古川薫のレビュー一覧

  • 暗殺の森
    直木賞作家、古川薫さんの中山忠光暗殺について書かれた作品です。
    来月、このあたりに行くかもしれないので再読してみましたが、つくづく、歴史って面白い!ということを再確認しました。

    中山忠光は明治天皇の叔父にあたり、攘夷過激派の公卿として知られ、尊攘派の志士と交わり活動していました。
    後に天誅組の首領...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    激烈なまでの大和魂で、処刑されるまで疾駆した吉田松陰。本書は死に臨んで同胞達に訓戒した書である。あまりに死を超越したような覚悟をもって大言壮語する様子は痛快だが、現代においてこうまでして激烈な思想信条をもって行動を取る姿勢は、時代の歓迎を受けないだろう。一つに、科学を取り込んで冷静に考察する態度は重...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰 留魂録

    松陰が牢獄で弟子に遺した遺書。死に対する覚悟、死後のきめ細やかな配慮に 感動する。


    「死して不朽の見込みあらば いつ死んでもよし」とする死生観(大和魂)は 生の否定でも、運命論でもなく、生死を超えた生き方、心構えの到達点と感じた。


    儒学だけでなく 詩歌にも長けていることに...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    かくすれば、かくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂

    身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂

    時の日本にとって、吉田松陰を得たことはなんと幸運であったと。日本が結果、独立を保てたのは、松陰が後進に託した大和魂であったと思います。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰の生き様、思想が知ることが出来る。強い信念を持ち後に明治維新を起こす塾生達が奮い起つ様が分かる。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰が死刑執行の直前に書いたもの。遺書のようであり、松下村塾の塾生に向けた手紙のようなものだった。松陰の史伝についても載せられている。その史伝と、留魂録を照らし合わせて読むと、松陰の為人や考えがより伝わってきた。
    常軌を逸するほどの熱量を持ち、自身を顧みない性格や、塾生をはじめとして周りの人々を...続きを読む
  • 影武者
    戦国時代小説といえば、織田、徳川、豊臣ものが主流で、あとは武田、上杉ものくらい。中国地方の
    毛利氏を中心に描いた作品は珍しい。短編集なので手ごろ感があり、文章も読みやすくてあっというまに
    完読してしまった。当時は日本全国で合戦が行われていたようで、地元では有名でも、教科書にはほとん
    ど載らない...続きを読む
  • 毛利元就と戦国武将たち
    信長忙しいね。義昭ギリギリまで粘る。
    毛利、地方で独立した勢力でいたかったのに
    時代はそれを許さない。

    小説ではないので整理しながら読んだら
    意外と時間がかかったわ
  • 松下村塾
    「初めて先生に見え、教を乞ふものに対しては、必ず先ず何の為に学問するかと問はる。これに答ふるとの、大抵、どうも書物が読めぬ故に、稽古してよく読めるやうにならんといふ。先生乃ちこれに訓へて曰く、学者になつてはいかぬ、人は実行が第一である。書物の如きは心掛けさへすれば、実務に服する間には、自然読み得るに...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰が弟子たちに遺した遺書。内容自体は何と言うことはない。解題・本文よりも、本書後半部の訳注者による松蔭の伝記がおもしろい。松蔭をとりまく状況や松蔭の人となりがよくわかる。士籍を失った経緯や幕府の取り調べに対していらぬ自白をしてしまうところなど、松蔭のやや浅はかというか、自ら苦境にはまっていくよ...続きを読む
  • 松下村塾
    わずか一年ほどの塾の活動期間で、教え子を友として遇し維新の原動力を育てた吉田松陰という先生の「感化力」の凄まじさ。
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    ・「事機の去来は影の如く、響きの如く変転する。往昔の死例をとって、こんにちの活変を制しようなど笑止の沙汰だ。思慮粗浅とはこのことをいうのである。事を論ずるには、おのれの立場から見を起こせ。換言すれば、着実であれということだ」(玄瑞からの最初の書状に対する松陰の返書)
  • 君死に給ふことなかれ 神風特攻龍虎隊
    与謝野晶子の詩の一行に惹かれて読む。
    飛行機の整備士と特攻隊員の思いもよらない繋がりが淡々と、戦時の緊張とともに描かれる。

    終戦間近、木製プロペラで布張りの練習機での特攻作戦。それなりの戦果はあったものの… 人間魚雷や人間砲弾、戦争という忌むべき事態の中にあってなお悍ましい(おぞましいってこ...続きを読む
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    久坂玄瑞って、怖いと思っていた。
    なんであそこまで狂信的に攘夷を叫ぶのか。
    その、イっちゃった感が、すごく怖い。

    15歳の時、母を亡くした。
    そして、20歳年上の兄も、その年に亡くした。
    黒船来航に浮足立ったその時代、藩は久坂玄瑞の兄、玄機に海防策の立案を命じた。
    病床にいた玄機は、病を押して海防...続きを読む
  • 桂 小五郎(上)
    山口薫氏の少々古い小説。当初は「炎と青雲 桂小五郎篇/木戸孝允編」として1977年から毎日新聞に連載された小説。いま手にしているのは、「桂小五郎」と改題された上下巻です。

    先般、司馬遼太郎の「花神」で大村益次郎を読んだとき、「一見変人のようにも見える大村益次郎を、どうして桂小五郎は登用したのだろう...続きを読む
  • 維新の商人 語り出す白石正一郎日記
    名前は聞いたことのある長州商人、白石正一郎の日記を元にした歴史の裏側紹介。本人のことより、幕末長州藩士、とく高杉晋作の豆知識が多い。奇兵隊は近代兵団を目指していたが、身分差別を解消しようとしたものではなく、高杉自身は武士であることのプライドと強く持っていたとか。藩政府も戊辰戦争までは彼らを活用するが...続きを読む
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    古川さんは白石一郎・滝口康彦氏と共に西国三人衆と呼ばれ、中央文壇に背を向け、故郷・下関を中心に活躍している作家さんとして名前は知っていました。
    しかし、他の二氏と違い手を出したことが無く、今回が初挑戦と思いきや、どうも以前一作だけは読んでいるようです。とは言え、まったく記憶が無く、初挑戦同様です。...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    松陰先生の遺書。

    「死は人生の終末ではない生涯の完成である」
    というマルティン・ルターの言葉があるが、
    吉田松陰の生涯は「至誠」の二文字をもって完成した。
    彼が信奉した儒教の祖である孔子も孟子も
    一種のしたたかさを持っていたため天寿を全うしたが、
    彼は愚直なまでに至誠を貫き、至誠に殉じた。
    その姿...続きを読む
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    NHK大河ドラマの脚本は、この小説を底本にしているのでは!
    ドラマを観てから読むと、とてもイメージが広がる。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    「留魂録」 たった3文字で、凄まじい力が伝わる見事なタイトル…。 「私の魂(想い)を記録として留めておく」という事か。 自身の命を以て仲間達に志を問う事、人生には春夏秋冬がある事、そしてその人なりの四季があり、松陰自身それを知り得た事…。 人生を賭け、覚悟を決める壮絶さが胸を打つ一冊。 自分には何の...続きを読む