はいい。
残念ながら誤訳が...続きを読む
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