エラリイ・クイーンのレビュー一覧

  • 日本庭園の秘密
    国名シリーズ最終作ですが、
    残念なことに読者の挑戦表記がない!
    非常に残念であります。

    この事件は舌を巻くことでしょう。
    なにしろ、トリックが奇想天外なもの
    まぁ、予想不可能なものだからです。
    そしてラスト前に出てくる事実にも
    まず驚くことでしょう。

    ああ、終わったと読者が油断した隙に
    もう一発...続きを読む
  • 犯罪カレンダー(7月~12月)
    前半部はなんだかなーと思っていたけど
    後半月はよかったなぁ。
    何よりもちょっと謎解きの興味をそそられて、
    なおかつ殺人事件も起こるという
    2コンボの作品もあるのでなおよし。

    そして一番面白いのは
    なんと、ドッキリミステリーがあること。
    そう、エラリイ氏はだまされたわけで…
    そういう使い方もミステリ...続きを読む
  • アメリカ銃の秘密
    あんまり評判はよくない本ですね。
    確かに、弾道学が出てきたりと
    非常に複雑な事情が絡んだりするせいかと。

    でもトリックは大胆ですし、
    普通じゃありえないような事実が
    ばっ!と出てきたりといろんな面で面白いと思いますけど。
    ただ、引っ掛けるわなもあるからそこのところは注意ね。

    エラリイは第2の犯罪...続きを読む
  • オランダ靴の秘密
    おなじみ「読者への挑戦」シリーズ。
    病院内、手術前に殺人が露見する
    特殊中の特殊な設定です。

    たぶん犯人は容易に推測できるでしょう。
    広義での犯人は。
    ただし、そこで油断すると著者の思う壺です。
    してやられますよ。

    しかしながら「金」というものは結局
    人を変えてしまうものですな。
  • フランス白粉の秘密
    事件が錯綜して
    一部読みづらい部分はありますが
    非常に読み手の推理意欲を書きたててくれる良書です。
    もちろん国名シリーズのため読者の挑戦つき。

    真犯人はなかなかでないことでしょう。
    何しろ別に出てくる事件が邪魔をし
    その真犯人が出てくることを
    かたくなに拒みますからね…
  • 十日間の不思議
     犯罪研究家エラリー・クイーン・シリーズ全33作中18番目の作品。『ローマ帽子の謎』が1929年の作品ですから、それから19年経っていますので、中期の作品ですね。

     初読だと思っていたんですけど、エラリイが語る事件の説明まで進んで、「あれ? このシーンは何となく覚えている」と気づき、エラリイがアナ...続きを読む
  • ギリシャ棺の秘密
    エラリイがはじめて関わった事件。
    まだ若造のエラリイ君は
    様々な推理の誤りをおかしつつも
    やがて真相へと近づいていきます。

    エラリイの作品ではかなり長く
    眺めが苦手な人にはお勧めはあえてしません。
    しかしながら読者をあきさせないので
    そんなに苦にはならないのは確かで…

    この作品は
    あの読者への挑...続きを読む
  • Xの悲劇
    シェイクスピア俳優・ドルリーレーンの最初の事件簿です。
    ドルリーレーンが生き生きしています。舞台を降りた名優が犯罪を解き明かしていくストーリーなのですが、話の各所にちりばめられた、シェイクスピア作品からの台詞の引用がすごく好きです。シェイクスピアを読みたくなります。
    ドルリーレーンの持って回ったよう...続きを読む
  • 日本庭園の秘密
    あれ?と思っていたことは最後に解き明かされた。けど、まさかこういう事件展開とは思いもつかなかった。すっかり、はまってしまったようだ。
  • エジプト十字架の秘密
    アメリカはウエスト・バージニアの片田舎で起きた凶悪な殺人事件に興味を抱いたエラリー・クイーン。その惨状は、T字路に立つT字型の道路標識に、首を切られた死体が磔にされており、被害者宅の扉にはTの血文字が残されていた。「T」とは何を意味するのか。やがて同様の殺人事件が離れた別な地域で起き、単身現場にかけ...続きを読む
  • Yの悲劇
    ハッター家連続殺人事件。
    自殺した当主の夫。卵酒による毒殺未遂、なしに注射された毒。
    夜中に殺害された当主ハッター夫人、凶器に使われたマンドリンの謎。
    爆発した薬品庫。

    2009年1月30日購入

    2009年1月31日初読
  • Yの悲劇
    エラリークインは赤○次郎のように突拍子も無い人間が犯人だったりしない。
    まさに正統派。
    その作品の中でも最高に出来のいい作品。
    だって絶対犯人わからないけど、(犯人がわかった時の衝撃度はすごかった)絶対納得しますよ。
    X,Yとクオリティが高いのだが、Zがダメダメなのが残念。
  • スペイン岬の秘密
    黒い帽子、黒のマント、ステッキのみを身につけた被害者の謎にエラリイ・クイーンが臨む国名シリーズ第9作目。今回、パパは出てきません。寂しい。テンポ良く色んな事が起きたからか、今まで読んだ国名シリーズの中で1番面白いと感じました。
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕
    クイーンを語れるほど読んでるわけではない、というひとの感想。コミカルな要素がたくさんあって、テンポよく、面白かった。変人を変人と最後まで書き切ったし、変人だなと受け入れられるほどの描写もあったので、読んでる側の納得感もあった。

    とある殺人事件のお話を途中で投げ出し中なのですが、人物描写や劇場感はこ...続きを読む
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕
    12年前の事件を再捜査するクイーン。
    論理パズルと回想・記憶って噛み合うのだろうかと思っていたけど、さすがに上手いねぇ。ライツヴィルシリーズの中では好みの作品だ。
  • 十日間の不思議〔新訳版〕
    「後期クイーン的問題」と扱われる作品。
    エラリイ・クイーンのひとりフレデリック・ダネイが「探偵小説と小説中の探偵を摘発する部分を持っている」とするエラリイ最後の事件。
     まるで自身の作風を否定するかのような作品だけど、パズルの限界を感じていたのかなぁ。もっと突き詰めるのは難しかったのでしょうね。
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕
    とびきりキュートで理知的だけど、世慣れてなくて薄幸なヒロイン、リーマを楽しむ物語といってもいいかもしれない。
    「はちみつとクローバー」のはぐちゃんをぼんやりイメージするのは私だけ?

    マザーグースの見立て殺人。ヴァンダインもアガサクリスティも取り上げていたのを読んで、「マザーグースを知ってたら、きっ...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    初めて読んだエラリイ・クイーンの小説。
    前半では、田舎町の良い面も描かれるが、事件後は圧倒的に悪い面が多く描かれる。
    登場人物たちの濃い人間関係によって拗れていく事件が、緻密な人間描写によって、なんの無理もなく展開されていく様子は、圧巻だった。
    こうした、ドロドロとした関係のミステリ、そして、探偵が...続きを読む
  • 十日間の不思議〔新訳版〕
    エラリークイーン研究の新書で、エヴァンゲリオンに似ているという説を見て、興味惹かれて読んでみました。(とは言っても、エヴァと親しんだことがないので比較はできず。なんとなしのミーハー心です)

    事件前のエラリーの感情が太字で書かれ、意味を勘繰っていたけれど、感情的に入り込むことで判断が鈍って犯人にミス...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    ライツヴィルものの第1作。
    謎解きももちろん素晴らしいのだけど、今回読んでみてそれ以上に感心したのが、ライツヴィルの街そのもの。
    無責任で、人の不幸を待ち望み、煽るためなら嘘も厭わない街の人たち。これって現代と何らかわらない。ことにネットではなおさらで、人の本質ってものはこういうものかと納得してしま...続きを読む