春日武彦のレビュー一覧

  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで
    ディテールが面白い。
    ということは文章が面白いということ。
    特にゴキブリに出遭ってしまったときの心理の詳述!



    内容説明
    うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、密集したブツブツの集合体、鋭い尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体―。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家...続きを読む
  • 秘密と友情
    単行本「人生問答集」2009の文庫化で解題「秘密と友情」。
    おまけに「煩悩コンテンツリスト108」。
    解説は平松洋子。

    吉野朔実を挟んで超仲良しなのかと思いきや、その食事会以外ではあまり、らしい。

    ちょっと笑ったのはp98。
    わざと意識してゆっくり喋っているらしい。
    知らなんだ。あれが素だと思っ...続きを読む
  • 「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ
    春日氏を辿って本著にたどり着いたが、平山氏は昔読んだあの人かと思って読み進めるとなんとまぁ癖が強い。

    メンタルヘルスの社員研修としての対談、と冒頭で触れていたため最初の2章まで読んだ限りこんな居酒屋トークみたいなのでいいのかと思ったが、一応3章が件の内容に沿ってはいる。

    そうかといって、ややもす...続きを読む
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと
     個人的な考えである「死」について、正解はないのだけれど、春日、穂村両氏の考え、対談中に紹介される人物の言葉や書籍から、自分にとって「死」をどう捉えているか、を改めて考えた。
     0(生)→100(死)といきなり飛んでしまうイメージや、一発逆転の賭けよりも、家でどら焼き食べている生活がいいという考えに...続きを読む
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで
    ふとした瞬間に感じる、鳥肌が立つ程の恐怖や目を背けてしまう程の恐怖。
    その正体を探るべくあらゆる切り口で考察する本書はなかなか興味深い。
    私自身、想像できるからこそ怖い時と理解できないから怖いと感じる時がある。
    でもまさか恐怖症やグロテスク、死について考える日が来ようとは。
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで
    著者目線の恐怖を感じるポイントの羅列やエッセイ的な面も多くあるが、そこから恐怖の原因を掘り下げている。なぜ死に対して恐怖を感じるのか。永遠、未知、不可逆性と分析しているが、これは納得できる考え方だと思った。輪廻転生が存在しても今現在まで慣れ親しんだ人生には二度と戻ってこれない。そんな非日常的な世界へ...続きを読む
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで
    フィクションの引用が良かった。けどグロテスク〜死のあたりで力尽きてしまい、今度は後ろから読み返したいなあと思います。
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで
    「恐怖」を多角的に探求するエッセイ。恐怖は個人の感性によって異なり、一般論で語れない部分が多い。著者の甲殻類恐怖症など、独自の恐怖体験を紹介しつつ、恐怖は美的感覚や性欲と同じく、極めて個人的なものであると感じさせる。読みながら、自らの恐怖についても考えさせられた一冊だった。
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと
    初読みの対談集
    ゆるい感じで進んでいき、時々クスッと笑えます
    死に方について、苦しいのは嫌だっていう気持ちはすごく理解できるけど、猫が可愛すぎて死ぬ、って云うのには笑いました
    死因、猫死
    この絵が抜群です
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理
    いつの頃からか読むようになった春日先生の本。最近は読み終わると、これでもう読まないかも、と思うんだけど、やっぱりまた読んでしまうんだよなあ。
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)
    ボランティアで相談事を受けているけど精神疾患がある人が多い(そのように見える)と思っていたのでこの本は興味深く読めた。特にクレーマーの話はとても腑に落ちた。
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理
    会社の人からのおすすめで。思ったよりエッセイのような感じ。

    精神に疾患のある人がよく言う屋根裏に誰かいるんですよ。をテーマに語られている。
    実際にあった事件や昔の話まで(知的障害の兄弟を屋根裏に隠して過ごしている話など)興味深い話もあった。
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理
    日常に隠れている不穏と屋根裏の不気味さを上手く絡めて精神機能にもたらす影響を考察している。屋根裏に関する事件が数多く引用されており、面白かった。人と生活環境を見る時、頭の隅に入れておきたい内容。孤独と不安がささいな偶然、記憶違いで妄想の種を育てる。
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと
    なんだか説得力のあるタイトルは表紙の通り元ネタあり。本文中にもあるけど、春日先生と話してたら自然にカウンセリングになっちゃいそう。でも患者さんに言うことは別物らしい。お医者さんていろんな意味で特殊な職業だと思う。
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)
    「病名」と治療法がはっきりしないケースが多く、「パターン」別に経験を積みながら対応しているのが実態。
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    タイトル通りの内容。精神科医とはどんな人達で、患者にとって良い医者、名医とはどのような医者なのかを綴ったエッセイ。読んで精神科医は大変だなあとつくづく思いました。春日武彦さんの著作は面白いので見つけては読んでいますが、患者としてはあんまり罹りたくない医者だなあというのが本音です(ごめんなさい)。
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    お医者さんは頭が良くて優しくて、ニコニコしてて尊敬している。という方は読まれないほうが良いでしょう。そういう医師もいらっしゃるかと思いますが、この本には載っていないようです。

    興味深かったのは第7章でした。不幸な環境から脱するのではなく、そこで安定と維持を試みるのは女性にありがちかもしれません。
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    臨床の精神科医が、主として患者との関係においてどのようなことを考えながら治療に当たっているかを、主に本人の経験を通じて若干シニカルに100人の精神科医のパターンとしてエッセイ風に触れており、そのことによって相対する「患者」が実にバリエーションに飛んだ人々が存在するのかも浮かび上がらせている。
    特殊な...続きを読む
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    人の狂い方はせいぜい100種類しかないということだが、むしろそんなにあるのか!と驚いた一方で、世の中淡々と過ごすためには裕福であることが前提条件ということについては、なるほどその通りだなと。
    当たり前だけど医者も一人の人間なんだということが再認識できたことが一番の収穫。
  • 鬱屈精神科医、お祓いを試みる
    前作「占いにすがる」より、はるかに読みやすかった。春日先生のこころもちとともに文章が穏やかになってきて、するっと受け止めやすくなったというのかな。