古川薫のレビュー一覧

  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰が死の前日に書いた遺書であり、自らの魂を受け継がせる塾生に宛てた手紙である。
    留魂録を読み、死ぬこととはどういうことか、その日まで自分の命をどう使うか、その死生観を考えさせられ、30歳の若者が死の前日にここまで落ち着いた文章で、自分の人生を総括できるものなのかと驚嘆する。
    松陰の死生観と至誠...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    全訳されているため、意味は現代語で理解できる

    自身の誠を持って話せばわかってくれると
    最後まで信じていた吉田松陰が死を前に
    門下生を焚きつけた文章。
     →間部詮勝暗殺計画を自ら口走ってしまった
    人には何歳で人生が終わるとしても四季がある
     →その中でどんな実を結び、次の種をつくるのか
    飛耳長目、外...続きを読む
  • 松下村塾
    松下村塾でどのような教育が行われ、どんな生徒が集まり、吉田松陰は何を教えたのかが分かる本でした。吉田松陰は身分や年齢にかかわらず共に学ぶことを第一として、「学びなさい」と学生に伝えたという。志を立てること、行動すること、自分で問を立て考えることを教え、後に討幕を起こす志士を何人も輩出した。僕もこの時...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰の残した言葉そのものを知りたく読んでみました。
    留魂録は松陰が処刑される前日に書きあげられたもので、松下村塾で共に学んだ弟子に対しての最後のメッセージがかかれています。人間は10歳には10歳の、30歳には30歳の、70歳には70歳のそれぞれの人生の四季があるという死生観は印象的でした。「身は...続きを読む
  • 君死に給ふことなかれ 神風特攻龍虎隊

    あまりに不平等な人生

    ドキュメンタリー風の小説。作者自身の体験がベースになっている。自分が最後に整備し、
    メッセージを残した練習機が特攻に使われたことを知り、本作がなかばライフワークの
    ような存在になったというが、たしかに行間に作者の気迫のようなものがが感じられた。
    ちょっとした偶然や行き違いがもとで、運命的な出会...続きを読む
  • 秘剣「出撃」

    炸裂!大森流居合術

    腕の立つ旅姿の浪人が、行く先々でバッタバッタと悪人退治。主人公の深田清兵衛に思わず三船敏郎を連想してしまった。剣戟シーンの描写が巧みで、臨場感満載。三日で読了。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰
    処刑前日に書き終えた遺書「留魂録」

    身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも
    留め置かまし 大和魂

    無念のうちに散ったの思える松陰も
    留魂録の中ではこう言っている。

    人それぞれの人生には四季がある。
    10代で死ぬ者も、その人生の中には四季があると。自分の29年という人生も、実は身を結んでい...続きを読む
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    幕末と言えば!な本を久しぶりに読んでみた
    なんかビジネス書とか神格化されがちだな~と
    前からちょっと毛嫌いしていた久坂玄瑞。
    だけど読んでみたらスッキリ。
    こういう人間臭さがとても良い(良くも悪くも)
    幕末の世に25年の生涯を華々しく散ったといえば聞こえはいいが
    吉田松陰とのやりとりが一番面白かった...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    たかだか五千字程度に著された人生の深淵。
    死ぬ事とは何か、至誠とは何か。
    暗中模索で駆け抜けるその姿はまさに自ずから咲き誇る花なり。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰の偉大さと、非凡なまでの無垢なところが良く分かる。維新ファンならずとも読む価値があります。松蔭の心の叫びを心して聞いてください。
  • 松下村塾
    松陰先生の松下村塾について、先生の略歴も交えて解説している書。

    タイトルが松下村塾なので、基本的には村塾周辺を解説していますが、松陰先生のこともわかります。

    松下村塾からは新生明治日本を作った傑物が何人も出ていますが、彼らが何をどのように学び、活かしたのかが簡潔にわかります。

    どちらかといえば...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    「留魂録」は、幕末の長州藩において、維新回天の原動力となった志士を幾人も育てた吉田松陰の遺書です。この訳は大変読みやすく、後半は松陰史伝も載っているのでオススメです。

    中身は門下生に宛てた後事を託す内容になっています。刑死するに至る顛末のほか、死前の獄中生活において出会った有志の士の紹介、そして死...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    まず疑問に思ったこと。留魂録は果たして遺書か?それとも遺言か?どちらでとらえるかで、松陰の伝えたかったメッセージの意味が違って見えてくる。著者は遺書ととらえている。死生観を綴っているところは特にその印象が強い。しかし私はこれを遺言ととらえた。なぜなら、松下村塾の門下生はその意思を受け継いだからだ。松...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    『身はたとひ 武蔵の野辺に朽ぬとも 留置まし大和魂』

    この歌から始まる「留魂録」は、吉田松陰が江戸小伝馬上町の牢内で書き上げた遺書である。
    門下生に宛てた、最後の言葉たちが述べられている。

    その中ではやはり、死生観を四季に例えて語った部分が印象的であった。
    『今日死を決するの安心は四時(四季)の...続きを読む
  • 桂 小五郎(上)
    桂小五郎・・・はどんな人だったのかというと、 いわゆる伝奇小説に描かれているような“怜悧さ” “俊敏さ” “先見の明” は、・・まぁ あるにはあった。 が
    現実の桂さんってもっと失敗もしたし、周囲の人がドン引きするようなこともやったりしていたし後世の人々からみて批判されるようなことだってしてた。(維...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    @yonda4
    安政の大獄で死刑になった吉田松陰が獄中で書いた、弟子への手紙。

    松陰が弟子の高杉晋作からの「男子の死すべきところは?」という質問にこう返しているそうな

    「死は好むものではなく、また憎むべきでもない。世の中には生きながらえながら心の死んでいる者がいるかと思えば、その身は滅んでも...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰が門下生に充てた遺書、『留魂録』に、解説と松蔭史伝を加えたもの。「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも とどめをかまし 大和魂」という辞世の句を残し、この国の行く末を案じながら刑死した松蔭。死を目前にしてこのような文章を書けるというのは、生死を超越した悟りの境地に達していたからだと思う。
    ...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    人は、本から学び、旅先の土地から学び、歴史から学び、人との議論から学ぶのだと思った。そして、どんな人生であろうと、その人生に意味をつけるのは後世の人であり、自分ではない。である以上、自分は自分が納得し、悔いを残さないように生きるべきだと感じた。
    幕末と現代では、社会が抱えている問題は大きく異なるけど...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰が松下村塾門下生にあてた遺書。処刑の前日に書き上げられた。有名な、どの人間の生にも春夏秋冬はあるとの死生観には心を動かされる。例え不治の病を宣告されても、それは直ちに人生の終わりを意味しないと松陰は教えるのではないか。人生が秋を迎えたのだと捉えることで、そこにまだ生きる道を見出せるのではない...続きを読む
  • 斜陽に立つ
    「自敬に徹したこの最後のサムライにとって、世上の毀誉褒貶は無縁のざわめきでしかなかった。」

    古川さんの昨年出版された最近刊。
    乃木希典を描いた小説かと思い読み始めましたが、評伝のような作品でした。
    明治を生きた性格と境遇の対照的な二人の軍人、乃木希典と児玉源太郎を多くの史資料を参考にして読み解いて...続きを読む