酒見賢一のレビュー一覧

  • 陋巷に在り2―呪の巻―
    陽虎との戦いが終わったと思ったら、次は少正卯との暗闘。
    二人とも、たしかに『論語』の中で見たような名前だけれど…こんなことになっていようとは(笑)。

    本巻前半では顔回は全く登場せず、あれ?と思ったが、後半では異能ぶりを存分に発揮。
    顔回の中の「儒」には収まりきらない過剰さが今後どういう展開になるの...続きを読む
  • 陋巷に在り1―儒の巻―
    新本で手に入らなくて、古本屋を探して、探して・・・ようやく手に入れた。
    これまで白川静の『孔子伝』などを読んできた。
    祭祀などをしきる「儒」という社会集団から孔子が出たということが書かれていたけれど、正直、なかなか具体的なイメージがわかなかった。
    この本を読んで(無論フィクションも含まれているだろう...続きを読む
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    最近酒見さんの「周公旦」や「墨攻」を読んだ。
    「後宮小説」のあの人が、こんなに渋い書き手になったのね…と思いながら、本書を手にしたので度肝を抜かれた気分。
    登場人物に繰り出される、語り手からの突っ込みの嵐。
    こんな歴史小説もあるのね、と感動してしまった。

    この巻では孔明が劉備玄徳から三顧の礼を受け...続きを読む
  • 墨攻 1
    守のエキスパート墨家であるスキンヘッドな漢の生きざまを描いた中国戦乱記。武将ではなく庶民からの目線で戦をとらえています。
    城の守りについての内部の動き、虫という刺客のアイデアなど無駄なくストーリーが進行していく展開が好きです。
  • 陋巷に在り10―命の巻―
    この巻では孔子の母徴在の話が中心となり、孔子出生の秘密が明らかになります。あと医げいも相変わらず大活躍ですが、顔回の影はちょっと薄いかなあ。
    にしても65歳と16歳のカップルってのは凄いですなあ。
  • 陋巷に在り9―眩の巻―
    妤を冥界から救い出すための顔回の悪戦苦闘ぶりがこの巻の話の中心となります。それにしても顔回、ナイーブな草食男子ぶりが度を超してます。でも意外とこういう男子はモテるかもしれませんねえ(笑)。
  • 陋巷に在り8―冥の巻―
    顔回が妤を救うために冥界に向かいます。この巻の主役は何と言っても男気あり過ぎの女神「祝融」様。強くて怖くてちょっと優しい「祝融」様がかっこよすぎです。顔回は冥界の淵にいる妤を無事救い出す事が出来るのか、いよいよクライマックスって感じです。
  • 陋巷に在り7―医の巻―
    この巻は、妤に取り憑いた子蓉と南方医の医げいとの闘いが中心となります。それにしてもどんどん子蓉が強くなってる気がするんですが・・・・。
    妤は一体どうなってしまうのか。私もすっかりこの物語に取り憑かれてしまっております(笑)。
  • 陋巷に在り6―劇の巻―
    顔回はなんとか妤を救出したものの瀕死の状態。何とかしろ顔回。
    この巻では孔子の腕っぷしの強さが存分に発揮されます。孔子ってそんなに強かったんだ。
    ただ、魯が窮地に陥ったのは孔子に全面的な責任があるわけで、死刑になってもおかしくなかったと思えるんですが、実際にはそうなってないわけで少々腑に落ちない感じ...続きを読む
  • 陋巷に在り5―妨の巻―
    この巻は顔回の出番があまりありませんが、その代わり五六が大活躍です。媚術に操られた妤がいよいよおかしな事になってきます。
    一方、孔子と小正卯一派との暗闘も熾烈を極めて、いよいよ大激突の様相となります。
    顔回、ボォーとしてる場合じゃないぞ。
  • 陋巷に在り4―徒の巻―
    小正卯一派と顔氏との死闘が本格化してきます。
    顔氏の本拠地に乗り込んだ小正卯と犬たちとの闘いがまた凄まじい。犬に襲われた時の身の防ぎ方がよく分かります(笑)。
    媚術に操られてしまった妤はどうなっていくのか、顔回との恋は成就できるのか、と連続ドラマのように次巻に繋がっていきます。
  • 陋巷に在り3―媚の巻―
    この巻は主人公「顔回」と媚術の達人「子蓉」との死闘が話の中心となります。それにしても「子蓉」姐さんエロ過ぎます。強すぎます。
    自称許嫁の「妤」が、実は凄い能力者かもしれないとも予感されます。
    段々大人びてきた「妤」と「顔回」との恋も進展していきそうな気配で、今後の展開が楽しみです。
    3巻目にしてよう...続きを読む
  • 陋巷に在り2―呪の巻―
    難しい漢字やら、似たような名前やら、意味の分からない言葉やらが多くて読みにくいという難点はありますが、この第2巻は呪術者どうしの息詰まるような闘いの場面が多くて、はらはらドキドキしながら楽しめます。
    あとがきも中々面白いです。写真で見る著者は飄々とした感じなんですが、あとがきの文章は結構毒づいていて...続きを読む
  • 墨攻 2
    p.150
    革離
    「戦の勝ち負けは死者の数で決まる!今が勝負時なのだ!!」
    シュミレーションゲームが好きで、
    三国志や信長の野望をよくやりました。
    大戦略はあまりやらなかったけど
    今はhex-empire
    でもねゲームと事実は違うと思ってはいるんです。
    現代になっても無くならない戦争。
    現在は武器も...続きを読む
  • 墨攻 1
    主人公、革離には覚悟がある。
    取り繕うべきプライドはあまりない。
    それは信念があり、覚悟があるからである。
    その他の事はどうでもよい。

    普通の登場人物にはプライドがある。
    権力というプライドだったりする。

    プライドは肩書につく。
    個人につくのは覚悟や信念である。

    似たような感じで全く違うものだ...続きを読む
  • 陋巷に在り1―儒の巻―
    最初の感想としては、とにかく読みにくい。
    話があっちにいったり、こっちにいったりし過ぎだし、小説の中に当時の社会状況等の解説が頻繁に出てきて話がややこしいし、仕方がないとは言えやたらに難しい言葉(漢字)が出てくるしで、とにかく読みにくいこと甚だしいという感じです。
    でも、そういった点を補って余りある...続きを読む
  • 陋巷に在り13―魯の巻―
    とりあえずまだ顔回も孔子も死なずに最終巻。
    孔子の出魯で話が終わります……。

    これまでの展開を読んでると、この後史実に記録されている孔子の放浪中の数々の困難の影に、種々の謀略だの呪術だのが施されているのだろうなあ、と考えるに難くない。
    いや、きっとそうだと思わずにはいられない。

    いやあ、史実の隙...続きを読む
  • 陋巷に在り7―医の巻―
    流浪の医師:イゲイ登場。
    顔回、五六を顎で使い、呪のやり取り合戦は見どころ満載。
    なんだかねここへきて、人物の動きが目に見えるようになってきた。

    ああ、鏡が力を持つのは、古今東西変わらないんだねえ。
  • 陋巷に在り6―劇の巻―
    内から外からいろいろ勃発して、孔子大変。
    子路の直情ぶりは笑えるし、孔子仁王立ちだし、攻城戦はテンションup!
    でも、死んでいく人のさまはつらいのであった…。
  • 陋巷に在り10―命の巻―
    命とは神の啓示を待ち与えられたものとのこと。この巻では孔子の両親がどのように出会って孔子が生まれたのか・・その経緯を孔子の母親である顔徴在の父、太長老が明かします。顔氏の一族の長の末娘である徴在は、その頃の習わしで家に残る定めがありながら、家出同然の有様でかなり年上の男性と一緒になります。男勝りの性...続きを読む