酒見賢一のレビュー一覧

  • 陋巷に在り6―劇の巻―
    この第6巻では前回のやきもきした展開が怒涛のように進展します。まず、妤と五六が顔回が登場することにより助け出されます。顔回の登場はやっぱり待ってました!と期待するところです。危機に際しての彼のスタンスは勇者といえるものです。力まず向かい合い、それを自覚して恐れをなすといった心がまえは礼を学ぶものにと...続きを読む
  • 陋巷に在り2―呪の巻―
    13巻シリーズの2巻目です。この巻から主人公顔回の生得の能力、巫儒の一族としての呪力発揮の場面が盛んに登場します。俄然物語は面白くなります。そして、このシリーズでは欠かせない悪役たち(少正卯、悪悦 )の正体、そして謎の美女、子蓉がとうとう顔回の前に姿を現します。念の入った唐変木であるという巷の評価の...続きを読む
  • 陋巷に在り5―妨の巻―
    ますます面白い!!鏡蠱の術におちた妤。五六は気が付かない顔回を頼らず一人で妤を守ることにする。あの活発だった娘、妤の面影は鏡の魔力で見る影もない・・・一方 三都毀壊を進める孔子は費城を占拠する公山不ちゅうと悪傑の奸計で不和を生じる。あのお転婆な妤がこんな事になってしまうなんて、顔回、何やってるんだ・...続きを読む
  • 陋巷に在り4―徒の巻―
    今回、子蓉の標的になったのは妤。少女が鏡に魅せらるのは、今も昔も変わらないけれど、古代は鏡そのものが希少だし、とても高価。こんなものを貰って誰にも言うなと言われたら、その通りにしてまうのだろうな。妤の変容に顔回はいつ気が付くのだろう。顔穆を失った太長老は小正卯に仕掛ける。その内容が凄い。相変わらず面...続きを読む
  • 陋巷に在り3―媚の巻―
    面白いです。こんなに面白いなんて・・・なんで絶版なんだ?!!
    泣ける!!!顔儒として太長老の守り役としてまっとうした顔穆(がんぼく)。ああ、孔丘(孔子)の屋敷まで這う姿が・・・・子蓉の媚術の凄さは慄然とする。
    顔回、妤、孔子、小正卯、悪悦・・役者が揃ってますます白熱。そして、日本にも今に伝わる節分の...続きを読む
  • 陋巷に在り2―呪の巻―
    面白い・・・陽虎との対決、怪物、饕餮(とうてつ)とのやり取りはもう面白すぎ。だけどこの巻の一番は八佾(はちいつ)の事だったりします。
    これは天子のまえで礼のために八人八列で踊る舞の事。天子にしかゆるされません。八X八は易の八卦にもつうじ、64の卦で世界を表します。なので世界(宇宙)を統べるのは世界に...続きを読む
  • 陋巷に在り1―儒の巻―
    面白かった!顔回、孔子、陽虎・・・諸星大二郎さんの表紙絵もあって「孔子暗黒伝」を思わずにはいられない。妤が可愛くて、顔回とどんな関係を築くのかすごく楽しみ。孔子が活躍したのは紀元前なんですね。改めて凄い!実はこの本、出たときにも手に取ったんですがその時は読んでませんでした。だけどずっと気になっていま...続きを読む
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    歴史が苦手な人でも割と気軽に読める…はず。だが、電車やカフェなど公共の場所で読むのはお勧めしない。絶対吹き出す。
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    いじめられた相手に「火計だ!」と称して火をつけたり、やりたい放題の孔明さんが、とにかく面白い。早く三巻読みたいのに何時まで経っても出ない。
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    三国志はその昔、横山光輝が描いた漫画の三国志から知識を得た程度です。それとしばらく前に漫才の島田伸介と竜介が解説をやっていた「NHKの人形劇の三国志」が私の知識の源であるからいささか心もとありません。最近では映画でレッドクリフ(観てはいませんが・・)が公開されたりして一般的ともいえるのかもしれません...続きを読む
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    読者の三国志への愛と経験が試される一冊。
    読む側の知識に応じて、面白さの度合いが露骨に変化することでしょう。
  • 分解
    『ピュタゴラスの旅』『エピクテトス』『童貞』のような古代史を下敷きにした物語から『分解』『音信不通』『この場所になにが』のように世界のあり方にせまる作品、また、『泥つきのお姫様』『ふきつ』といった心霊世界を皮肉ったコメディと幅広い作品集。
    世界を語りながらそれのみが主眼にならず、物語自体が滅法面白い...続きを読む
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    快作、というよりむしろ怪作の範疇?!「陋巷に在り」からの流れで手にしたが、こちらの方で嵌った。「後宮小説」以来、ほとんど読んでなかったので、しばらくは酒見賢一祭りが楽しめそう。
  • 陋巷に在り1―儒の巻―
    孔子の弟子である顔回を主人公として、論語が書かれた時代の中国の物語が展開されていきます。よく知られている論語の言葉もこの物語の文脈で語られると全く違った意味合いになってくるところが面白い。文庫本で13巻という長い物語ですが、呪術の応酬あり、政治的な駆け引きあり、黄泉の国への旅ありと、飽きさせません。...続きを読む
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部
    絶好調の酒見節に、時に声をあげて笑いながら楽しませてもらった。
    これまで、三国志は吉川英治版しか読んだことがないが、それと比べると各キャラクターが全くの別人のよう!
    特に劉備は、「これでよく三国のうちの一国を担えたものだ」と不思議に思えるほど、将の器でないダメダメな男に描かれている。
    でも、それが面...続きを読む
  • 後宮小説
    中国のような架空の国の宮廷が舞台のファンタジー。
    なんだかファンタジーとは思えないぐらいリアルで最初から最後まで一気に読みました。
    銀河の無邪気で元気な様子にこちらも元気付けられます。

    アニメになっているそうなので機会があったら見てみようかなと思います。
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    もう何か、色々通り越してみんながみんな可愛い(笑)
    私はこうゆうの、すんごい好きなので酒見さんありがとう!って感じでした☆
    わたしの中の劉備もだいぶ壊れたところで(笑)、これから第二部突入ですが文庫化してないんですねえ。重たい本を持ち歩く日々になりそうですが、孔明がちゃんとやってけるか心配なので張...続きを読む
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    不思議な三国志です。
    お馴染みの英雄たちにこんな一面が⁉
    みんな人格的に欠点だらけなんですが、それがかえって魅力的。
    物語も何処かおちょくった感じで進んでいきます。
    第一巻では三顧の礼あたりまで話が進みますが、天才軍師を迎えるために一国の主が最大級の礼を尽くしたというあのエピソードもこの作者の手に掛...続きを読む
  • 陋巷に在り1―儒の巻―
    古代中国史の知識の薄さと、何巻にも渡って物語が続くことから、酒見さんの作品の中では唯一敬遠していたもの。けれどそんな心配はやっぱり杞憂だったよ、ほんと。
    言わずと知れた孔子、およびその弟子たちの当時の動向を、作者が丹念に丹念に資料を追って書き紡いだユーモアに満ち溢れた作品。ユーモアというのは、現代日...続きを読む
  • 墨攻 4
    これで梁城の話は決着がつくんですね。
    映画はここまで。映画と違って主人公が追い出された恨みつらみをくどく描いたりせず洪水で片をつける。情にからめないとこがスッキリしていていい。
    投人器といった武器、兵の闘争心(連絡ができないので自分を死体として出して傷跡を残すなど)など一味違った展開を見せて読み応え...続きを読む