清澗寺家シリーズ1
長男国貴の話
<イラスト>
円陣闇丸
<あらすじ>
大正時代、華族である清澗寺伯爵家の長男・国貴は、幼い頃にある事件が元で離れ離れにされた運転手の息子・成田遼一郎と偶然再会する。
没落しつつある一族を背負い、その重圧に押しつぶされそうになっていた国貴は、幼馴染の遼一郎とすご
...続きを読むす時間に安息を求める。
しかし、遼一郎が実は社会主義運動に傾倒していることを知り・・・。
清澗寺家シリーズ1巻目です。使用人の息子(攻)×華族の嫡男(受)。BLジャンルで言うと主従モノということらしい。
長男・国貴はまじめで堅物「であろうとする」まさに典型的長男。一人、世間と、家族と、時代と闘いながら清澗寺家をなんとかしようともがいていたわけですが、本当は逃げ出したかったんですな。ラストの彼の行動はすごい。
ある意味序盤の彼とは正反対の行動に出ますが、実はすごい熱を溜め込んでたんだなという、思い込みの強そうなところは序盤から見えていたのでそれが逆に切なかったです。っていうか思い込んだら一直線、決してひかない彼のような人は、大正という時代にとても合っていると思いました。
大正スキーとしても、大正という時代のにおいがきちんと感じられる作品だと思いました。ラストの逃避行先のチョイスがツボです。
しかし。今読み返して驚きましたが国貴は27歳だったのか・・・けっこう歳がいっているのですね。
どうでもいいけど、裏表紙のあらすじに書いてある、遼一郎の「命に関わる重大な秘密」って何だろう? ラストに判明するアレかな?
たしかに命は懸かってるけど、あれを「命に関わる重大な秘密」とは表現しない気がする。
追記:
はじめランクを★★★★☆にしていましたが、シリーズ全部読んでからもう一度読み返したら★★★★★になりました。
一途でまっすぐな国貴がとても愛しい。
でも、遼一郎がもし国貴を好きじゃなかったら、非常に迷惑なストーカー野郎だと思う(笑)