三角和代のレビュー一覧

  • 髑髏の檻
    今回はカーソンが街を離れ、田舎で休暇を送ることになるが、またもや凄惨な殺人事件に遭遇して、という設定。
    地元警察のチェリー、FBI、そして何より今回は兄であり逃亡犯でもあるジェレミーがフル参戦。
    ジオキャッシングを利用した殺人事件と言うのが比較的新し目。
    動機が分からない殺人事件、兄との葛藤、縦横無...続きを読む
  • 髑髏の檻
    このシリーズは、期待を裏切らないですね。本作も良作です。序盤は少しもたもたしますが、最後は綺麗に着地します。"100番目"以来の笑撃ネタも炸裂、意外性やミスリードなど、ミステリとしての骨格も◎です。初めての方は第1作から読むことをお勧めします。
  • 黄昏に眠る秋
    スウェーデンの新鋭のデビュー作。
    哀切という言葉が似合う傑作です。

    20数年前、霧深いエーランド島の平原で、イェンスという5歳の男の子が行方不明になった。
    母のユリアは立ち直れないまま。
    少年の祖父イェルロフは元船長だが80歳を過ぎ、老人ホームに入っている。
    その父からユリアに電話があり、イェンス...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    エーランド島シリーズ第3弾。『冬の灯台が語るとき』の存在を忘れていて飛ばして読んでしまったけど、独立したストーリーなので問題なし。

    病気の娘と、放蕩を尽した末、年老いた父親というふたつの悩みを抱えた男と、横暴な夫を持つ女という二つのストーリーが絡む展開。

    事件そのものは少々とっちらかった印象だが...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    北欧ミステリの、これは傑作と呼んでいいのではなかろうか。派手なアクションもないし、大いなる陰謀もなく、かっこいい刑事も美人助手も出て来ない。事件にかかわった人びとの人生を丁寧に、哀切に描いて行く。ミステリのくくりで終わってしまうのはちょっと勿体ないくらい。おじいちゃんのイェロフがかっこよすぎです。
  • 黄昏に眠る秋
    ・あらすじ
    スウェーデン エーランド島が舞台
    約20年前の少年失踪事件を解決しようとする母親と祖父
    事件を調査する内に30年程前に死んだ男が実は生きていた…?
    調査パートと死んだ男の過去パートが交互に書かれ真相が判明するタイプのミステリー。

    ・感想
    息子が行方不明になってから立ち直れないままのユリ...続きを読む
  • 冬の灯台が語るとき
    ・あらすじ
    エーランド島シリーズ2作目。
    エーランド島東北部、ウナギ岬にある19世紀に建てられた灯台守の屋敷が舞台。
    屋敷に越してきたヴェスティン一家に起こった事件とそこで暮らしてきた人々の歴史、幽霊話と追悼と思い出話が本筋。
    そこに空き巣三人組とエーランド島に赴任してきた新人女性警官の3組のエピソ...続きを読む
  • シナモンとガンパウダー
    海賊に拉致された料理人の運命は?
    波乱万丈で泥臭くドラマチックで、どっちへ転ぶかわからない、珍しい雰囲気の作品です。

    1819年のイギリス。
    貴族に仕える料理人ウエッジウッドは、突如別荘に乗り込んで来た海賊団に雇い主を殺され、ついでに拉致されてしまった。
    迫力ある美人の女海賊マボットから、週に一度...続きを読む
  • イヴリン嬢は七回殺される
    館×タイムリープ×人格転移
    読んだことのないタイプの特殊設定ミステリー
    なにはともあれ、ややこしさが勝る
    そして、展開を呑み込むのに一苦労……いや、七苦労くらいした
    ただ、それを乗り越えればページをめくる手が止まらない
    細かい設定とラストの展開が少し雑に感じなくもないが、なかなかスリルはあった
  • 名探偵と海の悪魔
    登場人物にそんな背景があったのか、実はこんな人だったんだ、という意外性を楽しむ物語と読みました。
    ミステリーとしてのトリックはあまり追求されておらず、狭く閉ざされた環境下での人間ドラマを眺めている感覚でした。

    船内のパワーバランスが徐々に崩れ、座礁してからは完全に崩壊していく様が怖かったです。

    ...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    エーランド島4部作の3作目。

    高齢者施設で過ごす元船長でシリーズ主人公のイェルロフが、友人の死をきっかけに自身の死期も遠くないことを正面から受け止め、施設を退所し、かつての自分のコテージで余生を過ごす決意をするところに始まる。
    コテージの周辺は、いまや春、夏の暖かい季節だけ都会から人が訪れる別荘村...続きを読む
  • キリング・ゲーム
    2023.06.25
    カーソン・ライダーの活躍ぶりがまたしても示された。でも、最終的にこの事件で得るモノがあったのは、・・。二度読み必至との案内文あるのも納得。私はしないけど。
  • 名探偵と海の悪魔
    まさにミステリー版パイレーツオブカリビアン。登場人物のキャラクターも、17世紀の東インド会社のガレオン船の猥雑な(はっきり言えば汚い)描写も、甘さのの残る結末までハリウッド映画のように楽しめました。
  • シナモンとガンパウダー
    映画ではよく見るシチュエーションですが、小説では初めて。テンポ感に乗り切れない部分はありましたが楽しめました。
  • シナモンとガンパウダー
    ふだん読まないタイプの小説だけれども面白かった!料理人ウェッジウッドが、自身の良心に苛まれつつ海賊船で料理づくりに奮闘する。女船長マボットとの交流で、今まで見えてなかった裏側の世界に戸惑い、嘆き、もはやどちらに進むにしても腹を括らざるえない状況に追い込まれる。当時のイギリスの非道ぶりも初めて知った。...続きを読む
  • シナモンとガンパウダー
    貴族の専属料理人だったウェッジウッドは、海賊に主人を殺され、さらわれて海賊船の料理人となる。材料も調理用具も満足にない過酷な台所事情を乗り越えつつ、海賊との波瀾に満ちた冒険がはじまる。
    清濁併せ持ちつつ、大人として自身の正義を貫く海賊という、女船長マボットのキャラクターがとても印象的。
    終盤の怒涛の...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    スウェーデンの作家「ヨハン・テオリン」の長篇ミステリ作品『黄昏に眠る秋(原題:Skumtimmen、英題:Echoes from the Dead (The Oland Quartet))』を読みました。

    「ヨナス・ヨナソン」、「ミカエル・ヨート」と「ハンス・ローセンフェルト」の共著に続き、スウェ...続きを読む
  • 名探偵と海の悪魔
    ひたすら長い…訳が読みにくい訳じゃないはずなのに長い…

    物語自体は船というクローズド・サークルで起こる難事件を探偵役…は捉えられた状況で色々展開していく、読み終えてみればわりとオーソドックスな推理小説。

    あとがきがウィットにウェットなんだよな。
    前作がタイムリープものってのを見てちょっと興味が
  • 夏に凍える舟
    エ-ランド島に行って見たくなります。
    情景描写が緻密で、作品の中に入り込んでしまいました。

    話は独立しているけれど、1作目から読むのをお勧めしますよ。
  • 名探偵と海の悪魔
    読み応えバッチリ!1週間かかってしもた。中世で海洋冒険譚で密室ミステリーでゴシック。てんこ盛りとはまさにこの本のようなもの!

    タイトルに出てくる名探偵はいきなり捕らわれの身で、船の奥底に閉じ込められる。ということは揺り椅子系の謎解きか…と思いきや、どうにも謎を解く(推理に力が入る)気配がなく、ワト...続きを読む