犯罪研究家エラリー・クイーン・シリーズ全33作中18番目の作品。『ローマ帽子の謎』が1929年の作品ですから、それから19年経っていますので、中期の作品ですね。
初読だと思っていたんですけど、エラリイが語る事件の説明まで進んで、「あれ? このシーンは何となく覚えている」と気づき、エラリイがアナ
...続きを読むグラムについて説明する段階になって、ようやく2度目と確信したぐらい、まったく事件の概要そのものは覚えていませんでした…。でも、トリックそのものは心理的なのですが、ひねってあってとても素晴らしいと思いますね。これが現代に翻訳されたら、ベスト10には入りますね。☆☆☆☆というところです。と思っていたのですが、このトリックは素晴らしすぎるので☆☆☆☆★で。
解説の鮎川哲也が思いっきりネタバレをしているのが笑えます。しかも、本書を読む前ではネタバレと分からないけど、読んだ後だとネタバレと分かるように微妙な書き方になっているんですよ。でもまあ、カンの良い人には犯人が誰だかわかってしまうから、読まない方がいいでしょうね。