山本幸久のレビュー一覧

  • 誰がために鐘を鳴らす
    ザ・アオハル。全員で一つのものをつくり上げるのは、素晴らしい経験。一種の息苦しさはあるけど。
    物語では演奏者だけでなく、楽器そのものを作る人も関係者にしていたのが新鮮でした。
    モノづくりってすごいなあ。
    読みながら、ハンドベルの演奏動画を探して見たりしてしまった。
  • ヤングアダルト パパ
    中学生が父親に。しかも母親と一緒に暮らしたのは、2週間足らず?
    設定には相当無理があるのだけれど、なぜだかほっこりしたまま、不安な気持ちでやきもきすることもなくエンディングに辿り着いた。
    子どもは可愛い、でも一番遊びたい盛りで、青春を謳歌したい時期に、子育て一辺倒で日々過ごしていけるものか?とは思っ...続きを読む
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語
    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
    戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
    毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷っ...続きを読む
  • エール!(1)
    どの短編も迷い悩みながらちゃんと自分の仕事に向き合ってる人が主人公で、読んでてとても羨ましく思った。こんな頑張って働いてたなぁとはるか昔を思い出して、なのにこんななってもたなぁと今の自分を儚んでしまう。
  • 人形姫
    そろそろ雛祭りの時期である。
    そして、最近テレビで、水墨画と雛人形について是非見たいと海外から女性が来日している番組を見たところだった。

    雛人形は、頭師、着付師、髪付師、手足師、小道具師とそれぞれを分業で作っている。
    ひとつひとつ、手作りで魂をこめて作っているのが、よくわかった。

    そして、時代に...続きを読む
  • 店長がいっぱい
    チェーン店の友々家の、いろんな支店の短編集かと思ったらそんなことはなく、各章に共通する登場人物が何人もいて、楽しい楽しい。
    八王子北口店の犬塚くんの弟を他の店舗で見つけたときは思わずニンマリ。
    嫌な印象しかなかった社長だけど終盤はホロリとさせられ、各店舗各店長のさまざまな話がひとつにまとまった。
  • ふたりみち

    これぞまさしくリア充。そうだ、六十七歳だってリア充はできる。

    67歳の元ムード歌謡歌手ゆかりはドサ回りの旅の途中、12歳の家出少女縁(ゆかり)に出会う。公演は行く先々でトラブルに見舞われるが、それを乗り越えてふたりは強い絆で結ばれていく。
    .
    少し天然なおばちゃんって感じのゆかりにも実は辛い...続きを読む
  • 人形姫
    老舗人形の8代目をしている恭平は、職人が高齢化し後継者が育たない現状に危機感を覚えていた。
     高校時代ボート部のキャプテンをして最高のモテ期だったにも関わらず、未だ独身で周りはヤキモキしていた。そんな時、ベテラン職人がフィリピン人の女の子を酔っ払った勢いで弟子にしてやると言ったのを本気にし、店にやっ...続きを読む
  • エール!(3)
    この物語に出てくる人達は、みんな自分の仕事に誇りを持っていてかっこいい。自分の好きなことを仕事にする人、天職を見つけた人、大変だけどやりがいを見出せる人、様々な人がいたけれどどの人もプライドを持って働いているのが素敵だなぁと感じた。私も自分が誇りを持てる仕事に就きたいな〜
  • 人形姫
    森岡人形店は、雛人形の頭を専門に作る老舗人形店。
    37歳の恭平が社長を務める。
    職人の高齢化、売り上げは低迷、と問題が山積み。
    その上、後継者もいない。
    多くのことが恭平の肩に掛かる。
    恭平は高校のボート部コーチも受け持つ。
    雛人形作りは静、ボート部の活動は動だと思っていたが、
    どちらも、誰一人欠け...続きを読む
  • 幸福トラベラー
    中学生版、上野版、山本幸久版のローマの休日。
    大きな事件は一切起こらず、物語としても小ぶりな展開だが、なんともほっこりふんわりした青春物語。
    主人公の一人称語りに慣れるまで、若干違和感があるけど、そこ突き抜けたら読みやすくて、あっという間に読める。

    お手頃な読み物である。
    単行本版で読んだが、文庫...続きを読む
  • 人形姫
    手作り雛人形の老舗会社を描いたお仕事小説。
    斜陽・職人の高齢化の典型の様な職場。5歳の8代目社長の主人公は自らも頭師(頭部を作る職人)でありながら、会社では一番の若手。そんな会社に職人希望のフィリピン人の女の子が現れて・・・・。
    山本さんらしい安定のお仕事小説です。しかし、なんだか上手くなりましたね...続きを読む
  • 人形姫
    雛人形を作る職人で社長の恭平。若くして社長になりなんとかやっているけれど職人の高齢化や後継者不足に悩む。そんなときにフィリピン人女性が弟子に。人形作りの過程を読むだけでも興味深くて楽しい。伝統として守っていくものと新しいものを取り入れるもの。職人のプライドや理想と現実。山本さんが描く色々な職業の作品...続きを読む
  • マイ・ダディ
    なかなかあり得ない人間関係やエピソードが多彩でドラマのような楽しみ方ができます。過去を恨めば自分の存在が無となる虚無感。最後にはちっぽけで不器用な自分でも誰かの役に立っていたり、大きな存在となっていたことに気づく心温まる話でした。
  • 店長がいっぱい
    なんか違う、と思いながら働く店長さんたち。
    答えは出ないけど、じたばたしながら生きるって愛しいよね、と思える短編集でした。
    一部、ちょっとね…というオジさんはいたけど。
  • 店長がいっぱい
    さまざまな店長が出てくる短編集。

    嫌なヤツとして描かれているキャラクターでも、自分と違う信念を持って生きているだけで、それを含めて見るとどこか憎めない。

    社長が変わっていくところは、胸熱だった。

  • 店長がいっぱい
    友々屋という、他人丼のチェーン店の様々な店舗の店長を主人公とした短編集。
    フランチャイズの店長然り、赤道近くの海外支店に飛ばされた店長然り、それぞれの人間模様、苦悩の中にそれぞれが活路を見出すようなストーリー仕立てとなっており、必ずしも完全無欠のパーピーエンドでないリアルさが絶妙に心地よい。
    基本は...続きを読む
  • エール!(3)
    “スプーンひとさじの砂糖”

    お仕事が始まったばかりのわたしにぴったりの一冊だった
    これから見かける沢山の人たちへの見る目も変わりそう
    色んな人が色んなところで頑張っている
    お仕事に上も下もない、好きになったもん勝ち

    どんな花にも蜜がある。どんな仕事にも砂糖はある。どんな人生でも価値はある。
  • 店長がいっぱい
    結構な店舗数を誇る他人丼のチェーン店の店長が主役。東京はもちろんのこと、北海道や海外の店まで舞台になっています。

    同族企業で初代はやり手の女史だったけれど、2代目はボンクラ。でもその2代目も段々と変わってゆきます。

    劇的に面白いわけではないのですが、なんだかとても優しくて、温かい気持ちになる。コ...続きを読む
  • ふたりみち
    67歳の元ムード歌謡歌手と、何故か彼女の歌に涙する12歳の家出少女。55歳の年の差を超え2人は強い絆で結ばれていく。笑って笑って、ラスト1行に涙する人生讃歌。極上のロードムービー小説。
    人生の日陰者が、人生最後のスポットライトを求めて全国ドサ回りの旅へ。トラブル続きは山本幸久ワールドのお約束だが、い...続きを読む