フェルディナント・フォン・シーラッハのレビュー一覧

  • 罪悪
    「犯罪」よりも表現がえぐいところがあり,ところどころ読むのがきつかったかも。「解剖学」は結末が面白かった。小説では運転手に情状酌量が認められたような終わり方でしたが,日本ではどうなんでしょう?
  • テロ
    うーん、よくわからん。ハイジャックされた航空機が、7万人を収容するサッカー場に突っ込もうとしている。法に従った命令を無視し、航空機を撃墜して乗客を死なせた軍人の行為は有罪か無罪か。二通りの結論が用意された戯曲なのだが…。

    「法」について語ろうとしているのか、「倫理」についてなのか、あるいはその関係...続きを読む
  • テロ
    160頁足らずのお話は法廷戯曲。結末は読者に委ねられているのでオチもなし。

    タイトルは『テロ』だけど、中身はちょっとニュアンスが異なる。起こすテロではなくて防ぐテロ。そこに犠牲者が加わり、さらに法廷で裁こうとするからシンプルな筆致ながらも中身は徐々に重くなる。尊い人命は天秤にかけられないが、これか...続きを読む
  • 罪悪
    あ、あれ…?前作の「犯罪」が好きだったから手に取った続編。のはずなんだけど、こんなだったっけ…?
    ざっとしか読み比べてないから違うかもしれないけど、随分「小説」に近づいた印象。前作は裁判記録や弁護士として聞いた証言から「最低限の物語」を抽出していた感じがする。表現は端的で正確、筆者の想像力は最低限に...続きを読む
  • カールの降誕祭
    シーラッハ作品は、「犯罪」しか読んでいなかったので、本作が2作目になります。

    が。

    大分前に読んだから、詳細覚えてません←

    この本を読んでる時に浦沢直樹のMONSTERに出てきた絵本を思い出した、ってことを思い出しました←←

    クリスマスには殺人事件が増えるっていうフレーズ、クリスティ作品に無...続きを読む
  • カールの降誕祭
    シーラッハらしい危うさに満ちた短編3作。
    その怖さを感じるためには自分の想像力も必要。ただ他の作品を読んでいるとパターンが読めてしまうのが残念ではある。
  • カールの降誕祭
    クリスマスプレゼントにちょうどいい短編3つを収録した本。相変わらずシーラッハは読みやすく、この本は1時間もかからない。
    筆者の犯罪者への眼差しが温かく、悲惨な事件でも読後が暗くないところが好きなのだけど、同じパターンが続くのでそろそろ飽きてくるかも。
    ちょっとした刺激、クリスマスならではの人の温かさ...続きを読む
  • カールの降誕祭
    シーラッハ、新刊が出るとつい読んでしまう。
    今回は薄くてすぐ読めた。
    元弁護士だけあって実話を元にした話しが興味深い。
  • カールの降誕祭
    全編93頁だが、うち10頁は訳者あとがき。

    相変わらずの無駄なし筆致。でも短けりゃいいってもんじゃない。短すぎてブラックさに欠ける。短すぎてフツーのお話でしかない。行間から罪とか狂気とかを読み取るのがこの作者の醍醐味なのに、変な挿絵と余白の多さで世界に入り込めなかった。

    絵本みたいな本にこのお値...続きを読む