遠藤周作のレビュー一覧
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この世は「悲しみ」でできている。本書を読み終えてまず思った感想は、こうだ。本書は複数の文学賞を受賞し、映画化もされた著名な『海と毒薬』の続篇にあたり、同作に登場した勝呂医師がふたたび登場する。『海と毒薬』の内容をもう1度おさらいしておくと、第2次世界大戦の末期、九州帝國大學において、捕虜になった米兵...続きを読むPosted by ブクログ
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登場人物が、あちこちで関係を持つのがフィクションならではだが、勝呂医師には共感できる。勝呂を糾弾する記者折戸に対する同僚野口の言葉。「絶対的な正義なんてこの社会にないということさ。戦争と戦後のおかげで、ぼくたちは、どんな正しい考えも、限界を超えると悪になることを、たっぷり知らされたじゃないか。君があ...続きを読むPosted by ブクログ
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手紙の大切さ、手紙の書き方について書かれている。
当時に比べて今は手紙を書くことがあまりなくなって、この作品に教えてもらったことを実践する機会があるかどうかはわからないが、それでも読んでよかったと思えた。
どんなコミュニケーションにも通ずることばかりだったし、何より、読んでいてとても楽しかった。
ユ...続きを読むPosted by ブクログ -
一つの時間に起こった出来事について、登場人物それぞれのシーンに時折切り替えながら物語が展開していくのですが、切り替えリズムが斬新で、独特の世界観が感じられました。登場人物一人一人の心情の動きの描写について、綺麗事だけでない苦しみや醜さの塊の部分も描かれている点が、尚心惹かれました。また、絶対の“正義...続きを読むPosted by ブクログ
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マリー・アントワネットは、フランス王妃。14歳で結婚し、37歳でギロチン死刑となるが、フランス革命は王妃のお金遣いが荒いせいだけではなく、軍事費(アメリカ独立革命に干渉してのこと)によって財政の苦境に見舞われた。王妃のスキャンダルもあったが、実際は王だけで浮気はしていない。スウェーデン人ウェルセン伯...続きを読むPosted by ブクログ
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マリー・アントワネットは、フランス王妃。14歳で結婚し、37歳でギロチン死刑となるが、フランス革命は王妃のお金遣いが荒いせいだけではなく、軍事費(アメリカ独立革命に干渉してのこと)によって財政の苦境に見舞われた。王妃のスキャンダルもあったが、実際は王だけで浮気はしていない。スウェーデン人ウェルセン伯...続きを読むPosted by ブクログ
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強いことが全てじゃないし、弱いことは悪いことだと思わないけど、自分の弱さのせいで他人に迷惑をかけたり不幸にするならそれは反省すべき改善点でしかないと思うのです。
伊藤はそのことを知っているのに同じことを繰り返す。それは反省する自分に酔ってるだけ。弱き者はつべこべ言わずに従えばいいのです。それもまた強...続きを読むPosted by ブクログ -
海と毒薬の後日端らしい。売ろうかと思ったが思いとどまり、読み出して止まらなくなった良作。落ち着いたときに、もういちど読み返してみたいものだと思う。Posted by ブクログ