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開けたら春日先生の脳みその中。
凄腕の精神科医の魂が暴走したら、 もう誰にも止められない。
これはもうリノベーションというより「どこでもドア」だと思います。
(穂村弘・歌人)
精神科医は還暦を超えて、さらに危機を迎えていた。自分は親から、呪いをかけられている。どうしても、そこから逃れられない。どうすればいいのか。
小さい頃、盗み聞きした両親の会話(父「あいつ(息子であるわたしのこと)、将来は美容師にしたらどうだろう」。母「そうね」)や、失明を恐れる母の発言(美しい母は失明への恐怖を持っていた。その話を脅迫的に聞かされる息子。無力感しかないが、もし母が視力を失ったら、力関係は逆転し、息子のわたしが主導権を握ることにならないか。不細工な私は彼女の視野には映らなくなるということではないか。そうしたら……)などなど、数々の親の呪いを抱えてきたが、年を取る毎に妄想となって膨らむ一方なのだった。ムージル的に言えば、無自覚のうちに私は不幸におちいっているのかもしれない。いまやモーパッサン式「御祓い」をするしかない。そうして、作者はさまざまな方法を試みる。そして、最後、親の呪いを取り払うために、実家のリノベーションにとりかかる。はたしてお祓いは成功するのか。
前作に続き、私小説的に綴られる精神科医の痛切なる心の叫び。
Posted by ブクログ 2019年02月25日
前作「鬱屈精神科医、占いにすがる」が、とても私にとって良かったので、今回も読んだ。
マンションのリノベーション、実際にどんなのか見たかったらネットでどうぞとあったので、見てみた。とても素敵だった。こんな風に古いマンションをリノベーションできるっていいなぁ、やっぱりお金があるといいなぁ、いい建築家や工...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年03月06日
春日武彦さんの本はわりと気に入って読む。
読みながらこれは私小説的だなと思った。
文章が読みやすくて、奇をてらったような書き方をしないのが好ましい。
自分の中にある鬱屈した気分、母との関係、リノベーションで家を作る心理的な作用、
患者とのエピソードや、他の作家の小説の引用、などなど
今の時間から、頭...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月26日
主人公は母親からの呪縛から逃れるために家をリノベーションすることにした。 ちなみに主人公は著者である。 そして、これはエッセイでもなく、医学本でもない、まぎれもない私小説なのだ!(本人曰く)
タイトルが意味不明すぎて興味がわいた。
「エッセイではない」と豪語しているせいか、逆にエッセイのような気もし...続きを読む
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